ゴルフレッスン

最初に門を叩いたのは友人がコンペの景品で獲得した、とあるプロの無料レッスン券を譲りうけた時だ。思っていたより悪くないですよとの言葉に今となれば、お世辞でしかなかった私のスイングではあったが、
ブーメランフックとも呼ばれる私のフック癖を治してドローが打ちたいんですとプロにすがりついた。 私より若いそのプロは近辺ではとても有名なプロだった。

この無料レッスンはプロの計らいもあり2回にわたり、スイングの基礎の基礎を教わった。しかし、スイングを一から直すことになったので、まともにボールが当たらない、当たる時は元に持っている時というありさま。

ただこの時のレッスンではレッスンそのものより、このプロの話に魅せられていた。彼のブログは過去から遡り、全て読んでいたし、早く新しいの書いてくださいと催促する程。お世辞にも言葉が綺麗ではない、彼の話は、元来、好奇心旺盛な私はくすぐりにくすぐられていた。 周りは私の事を信者と呼んでいるし、事実、その通りだ。

彼に言われるが如く、良いといわれるレッスン器具は購入したし、彼が出る雑誌に関してはわざわざマンハッタンまででかけ、何とか手にいれた。先のNOTEで紹介したMizunoのアイアンセットも彼の薦めで、迷いなく従った。

彼の事を少し紹介すれば、元々帰国子女で、日本の部活にていつかプロになる事を目指して研鑽を積んでいたとの事。アメリカの最新技術を雑誌に穴があくまで読み込み、実践し続けたという。 その後、一大決心をし、アメリカの超有名ゴルフアカデミーに留学するも、周りのレベルに圧倒され、プロの道を断念したとの事。この時、彼がそのアカデミーのコーチに言われた事が衝撃的で、それならと彼はレッスンプロの道に進んだという。

彼が言うにはこうだ、どうして日本の雑誌で紹介されているアメリカ最新のスイングを身につけた僕が通用していないのか? その答えは、君のスイングが微妙に間違っているから。 恐らくその記事の記者はゴルフに関してはエキスパートかもしれないが、英語のエキスパートではないんだろう。もしくは優秀な通訳が訳したものの、その通訳はゴルフに関して素人で、ゴルフ的な説明がちゃんとできていなかったではないだろうか? 

それは衝撃的でどうしようもない事実だ。雑誌を責める事はできないが、言わんとすることは私でもわかる。 その頃の日本に関しては私は良く知らない、雑誌でどのような事が書かれいてたかは分からない。 今でこそ、たまにゴルフ雑誌を読んではこれが最新PGAの技術だ的な記事は良くみかける、ただし、それがどれだけ正しいのかの判断は付かない。今はSNSでそれぞれ発信をしているし、日本の雑誌で読める頃にはこちらの流行りから少し遅れているのも事実。 最近、雑誌で見かけた最新スイング理論の記事に関しては私自身、本人のインスタを通じて、1年以上前から把握していたし、彼の理論が取り上げらたのは、生徒が結果を出してからというもの。ラグもあるのである。時間が経てばそれぞれの理論は進化する事もあるというのに。

彼はこのことをきっかけにレッスンプロの道にすすみ、日本にしっかりした技術と情報を伝えたいと日夜、奮起している。私と言えばそれを聞いただけで、すっかり心を奪われていた。

全ての日本のプロ、とかくレッスンプロが、どれだけ頻繁にアメリカ最新事情に明るいかは分からない、ただ、聞くところによれば、元来あるゴルフ理論を元に自らの経験則でレッスンする事が多く、それはアメリカにおいて、理論的におかしい事を証明されたものが元になっているものもあったりするという。これだけ技術やギアが進化した中で、十数年前の理論やギアの情報を元にレッスンを続ける事に意味はあるんだろうか?と私も賛同してしまう。

たとえば、スライスに苦しむゴルファーがいるとして、スライスを治すのはレッスンプロにとっては容易な範疇であるという。今でこそ、私もスイングの軌道などを理解してきて、スライスくらいでれば、多少のアドバイスはできる。 問題はスライスが直ったその後である。 どういう理論でスイングを作るのか、指導をしていくかといえば、あまりないのが現実だという。

実際、腕前の伴なわい私が言うのもおこがましくはあるが、そんな不幸な事が師匠が学生だった時代から続けられているのだろうか、いや、もっと前から続けられていたんだろう。 日本のゴルフに関するYoutubeの番組を良くみる。それぞれレッスンだったり、プロも紹介だったり、アマチュアのラウンド動画だったり、それなりに楽しんでいる。皆単純にうまいし、ゴルフが盛り上がっている事が感じられる。 

ただし、日本のトッププロがPGAにてほんの一握りしか活躍していないのは何故なんだろう?彼の言葉が、プロからアマチュアまでどうにか届いて欲しいと切に願う。

彼の活躍はこちらに限らず、日本でも続けられており、昨年に関しては、彼の教え子から全米女子オープンの参加に繋がった。この時はただのレッスン生の一人にすぎない私も自分の事のようにうれしかったものだ。

Instagram  11/30/16 投稿より。

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