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椰子の実流れ着きし浜辺にて

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冬の暗い日本海の浜辺を歩いていると

思いがけないものに出会った

椰子の実だった

浜辺に椰子の実と言えば島崎藤村の童謡の世界だが

民俗学者の柳田国男が愛知県のとある岬の浜辺で

椰子の実を見つけ、日本人は南洋から黒潮にのって

やって来たのではないかという説を「海上の道」という

エッセイで書いている

島崎が親友の柳田からその話を聞き、詩人特有の想像力で

あのような感傷的な歌詞を「創作」したのは

有名なエピソード

だが、ここは日本海

この椰子の実は親潮にのってこんな東北の海岸まで

漂流してきたということか

ここにたどり着くのに、どれほどの歳月を

波に洗われて旅してきたのだろう

不思議と言えば不思議

同じ椰子の実を見ても(島崎は見てないが)

柳田は日本人の起源を考察し、島崎は故郷から

遠く離れた人のあふれる望郷の想いを詩に

昇華したわけだ

人間て様々ですね

『椰子の実』 歌詞 島崎藤村
名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ

故郷の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)

旧(もと)の木は 生いや茂れる
枝はなお 影をやなせる

われもまた 渚(なぎさ)を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ

実をとりて 胸にあつれば
新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)

海の日の 沈むを見れば
激(たぎ)り落つ 異郷の涙

思いやる 八重の汐々(しおじお)
いずれの日にか 国に帰らん

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韓国の焼酎のボトル

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風紋

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椰子の実と流木

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