小説 ももたろうず 二十七話
二十七話
薬売り一団と桃太郎を遠目から村人たちが眺めているところに、もろたろうのおじいさんがやってきた。
どうしたんだい。みんな、集まって。
おじいさんは言った。
長老は、なんだか変な格好をしたものが船から降りてきたらしい。その中に、もろたろうがいるみたいなんだが。
といった。
それは、変だな。今朝早くもろたろうは、いつもの仲間と漁に出て行ったよ。いるはずはないと思うが。
おじいさんは言った。
ほれ、あそこに。
長老は言った。
たしかに、遠目から見ると、侍の着物を着たもろたろうが、そこにいるようだった。
おじいさんは言った。
ちょっとわしが話に行ってみる。そういうと、おじいさんは、一団に向かって歩き始めた。
それに続いて、村人たちも近づいていった。
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