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現役経産官僚が喜劇作家をやりながらマンガ編集をやっていること

私は誰でも笑って楽しめるコメディを描く脚本家だ。
私は経済産業省の現役のキャリア官僚だ。
私は天才編集者の会社で働くマンガの編集者だ。

一見支離滅裂だが、この3つの文章は密接につながって存在している。
ある一点だけを追いまくったら、こうなってしまった。
その一点は「ヤバくてイっちゃってる大人」を追い続けたということ。


自分が一番おもしろいと思ってる経産官僚たち

大学はずっと脚本ばかり書いて、下北沢で上演する毎日。
官僚になるつもりなどなかったが、脚本のネタ探しで行った説明会で経産省を初めて知った。
そこに出てきた採用担当が「ヤバくてイっちゃってる大人」だった。

その人は経産省はおもしろい人しかいないと豪語する。
私は質問してみた。
「そんなにおもしろい人ばっかりなら、一番おもしろい人はどんな奴なんですか?」
採用担当はしばらく考えた後で
「俺かなあ?」
その「ヤバくてイっちゃってる大人」のせいで経産省で7年も働いている。


ドラゴン桜の編集者は桜木そのもののヤバい大人だった

出向する前、渡された企業のリストをみて、私はどれにも魅力を感じなかった。
どの会社のHPをみても、合同説明会で出会ったような「ヤバくてイっちゃってる感」を感じなかったからだ。
何も決めない僕に痺れを切らした人事が個人的なつながりで紹介してくれたのがドラゴン桜・宇宙兄弟の名編集者、佐渡島さんだった。
佐渡島さんは僕を受け入れることを即決してくれた。
私も佐渡島さんの独特のオーラにヤバさを感じて出向を即決した。


メモはするな、会議はサウナでしろ

最初に与えられた仕事が佐渡島さんのYouTubeショート動画を作ること。
そのネタ集めのために佐渡島さんとの打ち合わせをする時、開口一番、佐渡島さんは
「サウナでやろう」と言う。
僕「いいですけど、サウナだとメモが取れないっすよ」
佐「会議ではメモを取らなくていいよ」
僕「どういうことですか・・・?」
佐「いいコンテンツってのは一発で頭に残る。俺が言ったことが岡村くんの頭の中で消えたなら、それはおもしろくないってことだよ」

「ヤバくてイっちゃってる大人」がここにまだいた。
特に「大人」だという感覚がとても嬉しかった。
全然、到達できないような位置にいる人がいる。


15年ぶりに矢島になった僕

他にもこんな感じだ。
「あやまるな」
「やることやってたらサボっていい」
「天気予報って最強のコンテンツだ」

正直、言ってる意味がよくわからないこともあるので、佐渡島さんが言ったおもしろいことを毎週、親友に話すようにしてる。
(ちなみに、佐渡島さんの言ったことは二人の間では「佐渡島の教え」と言われていて、毎回解釈で論争をする。流石にこれはわけわかんないよね、という話もする)

ある時、その親友にこう言われた。
「お前、矢島じゃん笑 なんかとんでもないことを桜木に言われて、『どういうことだよ!』って狼狽する矢島」
確かにそうだ。

最初の「ヤバくてイっちゃってる大人」桜木

僕の家系には大学出はほとんどいない。
そんな家系の僕が何故かたまたまドラゴン桜を本屋で手に取った。

そのマンガには、人生で初めて会った「ヤバくてイっちゃってる大人」桜木がいた。
優しいけど嘘っぽいことばかりを言う周りの普通の大人とは違う、厳しくてキツいけど本当のことを言ってくれる大人。

僕は桜木やその周りの講師の教えをすべてやってみて実践した。
その結果、東京大学文化一類に入った。
一浪してるので、矢島を完全にトレースしていると思う。

こうしてみると、毎回「ヤバくてイっちゃってる大人」を追いかけて行ったら、ワクワクする新たな世界が広がっていった。
おもしろいことに桜木の真似をしたら、リアル桜木の下で働いているということだ。

ヤバくてイっちゃってる大人とは、何かを信じきってる人で、そういう人は尋常じゃないくらいの思考と試行をしているんだろう。
そんな大人に会うと、経験や知識の差に圧倒され、まるで自分が子供になったように感じる。
だから、これからも「ヤバくてイっちゃってる大人」を追いかける矢島でいたい。

この「佐渡島の教え」を吐き出さないと自分の血と肉にならないような気がしたから、noteに初めて投稿した。
これからも連続して投稿したいと思う。

最後に「ヤバくてイっちゃってる大人」たちに会い続けた現役官僚脚本家の岡村が書いたSFコメディ「今宵、銀河の片隅で」が2/17,18,22,23銀座にて上映予定です。
ただただおもしろい笑える作品です。あたま空っぽにしてご覧になれます。

下記のツイッターから発信していますので、ぜひご来場ください。

妻と秋刀魚 Twitter
@tumatosanma

▼あらすじ
宇宙の大人気ラジオ番組、「今宵、銀河の片隅で」のパーソナリティのミューズは、スポンサーの圧力で、昔からのリスナーのハガキも読めない自分に悩んでいた。 「君の悩みなんて、宇宙に比べればちっぽけさ」 プロデューサーに、そんな言葉をかけられたミューズは、星空をみて思う。宇宙の悩みってどんなだろう」と。
疲れ切って、入ってしまった段ボールは、宇宙貨物船に運ばれていく。 ラジオを楽しそうに聴く船員たちは、壮大なスケールで悩んでいた。 なんとなく起こる惑星大戦争、誤送してしまった帝国兵器の設計図、暴れ回るふるさと納税のエイリアン。
銀河の存亡を揺るがしたり、揺るがさなかったりする壮大な日々を送りながらミューズは思う。 「宇宙の悩みってこんなだったんだ」 妻と秋刀魚が、全編、日本語同時吹き替えでお届けする、宇宙の運送業者とラジオをめぐるハートフルSFパニックコメディ!

▼ 日程
2/17(土) 18:00★/20:30★
2/18(日) 18:00/20:15
2/22(木) 19:30
2/23(金) 13:30/16:30/19:30
★ 上映後に斉藤百香の舞台挨拶(約30分)を行います
※ 上映時間は約70分を予定しています
※ 開場時間は上映開始時間の30分前です

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