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簡単に実践できる投資戦略4選①

連載の記事を最初から読むと、
具体的な戦略を学ぶ準備ができます。

最初から戦略を教えてくれたらいいのに。と、
投資心理、リスク管理などを長々と話しすぎて
嫌になった方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、暗号資産の投資の成功の50%は投資心理、
40%はリスク管理、10%が投資戦略にかかっています。

したがって、中の人は最も重要な投資心理とリスク管理を
もう少し深掘りして、
投資戦略は後でお話しした方が良いと考えました。

簡単な戦略から難易度の高い戦略まで
詳しく説明していくつもりです。
決まった時間帯に10~30分だけ投資すれば、
実行可能な戦略から
自動化プログラムが必要な戦略まで
じっくり説明してみようと思います。

ここで、このブログで書かれてある投資戦略について
お話しする前に注意しておきたいものがあります。

中の人は主に2014年2月から
2019年12月までの期間を調べていますが、
この期間には大幅下落もありましたが、
2017年のように、
ほぼ全ての暗号資産が数十倍、数百倍上がったという
とんでもない上げ相場もありました。

しかし、このような規模の上げ相場は
滅多にこないでしょう。

したがって、未来は過去よりも
相当低い収益性になるかもしれません。

また、MDDは測定可能ですが、
未来は過去よりもはるかに恐ろしく、
想像すらできない災難が発生するかもしれません。

なので実際のMDDは、
バックテスト(過去のデータ)したMDDより
2倍程度高くなると覚悟したほうが逆に気が楽かもしれません。

それでは、投資戦略を一つずつ紹介していきます。

投資戦略#1:仮想通貨10%+現金90%

これはめちゃくちゃ単純な戦略です。
投資に時間をあまり使いたくない方におすすめです。

この戦略の実行ルールを要約すると、次のようになります。

投資対象:投資したい暗号資産を複数選択
投資期間:2014.2~2019.12
取引費用:0.2%適用

投資戦略
1. 選んだ暗号資産を同じ金額で分散投資する

2. ただし、資産の10%のみ暗号資産に投資する
* 5種類の暗号資産に投資する場合、各銘柄に資産の2%を投資する

3. 暗号資産が合計50%値上がりし、
資産に対する暗号資産の割合が15%を超えたら
一部を売って再び90%現金、10%暗号資産の割合に合わせる

4. 暗号資産が合計33%値下がりし、
資産に対する暗号資産の割合が小さくなると
暗号資産を買い増しして
再び90%現金、10%暗号資産の割合に合わせる

例を挙げてみます。
あなたの資産が1億円で、
ビットコイン、イーサリアム、リップル、
ビットコインキャッシュの4つの暗号資産に投資したいときは、
それぞれ1億円×10%÷4=250万円を
各銘柄に投資すればいいのです。

それで価格は上がったり下がったりするでしょう。
次のように一ヶ月間で暗号資産への投資金が
合計50%上昇したとしましょう。

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投資した暗号資産の価格が50%上昇した場合

ご覧の通り、暗号資産の一部は値上がりし、
一部は値下がりしましたが、
結果的にポートフォリオは1,000万円から
50%上がって1,500万円に達し、
全体資産に占める割合は14.3%に増加しました。
この時、暗号資産を少し売って現金化するのです。

ただし、再び1,000万円には調整しません。

全体資産が500万円増え、
1億500万円になったので、
この10%、つまり1,050万円を再び
4つの暗号資産に等しく配分します。

逆に暗号資産の価格が合計33%下落した場合、

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投資した暗号資産の価格が33%下落した場合

暗号資産は暴落し、
投資額は1,000万円から667万円に下落しました。
総資産は9,667万円です。

今度は暗号資産の割合を
再び10%(966.7万円)に合わせるためには
現金299.7万円を投入しなければいけません。

そして、各仮想通貨の割合を再び
966.7万円÷4=241.7万円に合わせます。 

この作業は「リバランシング(Rebalancing)」とも言います。

ある方々にはつまらなさそうに見えるかもしれません。
これでも戦略だと言えるのかと。

過去の収益や最大ドローダウン
この戦略を活用したら、
どの程度の成果があったのか、
先にお見せします。

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総資産の10%を4つの暗号資産に分散投資+90%現金にした戦略(2014.2~2019.12)

この戦略の結果は
年換算収益(CAGR)は19.1%、
最大ドローダウン(MDD)は18.8%でした。

MDD18.8%が何を意味するか、考えてみましよう。

戦略と言い難いくらい
簡単な戦略を活用していたら、
最大で18.8%損したことになるのです。
(一時的にですが)

これくらいの苦しみに耐えて
CAGR19.1%の利益を出せば、
おそらく多くの人たちは
耐えられるのではないでしょうか。

選んだ暗号資産はビットコイン、リップル、
ライトコイン、ダッシュです。

なぜよりによって、
この4つの銘柄を選んだからというと
2014年から存在したからです。

これが非常に重要です。

イーサリアムは2015年に誕生しました。
2017年が暗号資産の超上げ相場であった反面、
2014~2015年は暗号資産の暗黒期でした。

何度も強調しますが、
暗号資産はずっと上がり続けることはないでしょう。

きっと、これから大きな下げ相場を経験するでしょうし、
市場がほとんど動かない横ばい相場もきっと経験するでしょう。

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4つの暗号資産のMDD区間や規模

投資戦略の真骨頂は、
下げ相場でどのような成果を出すか
によって明らかになります。

まず上の表を調べてみましょう。

信じがたいかもしれませんが、
2014年の下げ相場は2018年のものより、
深刻でこの時期のほとんどの暗号資産のMDDが
95%を記録しました。

やはりビットコインが基軸通貨(?)らしく
善戦しましたが、
それでも1年以上にわたって89%も割れました。

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2014.3.19~2015.1.14 ライトコインが95%暴落!

中の人は価格予測はあまりしませんが、
2017年12月、つまり
まだ暗号資産のバブルが続いていた時点で
一度予測をしたことがあります。

当時、「暗号資産の大半は、
確実に高値に比べ90%以上下落するだろう。
ただし、グラフが折れる時点だけは全く分からないな」
と思っていました。

ビットコインの最高値は221万円程度でしたが、
これを最高値にして90%下落するか、
それともリバウンドして
1千万、3千万、5千万円まで行った後、
90%下落するか、
そして、上げ相場はいつ始まって、
いつ終わるかは、中の人は全く分かりません。

しかし、いつかは必ず高値に比べ、
90%も下がるでしょう。

そして、次の表のように、このような大惨事が
最近、起こりました。

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2018~2019年メジャー仮想通貨の下落率

投資戦略は下げ相場でも生き残るものでなければいけません。

投資の目的は
①生存、②安定的な収益、③高い収益で、
投資家のほとんどは①、②の大事さを忘れて
③だけ求め続けて、
大損してしまうケースがあるので注意が必要です。

この戦略の結果が怪しいと思う方も
いらっしゃるでしょう。

そこで、セルフQ&Aコーナーを作ってみました。

Q:確かに暗号資産は90%以上
下がった期間があったが、
この戦略は値下がりする期間はないのか?

A:まず、暗号資産が下落しても
90%という高い現金の割合が、
大分カバーしてくれます。

資産の10%だけを暗号資産に投資した場合、
最悪の状況が発生して
それらの銘柄がすべて地球上から消えたとしても
資産の10%だけを失うことになります。

幸いにも各銘柄が値下がりする期間が
違うこともあります。

全部が同じ期間で90%下がって、
資産の9%がなくなる訳ではありません。

暗号資産の価格が大きく下がれば
現金を投入して底値で買い、
上がれば売って高値売りをするため、
収益がある程度改善されます。

Q:下げ相場で踏ん張ったのはいいが、
2017年のような上げ相場がなかったら、
絶対にCAGR19%は稼げなかったのでは?

A:その通りです。
この戦略の要は2014~2015年のような
下げ相場で持ちこたえて、上げ相場で稼ぐことです。

もちろん、現金の割合が高いため、
暗号資産の上昇率ほどたくさんの利益は出せません。

先ほど必然的に「暗号資産は高値対比90%以上
暴落するはずだ」と前述しました。

しかし、その後は再び上げ相場が到来するでしょうし、
途中には横ばい相場もあるでしょう。

市場で確実なことが一つあるとすれば、
上げ・横ばい・下げ相場が交互に訪れるということです。

つまり、下げ相場で損しない方法を体得していれば、
必然的に再び上げ相場が来て収益をもたらすでしょう。

Q:それで具体的にどの暗号資産を買えばいいの?

A:どの暗号資産が将来上手くいくのかは、誰も知りません。
なので、それだけはご自分で真剣に考えて選んでください。

次回に続きます。

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