見出し画像

「21世紀の資本」まとめ

本書の結論

「r>g(資産家と労働者の格差が拡大する)」

実社会に役立つ経済学とは?

これまでの経済学は理論や机上の空論だけで、実際の社会に役立つものではなかった。

☞ピケティは実社会に役立つ経済学を追求し、「分配」の重要性を主張した。

分配の重要性を膨大なデータ調査

1か国だけでも困難と言われる中で、ピケティは、20か国における200年間分の経済データを15年をかけて研究。

そして、そこからピケティが導いた結論は、他の経済学者の主張とは異なっていた。

ピケティの結論「r>g」とは?

r = 資本収益率(資本を資産運用することによって得られるお金の伸び率)

g = 経済成長率(労働することによって得られるお金の伸び率)

わかりやすくいうと、

☞資産運用して得られるお金 > 労働して得られるお金

という主張である。

というのも、全体における資本収益率が4%で推移している中、労働収入の伸び率は1~2%という低さで推移しているからである。

このままだと、資産運用をしているお金持ちに入る利益ばかりが大きくなって、労働者に入るお金が増えていかないとを主張したのである。

トップのお金持ちが利益を独占する構図

アメリカにおいては、株などの投資にかけられている資金の全体の70%が、上位10%のお金持ちが独占し、

残り30%がそれ以外の投資家に分配されている状況。

☞このままだと、お金持ちに入るお金が増えていく一方なのである。

なぜ、経済成長への見解が異なったのか?

経済学者の多くが、

「経済成長率は上がっていくから、労働者に入るお金も増えていくだろう」

と、予測する中、ピケティはその分析は誤っていると主張した。

なぜなら、他の経済学者が研究に使ったデータはせいぜい過去100年間分。

☞この100年には戦争という大きな異常事態が発生し、その時の経済成長はイレギュラーな経済状況の中で起こっていたと考えたためである。

ピケティは200年間分のデータを調べ、そこからの分析だと、経済成長率は上がっていかないことが予測できたのである。


経済格差を是正するための解決策

この格差を是正するために、ピケティが考えた解決策は、

☞世界が提携して、累進課税(所得税)を行う機関を設けること。

このようにして、世界規模で大富豪から税を取り、それを国民に分配することができれば、格差は縮まっていくと考えたのである。

いわゆる、「お金持ち税」を設けようということである。

税から逃れるために、お金持ちは色々な国に移転して、財産を守ろうとしている。

そうできないようにするためにも、世界規模で税を徴収する期間を作る必要があるのだ。


ピケティが主張したかったこと

資本主義は悪いものではない。

☞しかし、世襲資本主義社会(お金持ちに生まれた人だけが、これからもお金を増やし続ける)の構図は、社会全体から見ても良くない。

このままだと、お金持ちが、ますます資産を増やす展開になってしまう。

お金がない家庭に生まれた人間にもチャンスは与えられるべきである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?