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🔰ベーシック:ミニチュア組み立て伝説II

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よくぞ来た。メタルミニチュアの組み立て方法の基礎は、「ベーシック:ミニチュア組み立て伝説」で詳しく解説しているが、その前提は「一発抜き」…つまり分割のないミニチュアで、込み入ったモデリングがそれほどない例が主だった。

今回はさらに一歩踏み込んで、以下のような例を具体的に順を追って解説していこう。君は今回のペイント大全を読むことで:

●パーツ分割のあるミニチュアのモデリング方法(組み立ての流れ)
●接着面の補強(軸うち)の具体的な手順とコツ
●メタルミニチュアの表面を綺麗にする方法(目止めと磨き込み)

を深く知ることができる。ミニチュアの不要部分ができる理由、他関連エントリーへの案内も「ボーナストラック」も追加してあるので役立ててくれ。

それじゃあ、行ってみよう!

🔎関連エントリー▼
ベーシック:ミニチュア組み立て伝説



パーツ分割のあるミニチュアのクリーニング

ここからは、パーツ分割のあるミニチュアをどうやってクリーニングして組み立てていくかを解説しよう。

上写真「角兜の狂戦士(双斧)」のパーツ構成は上の通り。「本体」と「ベース」、そしてタグに「右手首と斧」「左手首と斧」「頭」がついてくる。人間サイズだけど、かなりのパーツ数と言えるだろう。

それぞれのパーツをよく観察だ。それぞれの手首は、右は籠手のヘリ部分、左は巻き布のヘリ部分で分割されているから、合わせ目はそんなに気にしないでいいだろう。ただ、接着面が平滑なので、位置取りはしっかり確認しないと、骨格の繋がりが変になるから、ここは気をつけていこうか。

頭はちょうど首の付け根での分割。胴体側が毛皮のマントのフチにそって凹んでいるから、ここも合わせ目は気にしないで良さそうだ。

一体成型(一発抜き)のミニチュアと異なり、パーツ分割のあるミニチュアは、それぞれを接着する前にクリーニングをすませておくのが大切だ。これには二つの理由があるよ。

●先に組み立ててしまうと、ヤスリやナイフ、真鍮ブラシなどを当てた時に力がかかって、ミニチュアを壊してしまうリスクがある。

●組み立てた後だと、ミニチュアのポーズにはばまれてナイフやヤスリ、真鍮ブラシなどの先を入れにくくなる場所が出てくる。筆先ならなんとかなる場所でも、力を多少なりともかける以上、これはビッグ問題たりうる。

タグから「右手首と斧」「左手首と斧」「頭」をニッパーで切り離し、ゲート(パーツとタグがくっついていた部分)をナイフと針ヤスリでならそう。これで切り出しは完了だ。

切り出しが終わったら、各パーツのパーティングラインをナイフと針ヤスリで丹念にSAYONARAする。エアピンも切り飛ばそう。腕の接着面は、ナイフとヤスリできちんと平滑にしておく。歪みがあると、接着した時に隙間が空いてしまうからね。

各パーツのクリーニングが終わったら、真鍮ブラシで各パーツを優しく磨いていこう。

ここまでの流れは「ベーシック:ミニチュア組み立て伝説」で解説してある事を、そのまま素直にやるだけだ。早く製作したいから気持ちが急いてしまうけど、落ち着いて丁寧にやろう。

*パーティングラインはミニチュアの年輪*
一箇所でもパーティングラインを見つけたら、ミニチュアをよく眺めることだ。ミニチュアは2つの型を合わせて作られているから、型の境目に沿って、パーティングラインは必ずミニチュアパーツをぐるりと一周廻っている

初回抜き(つまり、新品の型で抜いたばかりの)ミニチュアは、パーティングラインが極端に薄かったり、あるいはほとんど見えないレベルだったりするけど、生産を繰り返すうちに、パーティングラインはどんどん太く、目立つようになってくる。これはいわばミニチュアの宿命さ。パーティングラインは、ミニチュアの年輪のようなものなんだ。

とは言っても、パーティングラインがペイント後に残っていると見栄えが悪いから、俺はトコトン取るようにしているよ。パーティングラインはあくまでも不要部分なんだ。


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