彼女の瞳は海の色
チャーリーは天涯孤独な男の子
客船のトイレで産み落とされ棄てられた所を
クック船長が保護してくれて、育ててくれた。
閉じ込められた船の一室で
今日も船の汽笛が大きな音で響き
波が儚い音をたてて過ぎ去る時を連れて行く。
幾ら外の世界を知りたくても、僕の背ではこの窓には届かない。
パパもママも知らないけど向かえに来てくれるのを幾日でも待っているよ。
チャーリーの部屋にジェニーという子供がやって来た。
クック船長が言うには、この子供も親に棄てられたみたい。
夜パジャマに着替える時に、この子供には、チンチンが付いてないことに気がついた。
何処に落としたのかな、明日から君のチンチンを一緒に探してあげるよ。
船の隅から隅まで探しても君のチンチンは見つからない。
船員のブルートに聞いて見たら大笑いされた。
余りにも見つからなくて、ジェニーが悲しむから船長に聞いてみたら何故か頭を抱えた。
ある日目が覚めると不思議な事が起こっていた。
寝ている間に二人とも大人になっていたんだ。
見る見るうちに背が伸びて、僕と君は初めて窓の外を見たんだ。
ジェニーも一緒に大人になったけど
僕とは違う人になった。
マシュマロみたいに柔らかくて、触れると溶けてしまいそう。
一緒に窓の外を眺めたら、銀の魚が飛び跳ねている。
水平線を曲げる波。
真っ赤な太陽が水平線に沈んでいく。
こうして二人で毎日海を見ていたら
ジェニーの瞳も青い瞳になっていた。
天が与えた小さな希望どうか夢なら覚めないように。
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