PGA Tour

人生でプロゴルフのツアーを観戦したのは3度。

初めてのツアー観戦は実家から近所だった、横浜カントリー俱楽部にて
何歳だったかも分からない、確か岡本綾子が強かった頃。父が大のゴルフ好きで、打ちっぱなしに連れてかれてたか、ついて行ってたかの記憶がかすかにある。その延長で観戦にでかけた気がする。途阿玉という名前だけが何故だか今でも脳裏に刻まれている、途阿玉、口に出して言いたい名前。ただこの時のゴルフの内容やその迫力などは覚えていない。

残りの2度はゴルフを始めてからで、近所で行われた President cupと昨年から新しいスポンサーになったThe Northern Trust。 
特にPresident Cupに関しては初めてのPGAツアー観戦であったし、この2017年はとある選手が出ている試合に関しては、ほぼ土曜と最終日をTV観戦していた程で、相当興奮した。

そもそもツアーをちゃんと見だしたのがこの年からだったし、追っかけていた選手はもちろん、怪我から復帰間際だった事もあり、アメリカチームにコーチとして参加していたTiger Woodsを生でみれた時は大興奮だった。 目の前にWandaがいるのだから。

こちらでの観戦では携帯での撮影がし放題。音はもちろん鳴らないように設定はしないといけない。スイングを練習の参考にしようと私も動画や写真を取りまくった。観戦の方法は様々でお目当ての選手がいる組に着いていく人もあれば、私のように特定のコースに陣取り、全ての選手をみたいという人それぞれだ。

この試合が忘れられないのは二つある。ひとつはやはりプロの凄さをまじかで観れた事。特に陣取っていたホールはそこそこのロングコースで、皆がドライバーを振っていたのにも関わらず元世界ランク1位であったJason Dayが2アイアンでTee shotを行った。正直、思っていた程、他の選手のドライバーの音がスゲーなとは思わなかったのだが、Dayのアイアンの音だけは今でも忘れらないものがあった。しかも2アイアンだ。加えると試合が行われたLiberty Internationalは比較的新しいゴルフコースではあるが、マンハッタンや自由の女神を拝みながらのプレーができるセレブご用達のプライベートコース。中に入れただけでも感動ものだった。 

もうひとつは少し嫌な思い出だ。これは書くかどうか悩むとこではあるが、事実、ある選手に憧れ、酔いしれ1年間、追いかけていた私が遂に彼を生で観戦できる初めての機会。それこそ、前夜はろくに眠れない程興奮していた。 それが、その日を堺に彼を一気に嫌いになり、その後テレビでゴルフ観戦をやめる程の出来事だったので、彼のファンには悪いが、あえてぼやかして書いてみたい。

このPresident Cupはアメリカ対世界のチームに分かれ、選別された選手での団体戦で、ツアー日程が終わった後でもあるし、言ってみればお祭りのような試合だ。もちろん選手はそれぞれのチームの誇りをかけて、真剣にやっている。それは伝わっていた、それでもツアー最終日でもないわけで、それぞれ選手は移動の際にギャラリーにけっこう気さくにHi fiveなどをしていた。

陣どっていたホールに最終組が訪れたあと、お目当ての選手が最終18番ホールに向かうタイミングだったので、私も急いで移動すると、ちょうどTigerが目の前にいた。この時、私の気分は最高潮だった。そして同組のスピースが打ったあと、お目当ての選手はたしかグリーンを外したか、ピンからは少し距離があった。少し仏頂面だったのがかすかに見えた。すかさず走って今度はグリーンまで移動。最後の最後まで手に汗握る試合はスピース組の勝利。 スピースは子供のギャラリーに試合で使わなかったボールをプレゼントする。これがプロだ、PGAだと更に気分は高揚する。

お目当ての選手はラウンド終了後、記者からインタビューを受け終わっていて、まだ続いている他の組の試合を観るため、隣のホールへ移動していたのが見えた、私はといえば、最終ホール前にハグれた友達となんとか合流し、お目当ての選手から何とかサインがもらえないものか、せめて握手だけでもと、邪魔にならないように小走りで近づいていった。その時、私、友達、そして学生のような子供が近づいていった。位置的に私が一番憧れの彼に手の届きそうな距離にいた、おそらくこの時、私は恋する乙女の様な顔だっただろう。

その時だ、彼は歩きながらも、ふと後ろを振り向き、我々を目にした途端、急に体制を変え、我々を確認すると全速力で隣のホールまで走っていてしまった。声をかけようとしたと同じタイミングだったので、正直、唖然とした。いやでもこんな機会は他にはないし、距離を詰めよう試みたが、全速力に近い彼は一気にStaff onlyのエリアに入ってしまった。しばらくして、彼はふと振り返った。それは先ほどの最終ホールで見せた仏頂面と同じで、付いてくんじゃねーと睨みつけていた。そういう顔にしか見えなかった。 

疲れたたんだろう、でも1年彼を追いかけていただんだ、ショックだった。TVでみせる好青年の姿からは全く想像もしない顔だった。お祭りとはいえ、試合に負けたのが悔しいんだろうと、どうにか自分を納得させようとはした。でも、今日って金曜日なんだよなぁ。 ハグれた友達から後になって聞いた話では、スピースが子供にボールを渡していた頃、彼は、自分のプレーに納得がいかなかったのだろう。ボールを池に投げ入れていたという。

そして、その姿にショックを受け、観戦どころではなくなり、初めてのツアー観戦を後にした。 勝手に追いかけて、好青年を期待していたのは自分だし、彼を責める事は正しくはないかもしれないが、後から大会から着たアンケート調査には名前を書かずとも、一人の選手のせいで不愉快な思いをしたと記した。 彼がゴルフ史上指折りの選手になる過程を見続ける事はなくなったが、頑張ってはもらいたい。

その後、ゴルフ仲間にこんな事があったと伝えた所、そんなの日常茶飯事だし、PGAから目をつけられているらしいよ、とか、TVでは聞けないような話を耳にして全て納得した。これは批判ではなく、片想いが敗れた、失恋であって、悲しみだ。それから時が経った今、子供には最近、ファンサービスはするらしいと聞いた。頑張ってはもらいたい。


Instagram 09/27/17 投稿より。

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