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【書籍紹介】なぜ女は男のように自信を持てないのか

皆さん、今日もお疲れ様です。
そして、はじめまして。
Her Pivotプロジェクトの事務局のお手伝いをしています、黒田杏子です。

私は2016年に、Next Big Pivot 代表理事である梶川三枝さんがディレクターを務める"FutureFrontwomen" プログラムに参加し、ニューヨークを訪れました。NBA本部やSpecial Olympics本部で話を聞いたあのひとときは、今でも色あせない記憶です。

今日は私から、女性活躍推進に関連する書籍「なぜ女は男のように自信をもてないのか」をご紹介します。

本の概要

「なぜ女は男のように自信をもてないのか」
キャティー・ケイ&クレア・シップマン(田坂苑子訳)
2015年初版発行、CCCメディアハウス

読んで感じた3つのポイント

①自信と行動が密接に関わっていること

極端に言うと、自信は「想像するだけの人」と、「実際にやる人」を区別する性質である。(P.92)

ぐさぐさと胸を刺されている感覚だったのですが、大きく頷いた点でもありました。

皆さんは行動に移すのは得意ですか?

私は不得手です。むしろ出来る限り動きたくないタイプかもしれないです。

この本を読むと「トライ&エラー」を短いスパンで繰り返すことの大切さと、エラーが自分の人生にとって殆どの場合”それほど重要ではない”ことに気づくことが出来ます。

②外的要因と自信の関係

遺伝子、学校生活、しつけ、社会、容姿。これらすべてが、私たちの自信に影響する。自分が本当に望んでいるゴールにたどり着けず、手前で諦めてしまうことを、ただ肩をすくめてこれらすべての障害のせいにするのは簡単だ。簡単だが、あまり訳には立たない。(P.153-154)

ある意味、自信は自分によって、他者によって、社会によって構築されるもの、と捉えることができるわけです。

本の中で出てくる実例を読むと、「確かに」と思う部分がたくさんあるかと思います。乗り越えたいのは「自分によって」作ってしまっている自信の阻害要因です。

人前で話すのにふさわしい容姿を自分で定義していませんか?
完璧でないと意見を言ってはいけないと思っていませんか?
他者から好かれないと自分に価値がないと思い込んではいませんか?

③完璧主義から抜け出すこと

この本の大きなメッセージの一つは「完璧主義から脱出しよう。それが自信を持つことにつながるから」です。

「充分」で良いのに「完璧」を求めることで、もしくは「完璧」と自分で思いこめないと不安になってしまうことで、自分自身を追い詰めやすいのだと繰り返し述べられています。

*タイトルから想像できるかと思いますが、女性の方がより完璧主義に陥りやすいと言及されているのが特徴的です。この点の科学的根拠には少々疑問が残る、というのが個人的な感想です。

もしこのnoteを読んでいて「完璧な自分像」に囚われている方がいれば、ぜひP.254を開いていただきたいです。力強く、優しいメッセージが掲載されています。

ちなみに、Her Pivotプロジェクトに応援メッセージを寄せて下さったキャシー松井さんも、下記インタビューの中で完璧主義について触れていました。こちらも併せてどうぞ。

終わりに

作者のキャティーとクレアは「女性は男性に比べてなぜ自信がないのか」という問いを中心に据え、WNBAの選手、アメリカの陸軍少将、ねずみと自信の関係を長年研究する第一人者など、様々な人物・場所を訪ね歩き、時には自らも遺伝子検査を受けるなどして、一歩ずつ、自信について紐解いていきます。

純粋な学術書というよりは、作者であるキャティー・ケイとクレア・シップマンの過去の経験や調査のために訪れた場所での出来事がテンポ良く語られているため、読みやすいです。

自信がなくて困っている方はもちろん、ジェンダーに興味がある方もぜひ読んでみてください。

ちなみに、私は大学院でメディアとジェンダーについて研究していたのですが、その経験もあり「女性が」と大きく主語にして話すのは少々苦手というのが正直なところです。

何かを語る時にセグメント化するのは有効な手段であり、かつ現在に至るまで「女性/男性」の二項対立以上に理解しやすくとっつきやすい分け方はないので歯がゆいですが、例えば男性学を長年研究されている田中俊之先生の著書は読みやすいのでオススメです。

このnoteマガジンは3月に予定されているオンラインイベントまで、女性活躍に関わる様々なトピックスを発信していきます。

次回の更新もお楽しみに。

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