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ツインレイ(twin-ray)なるもの

 今日は今まで書いてきた趣向とは異なることについて書こうと思う。それは「ツインレイ(twin-ray)」という流行ワードについてだ。
 以前、ネットの記事で見かけたことはあり「魂の片割れ」と日本語に翻訳される普通の日本語で言うところの「運命の相手」のことのようだ。
 何年前に目にしたか覚えていないが、「ははーん、今はこう言う占い用語みたいのが流行っているんだな」と一瞬考えた後にそれはすぐに忘却の彼方へと葬りさられた。

 それが最近たまたまYoutubeのタイトルで再び見かけたのだ。唯一無二を言い表したことと説明している人がいたので、社会的に成功した「ひとかどの人物」のような意味かなと思い、動画の一つを見てみることにした。動画を見ているとどうも恋愛関係についての話のようだしよくよく聞いてみると、ソウルメイト(soul mate)のことらしい。twin-rayは日本語にすると「対になった光」。
 冒頭に書いたとおり、以前ツインレイについて知った時のことをそのとき久しぶりに思い出した。ちなみに、英語では「運命の人」のことを「soul mate」などと言う(ツインレイ信仰においてのソウルメイトという用語は世界に数人いて同性の場合もあるそうです)。
 ツインレイの人と出会った時には、最初激しいハードルのある関係(恋愛に踏み込むには葛藤のある状況)になったり、サイレント期(恋人同士が一度別れていたり、遠距離恋愛だったりでソウルツインとしての性質が発現していない状態だそうです。あまり調べていないので実はあまりわかりません笑)があったりするらしい。魂を成長をさせるために約束された出会いであり、色々な問題が生じても完全には離れられず、魂レベルで強く惹かれてしまい、強い縁を感じるけど、一度完全に離れてしまうけど、結果的に統合するというのが特徴だそうです。
 ツインレイ(2対に分かれた魂)が元の形に戻ろうと、一つのものにも再合体するような最高のカップルの関係になることを統合と呼ぶらしい。ロマンチックな響きだが、なんか僕には生物学的な用語に聞こえてしまうい、何なのかわからないような表現だなと感じる。

 ツインレイの片割れが、もう片割れと出会った時の特徴としては、a.会った事がないのに懐かしいような感覚を覚える、b.言葉を交わさなくても相手の考えている事がわかる、c.行動パターンが似ている、d.出会ってすぐに恋愛感情が芽生えたり、e.簡単には恋人関係にならなかったり、f.偶然なんども出会ったり、g.すぐにまた会いたくなったり、h.激しい嫉妬心を感じるとかいうことがあるそうです。
 なるほど、なるほど。a.はそういうことを感じる場合もありますよね。アダルトチルドレン(機能不全家族に育った子供という意味で、アメリカのアルコール依存症の問題がある家庭に関わる福祉従事者の間での用語が元だったはず)について本に書かれた内容で「アルコール依存症の父がいる家庭で育った娘は、どう嗅ぎ分けるのかわからないが、確実な嗅覚で将来アルコール依存症となる男をパーティの中で見つけ出し、男とお互いに惹かれ合う」というのを思い出しました。今まで体験したことがその人を形作り、あるパターンを持った人から惹きつけられるというのは、まあありそうだなと個人的には思います。
  
 占い用語、スピリチュアル用語だからまあ別にいいんだけど、今まではそういった言葉を聞いた瞬間に脳内スルーが起きるというのが僕の今までの慣習だったのだけど、この概念が実は人を不幸にして躓きを与えているのではないかと思い至ったし、最近高校からの友人がスピリチュアルにどハマりしていて危機感を持っていたし、どうもそれなりに流行っている用語なようなので考察してみることにする。

1.ツインレイの特徴について分析してみる

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(※画像は本記事と関係ありません。汎用性の高い画像を提供してくれている「いらすとや」さんにはマジ感謝です)

a.会った事がないのに懐かしいような感覚を覚える
b.言葉を交わさなくても相手の考えている事がわかる
c.行動パターンが似ている
d.出会ってすぐに恋愛感情が芽生える
e.簡単には恋人関係にならなかったり
f.偶然なんども出会ったり
g.すぐにまた会いたくなったり
h.激しい嫉妬心を感じる

 さて、a.から行きます。a. は昔出会ったことのなる誰かのキャラや性格、言葉遣いや表情、顔の形質、雰囲気などに似ていると脳が分析したのでしょうかね。ちなみに僕がデ・ジャビュ(既知夢)をよく見るのですが、そのため景色によく懐かしさを覚えます(ま、まさか、これらの景色が僕の魂の片割れなのでは・・・?)
  次、b. 、b.はたまたま似た者同士でたまたま相手の考えが推測出来たに過ぎないのではないかと思います。
 言葉を交わさなくても相手の考えていることがわかるというのであれば、出会ってからその後一切言葉を交わす必要がなく意思疎通が可能であると思われますし、仮に試練を越えてからじゃないとそれらの能力が発現しないのであるならば、ツインレイを名乗るカップルに永遠にお互いに会話しないで意思疎通が出来ることを他者が観測出来る実験で是非とも証明して欲しいです。
 「言葉を交わさず相手の考えていることがわかる」ことが可能なら僕も出会ってみたいし、何か有効利用出来ると思いますので、その特性を活かしてテレパシーのようなやりとり(相手が自分の考えていることを認識しているかを把握していないってのがテレパシーとは違うところ)で何か面白いことをしてみたいなと思います。話していないのに、相手の考えていることがわかるってのは、一般的には相手の様子から「相手の思考が推測できた」ってことですよね。僕は割と人の人生を見透かすのが得意だと言われたことがあって、そういう経験が何十回もあります。
 はい、次はc.「行動パターンが似ている」ですね。行動パターンが似ている人なんて無数にいると思われますが、どんな行動パターンが被ったのでしょうか。「ドトール行きがち」「温泉好きがち」「同じバンドを好きになりがち」とかなんていくらでもありそうなものです。そもそも行動パターンが似ているとはどこまでも言うんでしょうか。
 d.、d.「出会ってすぐ恋愛感情が芽生える」。一目惚れって言葉が既にありますよね・・・。これはかなり普通なことのようにも感じますし、それって双方が同時多発的に起きるんでしょうか?一目合ったり、一言二言話しただけで恋に落ちる?まあ、そういうこともあるでしょう。僕にも似たような経験はあります。
 e.「すぐには恋愛関係にはならなかったりする」の「すぐ」ってどの程度の期間なんでしょうか?確かに出会って直ぐに恋に落ちるのにも関わらず、「すぐには恋愛関係にはならなかったりする」というのは、辛抱強くよく頑張ったなという感じがします。強いて言うなら、これって滅茶苦茶普通なことですよね。
   f.「偶然何度も出会ったり」はどこで出会うことを指すんですかね?それって割と人が集まる場所じゃないですかね?出会った時間帯はどのような時間なのだろうか。
 近所の人気のない河原で出会い、富士山の上や観光スポットでもない人が利用しない公園などを含む複数の場所で何度も出会ったなら、本物かもしれませんが・・・。(本物のストーカーか、本当に気があう人の意味)
 g.「すぐにまた会いたくなtたり」は普通に恋に落ちていれば、すごく普通なことのように感じます・・・。むしろ、すぐ会いたくならないような恋愛関係ってあるんだと僕は新たな視点を貰えました(笑)
 h.「激しい嫉妬心を感じる」はお互いに同時多発的に起こることと解釈します。ツインレイというのは魂の片割れなわけですから、双方が感じることなはずです。


2.魂とは何なのかという観点から考えてみる

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 2番目に、魂という観点を考えるに僕にとって一番身近な概念である輪廻転生を持ち出してみたいと思います。輪廻転生のあるという宗教的な視点で考えてみると、魂の片割れが何かに宿るとするならば、ツインレイの相手が樹木であるとか、細菌であるとか、ゴキブリであるとかって可能性もあるのではないでしょうか。
 僕にはそういう性的嗜好はないため樹木に対してホモ・サピエンスとして発情するということをしませんし、細菌については普段認識すら出来ないし、ゴキブリにはちょっと難しいなと感じます。ツインレイについて信じる人はこのようなことは考えないのでしょうか。僕の魂観からすると非常に疑問です。ツインレイという用語が英語圏から輸入されたとネット上で見かけましたし、欧米では虫や石に魂が宿るって考え方はあまりしないんだろうな。ray(光)から考えると、神や神に似せられて特別に作られたというアブラハムの宗教的なところか、インドあたりの宗教観に影響されているのかな。


3.世界の人口から考えてみる


 3番目には魂が人間にしか宿らないと仮定した上で、世界の人口という観点から考えて行きたいと思います。
 ツインレイというのは魂が分かれた相手がこの世でたった一人だけいるとのことであります。
 で、今の人口78億7500万人であるが、この内、日本人は1億2610万人である。単純化して半数が男、半数が女だとすると39億3750万人の異性が存在し、6,305万人の日本人の異性が存在することになる(実際は女性の方が寿命が長いので女性の方が多いか、もしくは中国では戸籍に登録されている子供には男性が多いことから男性の方が多いかもしれないので、結局はわからない。)
 まずこのことから最初に思うことは、魂の片割れが同年代や恋愛適正年代だけに存在すると考えることにはとても違和感がある。魂の片割れがどうして都合良く、自分の恋愛対象年齢に存在するのか。日本の人口比から言うと、恋愛年齢対象にいない確率の方が高いのではないか。幼少期の子供達や高齢者の中に魂の片割れがいる可能性があるということだ。もしくは、ほぼ同時期に魂が宿った人が「魂の片割れ」とするならば、二つに分裂した魂はどの程度の時間差で人間に宿るのだろうか。何年か魂の片割れがその辺でふらふらしているのであれば、「数歳差」で生まれている可能性もなくはない。

 そして、日本の中に魂の片割れがいる可能性というのも割と低い。面倒くさいので確率などは計算しないが、日本人以外の異性は38億7445万人いる。この中にソウルツインがいたらどうするのだろうか。いわゆる未開の部族の中に魂の片割れがいる可能性もあるので、その場合は出会うことは先ず無理だろう。人口が多いところでいうと、中国国籍の人やインド国籍の人、アメリカ国籍、インドネシア国籍、ナイジェリア、バングラデシュ国籍の中に魂の片割れがいる可能性が高いように思われる。

4.サイレント期なる概念



 4番目に気になった概念「サイレント期」について考えてみる。魂の片割れと出会った時に強い反応(葛藤)があるのだそうだ。それがサイレント期などを引き起こすとかなんとか(あまり読んでいませんのでm間違っているかも・・・)。
 魂の片割れである恋人や配偶者と別れて、音信不通になって想っているってことは人間なら十分にあるものであるが、それをサイレント期などと称し「相手はツインレイなのだから、魂を成長させるために、このような試練がある」と考えるのはかなり独善的で異常なことのように感じられる。
 とりあえず、恋愛関係になるにはハードルが高い場合が多いそうです。

まとめ

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 かなりテキトーに「ツインレイ」について分析してみましたが、実感としては、まあ証明の仕様もない占い、スピリチュアル用語な感じですね。信じてみるのも楽しいかもしれませんが、4.「サイレント期」というお互いが離れ離れになって音信不通になっても未練タラタラの状態について、「それは魂を磨く試練」とか言っちゃうのは現実を受け入れることを阻害する害悪のように感じられますし、好きになったからと言って不適切もしくは不法な関係に猛アタックさせるような反社会的行為に繋がるような動機や正当化を与えるのはやはり害悪ですね。恋に恋しちゃうのは楽しいだろうけど、火傷しないでねって思いました。

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