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【空腹と免疫力】空腹こそが免疫スイッチをオンにする

 健康のためには毎日決まった時刻に3食きちんと食べるのが良いと教えられてきた。風邪を引いたら「食べないと良くならないよ」というのが常套句である。それぐらい私たちは食べることが健康に欠かせない習慣だと教え込まれて育った。しかし果たしてそれは本当だろうか。

 人類は数百万年もの長い間、狩猟や採集で食料を得ていたので、安定的に食物を確保することは難しかった。農耕が始まったのはせいぜい1万年前のことで、人類の歴史のほとんどは飢餓との戦いだったのだ。だから人間も野生動物と同様、飢えた状態が通常で、今も私たちの体は飢餓を前提としてできあがっている。つまり人間の体は食物がないときに空腹に耐える術には長けているが、逆に常に満腹する日常には慣れていないのだ。だからこの飽食の時代には多くの人が糖尿病や高脂血症、高尿酸血症といった栄養過多による生活習慣病に陥っている。生物の体がそう簡単に変わるわけがないのである。

 病気を防ぎ、病気にかかったら正常に戻す能力を免疫力というが、免疫力は飢えたときに最大限に働く。空腹こそが「免疫スイッチ」をオンにするのだ。病気になると食欲がなくなるが、それは体がそれを望んでいるからだ。野生動物も病気にかかったりけがをしたりすると何も食べずにじっとしている。それが免疫力を高めるということを本能的に知っているのである。

 加えて言えば、病気による発熱は、体温を上げて免疫力を高めているということなので、安易に解熱剤などを使うのはむしろそれを邪魔することになる。軽い病気は薬品などの医療ではなく、免疫力、つまり自己治癒力で治すのが一番良いのは言うまでもない。

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