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夢ってのは、呪いと同じなんだ

こんにちは、「好き」を諦める瞬間をなくしたい人間、ヒロユキです。

前回は、僕の軸や大学四年間でやってきたこと、現在やっていることについてお話しました。今回は、それらのきっかけになった、高校2年生の頃の体験についてお話します。

高校生の頃、従兄弟が夢を諦めました。

僕が好きなことや夢を諦める人をなくしたい理由。
それは、過去に従兄弟が夢を諦めたことにあります。

従兄弟の夢だった、「喋り手」という仕事

従兄弟は
ラジオ番組のパーソナリティ
CMの声優
地元のローカルテレビ番組のMC

として活動していました。いわゆる芸能人です。その中でも、声を武器に活動をしている芸能人でした。

⬇これが、従兄弟が出演した名古屋のローカル鉄道のCMです。(動画はもう削除されてしまいました。)



従兄弟は僕が物心ついた頃から、車ではよくラジオを流し、普段からラジオの勉強をしていました。

芸能系の大学を卒業した後、ラジオの番組を持つことを志し、ホテルの司会のアルバイトをしながら芸能活動をしていました。

当時幼かった僕にとって、従兄弟の夢への熱量と努力量には圧倒される物がありました。

トークの練習や研究、流行している音楽についてのリサーチ、個人のブログを解説するための編集の勉強…。夜遅くに帰ってくる事が多く、あまり家にいなかったのと、食生活の乱れから顔が年々太っていったのを覚えています。

レギュラー番組の獲得と、非公式ファンクラブ

そんな従兄弟の夢は、僕がたしか小学6年生の頃に叶います。自分のラジオ番組を持ったのです。

僕の地元鈴鹿市のラジオ局の、水曜日夕方の番組。

これは現在の画像で、ここに従兄弟はいません…

学校のチャイムのような、爽やかな、そしてどこかに一日の終わりを連想させるような、切なさを含んだメロディーが流れたあとに、聞き慣れた声とは少し異なる、「芸能人」としての従兄弟の声が、ラジオから聞こえました。

初めてその声を聞いた瞬間、親族で大騒ぎしたのを今でも覚えています。その瞬間は、なんだか飛び跳ねたくなるような嬉しさを感じていました。

そこから従兄弟は、ラジオ番組に続いて、CMやテレビ番組等、活躍のフィールドを広げていき、気づいたら勝手にファンクラブが設立されていました。


尊敬する従兄弟が、見知らぬ誰か、それもたくさんの人に愛されている。

家族との対立、サラリーマンへ

芸能界という場所は残酷で、あれだけ活躍していた従兄弟も、若手の台頭などもあり、収入が安定しない時期が長く続きました。

たしか従兄弟が28の頃、それを見かねた祖父は、自身の経営する会社で働かないかと打診します。

20年以上追ってきた夢。そんな簡単に諦められるわけもなく…。始めは、従兄弟はそんな祖父に反対していました。部屋で、従兄弟が祖父に向かって筆箱を投げつけていたのを今でも覚えています笑

しかし、結局は祖父の打診を受けて事務所を退所し、祖父の会社ではたらくことになりました。

夢を諦めると、人は呪われる

ラジオを辞めた従兄弟から、ラジオ、喋り手という存在を取り上げることは不可能でした。

従兄弟のタイムラインには毎回、「ラジオ」、「喋り手」の文字が。

「喋り手時代の生活が抜けない」

「喋り手としての魂を揺さぶってほしい」

僕の好きな仮面ライダー555の名台詞に、

「俺に言わせればな、夢ってのは呪いと同じなんだ。呪いを解くには、夢を叶えなきゃいけない。……でも、途中で挫折した人間はずっと呪われたままなんだ」
というものがあります。

演奏家の夢を諦めた、海堂直也の名セリフ

まさに従兄弟はそんな、呪われた人間になりました。

あの時の、純粋にラジオを楽しみ、夢を追っていた従兄弟は姿を消しました。
従兄弟のブログの末尾にある、「今日の曲」のコーナーも消えました。
従兄弟が毎回楽しそうにする、最近の音楽業界の話も聞かなくなりました。
なんだか、心にぽっかりと穴が空いてしまった感覚を覚えました。

もう、あの時の従兄弟に会うことはできない。

人生は簡単に詰むけど、簡単には終わってくれない

実は、僕の母も薬剤師の夢を諦めています。
家庭の事情で祖母の仕事を継ぎ、毎日遅くまで働き、死んだようにソファーで寝ています。高校の頃に、「早く死にたい」と直接僕に言ったり、この前実家に帰ると円形脱毛症になっていたくらいには、ハードな人生を送っています笑

やりたいことはもう叶わず、やりたくないこと、嫌なことばかりの毎日を送る。

子供や家族のこともあるから、簡単には死ねない。

夢を諦めると、そんな日々が待っています。

僕はそんな人生にしたくないし、少なくとも僕の周りの人間、一度関わったことのある人には、そんな人生を送ってほしくない。

夢や夢中になれることのある人に、呪われてほしくない。

そんな想いが、僕の原点です。



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