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<少額訴訟記5>自治体の無料法律相談

・2023年12月下旬
話の通じない大家とサヨナラするため、賃貸マンションを退去

・2024年3月初旬
敷金から控除される修理費用34,200円(後日減額され24,200円)に納得がいかず、少額訴訟へ踏み切る

・2024年4月下旬
裁判で勝訴的和解が成立し、敷金全額を取り返せることに

*記事には多少のフィクションを含みます


無料法律相談を予約

2024年2月中旬
自治体の無料法律相談へ

大家への怒りの勢いで、直近の無料法律相談の枠を確保した。

その日は平日だったので、わざわざ有給を取ることに。

私の自治体では、月1で夜間相談や休日相談も実施しているみたいなので、また機会があれば、今度は有給を減らさずに相談したい。


事前に相談内容をまとめておく

地域によって異なるとは思うが、私の自治体だと、無料法律相談の時間は30分だ。

たった30分間で1から10までの事情を説明し、なおかつ弁護士から助言をもらうことは厳しい。

しかも、予約時に相談内容を伝える仕組はない。
弁護士は、その場で初めて相談者の困りごとを聞かされるのだ。

裁判所のWEBサイトには、少額訴訟の訴状記載例(敷金返還請求バージョン)が載っている。

https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_minzisosyou/syosiki_02_04/index.html

こういった公式情報を確認したり、少額訴訟に関するブログをいくつか読んだうえで、無料法律相談での質問内容を考えた。


無料法律相談で聞いたこと

担当してくれた弁護士は話しやすい人だった。

たかだか3万円程度の揉めごとを、テキトーに受け流すことなく聞いてくれた。

意外と、被害額の少ない相談案件が多いのかもしれない。

敷金トラブルの概要を話し、少額訴訟を考えていることも伝え、弁護士としての意見を聞いた。
賃貸借契約書と敷金精算書も見せた。

この手の相談では、絶対に契約書を持って行った方がいい。

口頭で「こういうふうな契約でした」「そんなことは書いていませんでした」と言ったところで、弁護士は半信半疑にならざるをえない。

法律素人が、契約内容を完全に理解できていると過信してはいけない。


以下、質疑応答。

敷金精算書(修理費用明細) 

ダイニング
・モニター面クロス 張替(3分の1負担):6,600円
・エアコンフラップ 取替工事費(3分の1負担):13,200円
・窓ガラス シール剥がし:2,200円

洗面所
・クロス破れ 張替(3分の1負担):3,300円

風呂
・照明灯外れ 取付工事:7,700円

リビング
・窓ガラス シール剥がし:2,200円

合計:35,200円

契約時の預かり敷金:100,000円
控除額:35,200円
返金額:64,800円

1週間後までに連絡がない場合は、上記通りに入金させていただきます。

敷金精算書で請求されている修理費用は妥当なの?

──こんなの払わなくていいですよ。全部経年劣化です。
「3分の1負担」という負担割合も、なんとなくで設定しているんだと思います。

僕もマンションを借りていて、窓ガラスにはひびが入っていますが、退去時に修理費用を払う気はありません。


ブログなどを見ていると、まず内容証明を送って、それでも解決しない場合に提訴している。
大家に内容証明を送っても効果がなさそうなので、いきなり提訴に進んでも問題ない?


──先に内容証明を送っておいた方がいいですよ。


訴状に遅延損害金の利率を書く欄があるが、何パーセントと書けばいいの?

──こういうとき、普通は「年3パーセント」です。


夫の名前でマンションの賃貸契約をしていた。
私が原告となって訴訟を起こしたいが、それは可能?


──それは無理です。契約者本人でないと原告にはなれません。


契約書の入居者欄には私の名前も載っている。それでも無理?

──それでも無理です。


夫は裁判に後ろ向きで、自分が原告になるのは嫌だと言っている。
裁判を起こして、それを周囲の人間に知られることはある?


──裁判当日、たまたま知人が裁判所へ来ているということがあれば、知られる可能性もあります。
そうでなければ、誰にも知られません。


もし少額訴訟を諦めなければいけない場合、他に代案はある?

──民事調停という手もあります。
これも裁判所で行われますが、当事者間での話し合いができます。


無料法律相談の感想

行ってよかった。
事前に聞くことを決めておくと、30分でもいろいろ話せた。

敷金から修理費用を差し引こうとする大家へ怒りを燃やしてはいるが、自分の認識の方がおかしかったらどうしようと不安になることもある。

弁護士の「こんなの払わなくていいですよ」の言葉にほっとした。


ブログ筆者=契約者=少額訴訟の申立人(原告)

ネットで拾える体験談はほとんどこのパターンなので、「契約者の配偶者」視点が分からない。

相談に行ったおかげで、悲報ではあるが、私は原告になれないということを知れた。

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