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専門調査員という仕事の紹介(着任編)

結構前に「専門調査員という仕事の紹介」という記事を書きました。全然期待していなかったのですが、10名の方から反応をいただいたので追加の記事を書いてみたいと思います。(読んでくれてありがとうございます)

もし興味がある方は以下の記事を読んでみてください。

では、以下目次です。


公電読めない件について

今回の記事は着任して数か月について書いてみたいと思います。
着任した際に最初にぶちあたる壁が、「公電が読めない!!」という事態です。(専門調査員を経験したことある人は同意してくれるはず)

公電というのは、公官庁で使われている公的な文書の呼び名である。在外公館の場合は、霞が関にある外務本省に連絡をする際、そして本省から在外公館に連絡する際に公電が用いられる。ちなみに、全てのやり取りが公電で行われるわけではなく、普段の連絡はメールでやっているが、大事な要件だと公電となる。

さて、この公電読めないとはどういうことか?
その理由は、言葉使いが独特で理解するのに時間がかかるのだ。例を挙げると、「接到」、「~せしめる」、「ご如才なきことながら」、「要すれば○○ありたい」などである。昭和初期の小説を読んでいるような感じである。なので、着任1か月くらいは文面を3回くらい見直さないとしっかりと意味が取れない。

しかし、人間はすごいもので、やがて苦も無く読めるようになるし、そのうち普段のメールの言葉遣いが自然と公電調になっていく(やったね!)。

ちなみに、公電は読むよりも書く方が大変だけど、決裁という過程があるので安心してほしい。決裁とは、まずは自分で書いてみて、そのあと直属の上司に見てもらい、最後に館長に見てもらうという、一連の流れのことである。この過程を通じて現代文から古文(昭和初期)に文体が直されていくのである。(一人で書くわけではないから心配しなくていいと思う)

現地職員がいろいろやってくれる件について

さすがは、日本の公官庁に雇われている現地職員だけあって、みんな能力が高い。英語の文章を作成したり、打ち合わせのアポや情報収集などもやってくれる。

前の職場で途上国でほぼ一人だった私にとっては、現地職員の人がいろいろやってくれるので仕事が捗りすぎてたまりませんでした。「あぁ、チームで働くってこういうことね」ってちょっと浸ってしまった時期もあるくらいでした。

ただ、同時に彼らに対して指示を与える立場にもなるわけで(派遣先によって違うとは思います)、日ごろからきちんとコミュニケーションをとって、いい関係を築き、彼らの仕事の進捗や負担を見てあげるって業務もあります。

いい家に住めて落ち着かない件について

今から書く部分は育ってきた環境が違うから、読者の皆さんで感じる印象は異なるだろう。

私は、専門調査員となる前は、仕事の関係でとある途上国で4畳くらいのアパートで生活していた。停電になると水は止まるし、エアコンないし、お隣さんにベランダの椅子を勝手に使われるし、雨が降るとひざ下まで水くるし、と不自由のない生活をしていた私だが、専門調査員になると安全面を考慮してそれなりの場所で住むことになる。

そうだ、いきなり広い家に住むことができる。

私が住み始めた家は、2DKの部屋でリビングルームとベッドルームから構成されていて、一部屋で10畳くらいはあったと思う。オーナーがポルトガルに住んでいたせいか、ヨーロッパ感のある部屋になっていた。(ヨーロッパにいったことはないけど)

また、ほとんど料理はしなかったが、キッチンは対面式になっていてちょっとおしゃれ。備え付けのクローゼットや棚なども木でできており、こっちもおしゃれであった。

ただ、一人暮らしにはあまりに広すぎる部屋と、これまでこんな大きな部屋に住んだことのない私は、引っ越しして1週間くらいは落ち着かず、理由もないのにベッドルームとリビングルームを右往左往してしまった(落ち着かない)。

とはいえ、これまでに住んだことのないい家に住めたのは間違いなく、結構贅沢な暮らしをさせてもらった。ただ、専門調査員全員がこんな感じではないみたい。前の記事にも書いたけど、NYに行った同期は普通のワンルームみたいなアパートだったみたい。

終わりに

ここまで駄文を読んでくれた皆さんありがとう。またニーズがあれば書きたいと思います。次を書くなら、地方への出張編、人間関係編、現地での生活編、などを考えていますが、何か興味があるものが教えてほしいです。と、おもったけど、Note無料版はコメントとかできないんですね。では、いいねが5くらいあれば、続きを書きたいと思います。

秋っぽくなりましたね。ご自愛を

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