Lay-off(整理解雇)について
触れないのは不自然だが、俺自身がImpactを受けたわけでもなく、また知り合いも多く影響を受けているので非常に難しいトピックだ。
しかし、TwitterやMetaといった高給で話題をさらってきた会社が整理解雇を始める中で、年収一千万円クラブのメンバーはこの現実的なリスクを認識しておくべきだという考えの元、記事を書くことにする。
1. どんな会社に勤めていてもLay-offのリスクは存在する
整理解雇というのは、外資系の専売特許ではない。
会社というのは倒産しうるし、倒産を避けるためにもしくは再成長のために大規模なリストラクチャリング(事業再構築)を行う。これは何も新しいことではないし、日本では昔から”リストラ”という言葉が悲哀を帯びていることからもわかるだろう。
今回話題になっているのは、その規模と急進生もあるが、時代の転換点であるからだろう。
日系企業と外資系企業における整理解雇で大きく異なるのは、”その後”である。外資系企業は期待される職能のレベルが明確であり、そして企業や産業を超えての転職が一般的である。会社の暖簾に影響される面が0であるとは言わないが、所属企業より”できること”を基に年収が決定される。
そういう意味で、外資系企業に在籍中整理解雇にあった場合、職業人生におけるインパクトは明確な職能を持っている場合さほど高くはない。
ただ、遭遇率は外資系企業の方が圧倒的に高いと言える。俺が過去勤務したことのある企業で、在籍中、もしくは退職後2年以内ににリストラクチャリングがなかったことは、一度もない。ざっくりだが、海外拠点を持つようなサイズの外資系は、5年から7年に一度はリストラを行う。
米国CEOの平均在籍期間は13.4年らしいが、経験上着任直後に大きな組織変更を行うことが多い。そして、景気循環は大体4〜6年で起こるとされている。この二つの事実と、俺の体感は遠くないだろう。
職業人生が40年だとすると、その間に7回くらいは整理解雇に直面する可能性がある。つまり、Lay-offは避けられないものとして付き合うべきなのだ。
2. Lay-offは悪いことなのか
ネガティブな面は数限りなくあるだろう。
職を失うということは、これから年単位で期待できたはずの賃金が0になるということであり、社内に蓄積してきたネットワークなどの無形資産の価値はなくなる。そして世に出るはずだったプロジェクトは闇に葬り去られ、自分のせいではないとわかっていても自尊心は傷を負う。
何年かに一度見返す映画がある。
「Up in the Air」という2009年に上映された、ジョージクルーニー主演のそれだ。「セッション(原題:Whiplash)」で怪演を見せたJ・K・シモンズも重要な役で登場している。1時間40分程度の短い映画だが、人生とキャリアを見つめ直すきっかけをくれる良い作品だ。
その中での一番好きなシーンがここだ。
0:55辺りからがポイントだが、助走部分も含めて味が出るのでできれば全部見てほしい。
今回レイオフの対象になった人はおそらくこのBobよりも若く、未来のある人だと思うが、やはり同じように感情的に整理解雇の対象となったことを消化しるプロセスが必要だと考える。それなしで何を語られても、本当の意味で前向きに捉えることは難しいかもしれない。
そういう感情的なもつれの話はありつつ、外資系企業とくに大企業のLay-offというのは非常に有益な面もある。新しい適性を探すためのきっかけを強制的にくれるし、退職パッケージも手厚いことが多い。
例えば今回のMetaであれば、16週間分の給与に勤続年数週(4年なら4週間)を加えた期間の月収が保証される。4年間勤務していたのであれば、5ヶ月分の給与がもらえる。これに加えて、保険や株式の付与、退職金買取りなどが加わる。
例えばベース給与が2,000万円だった従業員の場合、おおよそ1,000万円を超える現金がもらえることになる。もちろん金で全てが解決するわけではないが、会社の配慮を感じることができると思う。
上記に加えて、転職サポートもつくことが多い(Metaの場合は付帯)。
整理解雇というのは、文字通り人生の再出発だ。
今まで共に闘ってくれた従業員に対してその労を報い、そしてその才能と能力を活かせなかったことを悔い、新たなる旅立ちを祝福する気持ちというのは外資系企業でも同じだ。
3. 会社と闘い、勝った人達
整理解雇に納得がいかず、会社を訴えた人たちというのは過去何人もいる。その会社が有名であったり、訴えた本人のステータスが高かったりすると話題になることもあるから聞いたこともあるだろう。
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