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HERBIO イベント登壇レポート

去る8月11日、TOKYO創業ステーション TAMA Startup Hub Tokyo にて「起業家×対談 ものづくりの可能性」というテーマで、HERBIOのCEO 田中彩諭理、CRO 丸井朱里の2名で登壇させていただきました。ふたりの対談形式での登壇は初だったため、当日の様子をレポートとしてお伝えしてまいります。

当日のプログラム内容

↓(写真をクリック)

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スタハTAMAってどんなところ? 

今回の会場、「TOKYO創業ステーションTAMA Startup Hub Tokyo(以下スタハTAMA)」は、7月30日にオープンした「TOKYO創業ステーションTAMA」という創業支援拠点にあります。「TOKYO創業ステーションTAMA」は“誰でも気軽に利用できる創業支援施設”というコンセプトのもとに開設され、「スタハTAMA」の他に事業計画書のブラッシュアップ等を行う「Planning Port」というフロアがあります。

いちど足をのばし、緑が多いスタハTAMAで起業相談してみるのはいかがですか?

対談スタート

今回はコロナ禍ということで、感染拡大防止を考慮しZoomでの開催となりました。当日会場には CROの丸井が、そしてCEOの田中は遠隔参加の2拠点を結んでのカタチをとりました。また、視聴者の皆様からの質問に随時回答する進行となりました。貴重な「生の声」ということで、noteでは質問&回答を中心としたバージョンでお届けしてまいります。

リハーサル

*左からCROの丸井朱里、スタハTAMA コミュニティマネージャーの亀岡愛弥さん、和泉華子さん

CEOとCROの出会い

CEO、CRO共に女性である医療機器メーカーというのは日本では大変珍しく「そもそもどのようなきっかけでおふたりは出会われたのですか?」という質問をよくメディア取材でも頂きます。今回も、まずはHERBIOのそもそものスタートのストーリーを冒頭でお話させていただきました。

【Q】創業のきっかけですが、おふたりはどのようにして出会ったのでしょうか?

【A】CRO丸井
CEOの田中とは当初全く面識はなく、私自身は大学の博士課程に籍を置いていた学生でした。ある日突然Facebook経由でCEOの田中より連絡があり「体温のウェアラブルセンサーを開発したいが、研究開発の部分でお手伝いいただけないか?」というオファーをもらいました。当時はまだ創業していなかったのですが、直接カフェで話をして「何かできるのではないか?」と思い、まずは「チームHERBIO」としてスタートをしました。

【A】CEO田中
体温の研究をしている方が元々少なく、当時丸井さんが所属していたゼミがいちばん有名だったこともあり、論文を読んで声をかけさせてもらったのがきっかけです。

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創業からこれまでにぶつかった「壁」は?

【Q】起業家の卵さんの中で「ものづくり」というと「大変ハードルが高い」という印象を持たれている方がほとんどです。創業当時よりウェアラブルセンサーを開発する中で、数々の壁にぶつかってこられたと思いますが、その中でも「これは大変」と思った出来事などございますか?

【A】CEO田中
壁といっても本当に色々あったのですが、「ものづくり」ということでは、当時私達がしようとしていることに対し研究・開発進んでいたわけではないので、まだきちんとした定義があるわけではありませんでした。その中で試行錯誤をしながら資金調達先をたくさんまわらせていただき、世の中にとって私たちのウェアラブルセンサーやサービスが必要であるということを説得し続けたことでしょうか。

【A】CRO丸井
まず「おへそ周辺に装着する」というウェアラブルセンサーが世の中に無かったですし、試作機を作るにしてもお金がかかるということで、創業当時はビジョンと経営陣のバックグラウンドで「何ができるのか」ということをアピールしていかなければなりませんでした。研究者としても試作機ができなければいろいろな検証もできないので、最初の資金調達というのはかなり壁が高かったと思います。

ものづくりにおける人材集めとは?

【Q】資金集めの面でも壁が高かったということですが、当初チームとしてスタートし、法人を立ち上げ、人材を拡充していったのも資金調達という目的もあったからでしょうか?

【A】CRO丸井
もちろん私たちはウェアブルセンサー開発とアプリ開発ということで、両方のエンジニアが必要となり、それに伴い資金も必要となります。しかし、ただ単に法人化し起業するにはリスクがあると思ったので、私達は「これぞ武器になる」というものがあり、その特許申請ということを前提に法人化をしました。大手企業さんが体温計をたくさん作られている中で、私達スタートアップだからできることを明確にした中での人材集めと資金調達でした。

創業当時からのターゲットの変化

【Q】資金調達などを進めていく中で、ターゲットやビジネスプランが変化していったとのことですが、具体的にはどのようなことがあったのでしょうか?

【A】CEO田中
創業当初は女性向けのサービスを目指していたのですが、いろいろな方々のお話を伺う中で、簡易的に安静時の体温を継続的に測ることが必要な人はもっと別のところにいるのでは?ということが分かってきたのです。そこでBtoBで研究などで使用していただき、より私たちのウェアラブルセンサーの強みを知ってもらうという方向に変化していきました。

【A】CRO丸井
当初女性向けの基礎体温サービスを軸としていましたが、活動を行っていく中で製薬会社や医療関係などからの引き合いが実際多く、より多くの方々が体温の計測のサービスを必要とされているというニーズがそこにありました。そこで女性だけでなく、もちろん男性も含め、赤ちゃんからお年寄りまでより広く私たちのサービスを利用していただくためにも、間口を広げるに伴い、ターゲットも変化していったということでしょうか。

会場の様子

0→1からのものづくり

【Q】0からのウェアラブルセンサーの開発、そして0→1の事業開発の大変さを教えていただけますか?

【A】CEO田中
創業当初はウェアラブルの体温計に関する知識もまだまだで、その中で研究者である丸井に出会い、専門的な側面で話を聞いてく中で、ウェアラブルセンサーがただ肌に接触するだけではなく、いくつかの特定部位でなければならないこと、そしてウェアラブルセンサー自体のそのサイズや、生産ロット、それに伴う資金繰りなど、私自身も最初からできたわけではありませんでした。そして誰しもが同じく最初からできることではないと思います。前職での修行中にお世話になった方と今でもお付き合いさせていただく中で、カタチになって行きました。

【A】CRO丸井
社内だけのメンバーだけでなく、CEOの田中がこれまでにお世話になってきた方々や、エンジニアの知り合いなど、周りの人の協力がなければ開発することはできなかったと思います。起業される方で「よし自分たちで頑張っていこう!」とイメージされている方も多いと思いますが、私達はこれまでの人脈を活用させていただきながら、自分達の課題だったりを勇気をだしてさらけだし、そしてご協力を毎回仰ぐというようなことの繰り返しだということを大きく感じています。

知財戦略に関する取り組み

【Q】特許取得など、知財戦略に関しても欠かせないポイントだと思いますが、どのように取り組んでいらっしゃいましたか?

【A】CRO丸井
やはり、大手企業さんが既にいらっしゃるその市場に参入していく上での強みを考えなければいけないという側面もあります。また一方で、体温を軸として何か新しい研究を実施する際に、私達だけでは調べることができないため、大学、医療機関、そして製薬会社さんとの共同研究などが必要となってきます。ただ、私たちの強み、すなわち知財をしっかり固めなければスタートアップの医療機器メーカーとしては弱いので、資金調達だけでなくその先を戦うための知財戦略は進めており、社内に知財に関する専門家はいないので、弁理士さんやその他スタートアップの方々のご意見を聞きながら進めています。

【A】CEO 田中
私も当初知財戦略に関しては全く分からない中、たくさんの方のお話を伺い、そして社内でも「HERBIOの強みとはなんだろう」と随分ディスカッションを重ね、知財を固めなければ事業が進まないということがひとつ分かりました。そこで、事業計画に比例して、知財をどのタイミングで固めていくのか、という落とし込みを実施しました。

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*現在HERBIOは、臍部周辺温度測定装置に関し特許査定取得通知(特願2019-515681)を受領し、そして経済産業省特許庁主催「知財アクセラレーションプログラムIPAS2020」にも採択されました。

起業準備について

【Q】田中さんは仕事をしながら起業準備を進められていたということですが、本業がありつつどのように起業準備を進められたのでしょうか?

【A】 CEO田中
もちろん貯金をして開業準備資金を貯めましたが、それだけでは足りなかったので、業務委託で請け負ったお仕事で得たお金も貯金に回していました。当時朝の8:00~夜中の2:00くらいまで働いていました。

【Q】当時の時間の捻出など工夫していたことはありますか?

【A】 CEO田中
ひたすら努力するしかなく(笑)、みんなの期待に応えられるよう根性で頑張っていました。私の中で経営者のイメージはそんな感じだったので「私がやるしかない」という気持ちでした。

今後の展望

【Q】HERBIOのこれからの展望はどのようなものを掲げていらっしゃいますか?

【A】CEO田中
私が思い描く展望ですが、当初「体温」だけしかなかなか見れていなかった部分があったのですが、事業を進めていくうちに人の体温というものは本当に色々な可能性を秘めているということが分かり、私たちの研究を進めていく中で、病気の早期発見や睡眠との関連性など、より「体温」を皆さんの身近な指標にしていきたいと思っています。

【A】CRO丸井
先日補助金に採択されましたので、そういった支援を得ながら次世代機を開発していくこと、そして、もちろん内部の力だけでは実現していくことは難しいので、アクセラレーションプログラムなどを活用しながら、周りの方々のご協力を得て、今私たちが居るステージに必要なことを見極めながら進めていきたいと思っています。

記念写真

最後に

和泉さん、亀岡さんはじめ、スタハTAMAの皆様ありがとうございました!
貴重な二人そろっての登壇機会でした。これからも、より私たちの事業、そしてビジョンを伝え、「体温」を新しい指標として世の中に根付かせるためにも、積極的にイベントなどには参加し発信してまいりたいと思います。
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