Children of a Lesser God (愛は静けさの中に)


B S放送でやっていましたので久しぶりに鑑賞しましたが、本当はブルーレイが欲しいのです。でも残念ながら売っていません。
この映画はかなりフイルムの感度を上げて撮影しているため映像がすごく荒れているシーンがありブルーレイ化しても意味がないと判断されたのかなあ?しかし地明かりで撮影する効果はあってそのシーンはすごく臨場感があります。2人がぶつかり合うシーンを効果的に演出してます。
この映画のキーとなるビジュアルとして水が使われています。映画のストーリーにも言及しますが、冒頭のシーンから海、もしくは大きな湖を渡って先生が赴任してきます。マリー・マトリンがプールで泳ぐシーンは実に美しい。ウイリアム・ハートは少しでも彼女のことを理解しようとプールの中に入ってみます。又エンディング、映像が終わりブラックアウトしてからも小さく波の音が聞こえます。それはとても穏やかな波の音です。
私の一番好きなシーンは、マリー・マトリンがダンスするシーン。何かを表現するように音楽を感じているように踊る姿は圧巻です。それと、ウイリアム・ハートがバッハを体で表現しようとするシーン。頭がいいだけでなく、非常に感性豊かな2人なのです。見ていて気持ちいい。
映画コーダを見た時、初めは気づきませんでしたがマリー・マトリンがお母さん役だと知ってびっくりしました。こちらも素晴らしい映画。
聾唖スクールの生徒たちはみんな素直ないい子ばかりですが、1人だけ授業に参加せず心を開いてくれない子がいます。それが現実であり、またその頑なさは主人公女性の投影と言えるでしょう。
最初主人公の母親は子供を見捨てた冷たい親のように描かれますが、マリー・マトリンが母親と向き合うことで、母親が映画の中で悪い役で終わらずに家庭の事情もわかり、私自身も救われた気持ちになりました。
アカデミー作品とはいえ地味なテーマなのであまり人気があるとは言えません。メーカーさんは売れそうなものしかブルーレイで再販したりはしないのでやはりブルーレイ化は難しいのでしょう。

#映画 #水 #聾唖 #マリー・マトリン #ウイリアム・ハート

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