「宅麺」すべて「入荷待ち」

「宅麺」がすごいことになっているようだ。

「宅麺」は全国の有名ラーメン店のラーメンが自宅に届くサービスで、公式サイトによると、約100種類のラーメンやつけ麺を取り扱っている。


先日、クライアントの商品を宅麺でお取り扱いいただけないかと思い、問い合わせをしたところ、2週間ほど経ってから、ようやく以下のようなメールが届いた。

『現在ラーメン店様からのお問合せが殺到しており、審査に非常に時間がかかっております。
そのため、審査を完了してお取り扱いをさせて頂ける状況になりましたら、弊社より改めてご連絡をさせて頂きます。

なお、審査通過後に出品開始になるまで、現時点でおおよそ3ヶ月ほどかかる見込みでございます。
理由としましては、自粛の影響による注文数の増加、弊社の外注先の倉庫で出社する従業員の数を半減させて感染対策を行った上での発送作業による仕分け作業効率の低下もあり、倉庫機能がパンクしているためです。
弊社としましても現状の滞った状態を改善するため、外注倉庫を増設するなどして交通整理をしている状況でございます。

そのため、当面の間はご希望の商品販売をすることが出来ない状況ではあります。
ご迷惑をおかけすることと存じますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。』


自粛生活でも、やはりラーメンは食べたい。しかも、テレビで「宅麺」が紹介されたようで、一般消費者からの注文が殺到した。

「宅麺」のサイトを見てみても、現時点で全て「入荷待ち」となっている。

しかも、発送作業をする従業員への感染対策で、倉庫が機能不全に陥ってしまっているようで、発送ができない状態となっている様子がうかがえる。


当社のクライアントしかりだが、全国のラーメン店は自粛休業により、大幅な減収となっており、「宅麺」等を利用したネット販売に活路を見出そうとしている。そうしたラーメン店にとって、実績のある「宅麺」はまず選択肢に入って間違いはない。


「宅麺」のサービスは、通常であれば毎日忙しいラーメン店にとっては、非常に使いやすいサービスとなっている。

まずはマニュアルがしっかりしており、それに沿って袋詰めなどをすれば簡単にできるオペレーションになっている。ラーメン店のスタッフは、店で麺やスープを、「宅麺」から提供されるシーラーと包材を使って、袋詰めしていく。それを配送業者に集荷してもらい、「宅麺」の倉庫へと一括発送する。なので、店側は発注のあったお客様1軒1軒の梱包は必要ではなく、まとめて「宅麺」に遅れば良いので、非常に楽なのだ。

しかも、「宅麺」が全て買い取りをしてくれるので、基本的にロスがない。(梱包不良などは弾かれる)

店としては、仮にネット上で売れなかったとしても、ここで売上が確定しているので、返品・返金されるというリスクがない。

店には販売価格の50%が入ってくる仕組みとなっている。通常は店頭価格より、100円〜200円高く価格設定しているようなので、仮に1杯1000円で販売したとして、500円が店側の取り分となる。1杯の原価が150円だとしても、350円が利益となる。梱包などの人件費を考えても、悪くない利益率だ。

しかも、ここで美味しい!と感じていただければ、来店に結びつけることもでき、PRという側面も「宅麺」の果たしている役割だ。


先日、日清食品が人気ラーメン店のラーメンを宅配するサービスをリリースした。

今後、このようなサービスが苦境に陥っているラーメン店の救世主になるかもしれない。

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