見出し画像

「どういうタイミングで動き出すの?どういうスクリーンのかけ方、使い方をするの?というところで、僕たちはそこをもっと大事にする必要がある」石川裕一HC/第16節 VSライジングゼファー福岡


SCORE

GAME1
Final●香川ファイブアローズ 73 - 87 ライジングゼファー福岡○

1Q  香川  9 - 21 福岡○
2Q ○香川 22 - 17 福岡
3Q  香川 20 - 24 福岡○
4Q  香川 22 - 25 福岡○

GAME2
Final ○香川ファイブアローズ 80 - 71 ライジングゼファー福岡●

1Q  △香川  22 - 22 福岡△ 
2Q  ○香川  16 - 15 福岡 
3Q  ○香川  20 - 13 福岡 
4Q  ○香川  22 - 21 福岡




勝利を待つということ

試合後のセレブレーションと挨拶はBリーグの名物


新年初勝利を祝う。

今季最長の8連敗を新年初のホームゲームでなんとかストップした。
喪明けしたか!?とも思えたゲームだった。
勝利の喜びもひとしおだった。
GAME ENDに向けて勝利の瞬間を待ちわびた。

瞬間、胸をなでおろす。
そこでしか味わえない瞬間をその場にいる皆と共有する。

8ゲーム、5節分にして漸くの勝利。
一ヶ月ぶりの勝利だった。
改めて振り返ると長い。

12/11の第11節、前AC阿保コーチの所属する青森ワッツとのGAME2に勝利して以降、年末差し掛かる第12節AWAYバンビシャス奈良、13節HOMEアルティーリ千葉、第14節AWAY西宮ストークス、そして正月に第15節AWAY福島ファイヤーボンズ。
第12~15節をまるまる落としてきたのだ。
要因はプレイヤーのコンディション不調とロスター(出場可能選手)の不安定さだった。


石川祐一HC「まだまだ改善すべき点はありますし、やはり怪我人等で、いろいろなローテーションもやらなければならないですし、そういうことにも対応しつつ、もっと勝ち星を重ねていかなければならない」

https://ameblo.jp/nami-kagawa/


もともと香川ファイブアローズといえば中心選手のアンガス・ブラント(AUS)、リース・ヴァーグ(AUS)、マイルズ・ヘソン(GBR)、ルーズベルト・アダムス(PHI)と全員が各国代表候補で体調調整の他に代表選手達の合流を控えるクラブだ。
11月にはアースフレンズ東京ZなどでプレイしたCのジョシュア・クロフォードと一時短期契約し、14節から練習生契約だったPFカイル・リチャードソンが選手契約。今節でもカイルの活躍が大きく勝利に貢献(GAME2では22得点7リバウンド、5ブロック)。彼らの穴をうめるべくプレイしている。特に年末は大黒柱ともいうべきアンガス・ブラントが左アキレス腱付着部症の故障がでるなど響いた。マイルズ・ヘソンもコンディション調整でたびたびロスター枠を外れるなどしてきている。アンガス・ブラント(AUS)、リース・ヴァーグ(AUS)、マイルズ・ヘソン(GBR)、ルーズベルト・アダムス(PHI)と4人がまともに揃って試合へ挑める日がそもそも整うことはなかった。日本国籍の中心選手にしても、キャプテンの兒玉、伊集と怪我明けの中プレイを続けている。

そして、60試合あるレギュラーシーズンのうち半分を終えた。結果は9勝-21敗。勝率.300。西地区で7チーム中6位、B2全体で14チーム中12位と昨シーズンの西地区優勝という事を考えても、いや、そうでなくとも、低空飛行を続けている。2022-23シーズンは下位2クラブがB3へと自動降格する。13位のバンビシャス奈良とは勝利差が1であり14位の東京Zとは勝利差が4だ。後半戦しっかり改善ができなければB3の降格が口を開けて待っている。




残り30試合、後半戦へ向けてSTAY HUNGY.

膝の上に手を置いて休むマイルズ・ヘソン。Micheal JordanやKobe Bryantを思い起こさせる。

「どういうタイミングで動き出すの?どういうスクリーンのかけ方、使い方をするの?というところで、僕たちはそこをもっと大事にする必要がある」 石川裕一HC

https://ameblo.jp/nami-kagawa/

遠山奈美さんの試合後インタビュー記事より今節GAME1でライジングゼファー福岡のモンチョ・ロペスHCが香川がいい時間帯に走られていた、という言葉があったところで、上記のGAME2での石川祐一HCの言葉とそれを象徴するようなプレイを一つブレイクダウンしたい。

次の速攻のプレイが象徴しているように思えた。



Game1の3Qでの速攻のシチュエーション。
リバウンドをとってすぐ攻撃へと転じる。
ボールをフロントコートへと運ぶリース・ヴァーグ。

攻守の切り替わりで早く攻める時のセオリーとしては、リバウンドでボールを確保し、攻守の切り替わりが起きると、直ぐドリブルやパスの上手いポイント・ガードにボールを渡す事が言われている。
これをアウトレット・パスという。
ミスなく確実にボールをゴール近くに進める為だ。

セオリーとは違って、これを香川ファイブアローズでは時々リース・ヴァーグといったビッグマンがボールを運ぶ。これによって何が起こるか?

本来ならライジングゼファー福岡の外国籍ビッグマンである、スローターがマークマンなのだが、ボールの出所を早く抑える必要がある為近くにいるガードのポジションの白戸が入れ替わってリース・ヴァーグをマークする。一方で白戸が本来守るべき相手の香川の飯田をスローター若しくは(永吉)が代わりにマークする。本来のマークマンを入れ換えて守る事をスイッチとバスケットボールでは呼ぶ。こうやって意図的にスイッチを引き起こしたマッチアップをクロスマッチアップとも呼ぶ。これはマークのズレと相手ディフェンスに混乱をもたらす事になる。

リース・ヴァーグはボールを運びセンターラインを越えると、遅れて上がってきたマイルズ・ヘソンにすかさず横パスする。さしずめオーストラリア代表からイギリス代表のラグビーパスの様でもある。

よく見て欲しいのだが、ヘソンはドリブルをつきながらさらに隣の兒玉へと左手でクイっと呼ぶような仕草をみせる。兒玉はそれを見てヘソンの側に走り込むような動きを見せる。この時兒玉のマークマンである重冨がつられて兒玉の方に引っ張られる。

完全にノーマークになったシューターの飯田へとボールが渡る。

香川の選手たちの一つづつのプレイの連動で完全なノーマークを作った瞬間だ。ヘソンと兒玉の呼吸の合った動きによって相手のディフェンスは完全にずれてしまっていて後から気がついた永吉が慌ててカバーしているのが分かる。

これが石川HCのいう「どういうタイミングで動き出すの?どういうスクリーンのかけ方、使い方をするの?というところで、僕たちはそこをもっと大事にする必要がある」という部分にかかってくると思う。

別段難しいことはしていないがポジショニングとタイミング、息を合わせることで完全にフリーなシュートを作れた攻撃だった。飯田選手の走るレーンや速度も完璧。攻守が入れ替わりたったの5秒で3点を上げる事に成功している。

選手同士が今の戦術をベースにそれぞれが持ち味を活かせればこういうプレイも自ずと増えてくるように思うし、攻守にリズムも出てくる。それを後半戦は期待して見てゆきたい。



UPDATE

1/8,広島ドラゴンフライズより、チームマネージャーとして大山陽と契約。広島ドラゴンズフライズではアシストマネージャーをしており、現在チームマネージャーをしている前山明日翔と二人体制となる。これでチームのバックアップスタッフはアスレティックトレーナー2、ストレングストレーナー2、チームマネージャー2と全て2人体制となる。コンディション調整と安定したロスターの確保が喫緊の課題だけにこれにより改善に繋がるだろうか。

1/11には特別指定選手としてGの足達玲太と契約。昨年インカレベスト8名古屋学院のエース・ガードとして活躍した高知県出身の若き才能。兒玉、伊集、久岡とガード陣への刺激と底上げが期待される。




■参考・参照

香川ファイブアローズ一覧 | スポーツニュース | 四国新聞社 (shikoku-np.co.jp)

遠山奈美さんのプロフィールページ (ameba.jp)

Bリーグ 2022-23 B2リーグ戦 2023/01/07 香川 VS 福岡 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト (bleague.jp)

Bリーグ 2022-23 B2リーグ戦 2023/01/08 香川 VS 福岡 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト (bleague.jp)





PHOTO ALBUM(1/7-8)

IMG_3670 5
IMG_3772

この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?