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ヘラルボニー「ガイアの夜明け」を通して広報PRが伝えたかったこと

こんにちは。ヘラルボニー広報室 シニアマネージャーの小野静香です。

9月20日に放送された「ガイアの夜明け」。

1時間まるまるヘラルボニーに密着していただいたおかげもあり、放送後にはたくさんの方から嬉しい感想のお言葉をいただきました。

これから10月4日(金)21:59 までの1週間限定で、TVerにて無料配信されています。広報としてずっと同行していたからこそ伝えられる撮影の小話を、ほんの少しお話しします。

よろしければ、もう一度。
まだ見ていない方は、ぜひ。

見逃し配信でも楽しんでいただけると嬉しいです。

■TVer無料見逃し配信
10月4日(金)21:59まで無料配信
https://tver.jp/episodes/epqjfookty

■各配信サービスにて配信
・テレ東BIZ https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/lp/ (〜無期限)
・U-NEXT https://video.unext.jp/ 9月27日から10月4日まで


「ガイアの夜明け」 取材が決まるまで

1年前のフランス・パリへの視察からすべてははじまりました

撮影が始まったのは今年5月。長かったようで短い、そしてとても濃密な4ヶ月間でした。もちろん、すんなりと取材が決まったわけではありません。

初めてプロデューサーの方とお顔合わせをしたのは2024年3月。当時はヘラルボニーの事業はあまり知られておらず、まずは興味を持ってもらおうという段階でした。

様々な切り口で企画を提案していったものの、打ち合わせを数回重ねるだけでは、なかなか決め切ることはできませんでした。

ヘラルボニーは、「岩手出身の双子起業家が4歳上の重度の知的障害を伴う自閉症の兄と過ごした経験をきっかけに”障害”のイメージを変えるために挑むソーシャルグッドビジネス」としてメディアに取り上げられることが多いです。

だからこそ、制作陣にとっても、視聴者の方にとっても、”きっと既に語られているストーリーでは面白くないだろう”ということはわかっていました。

そんな時、運良く舞い込んだ吉報。

世界でも有名な世界的スタートアップアワード「LVMH Innovation Award 2024」のファイナリストにヘラルボニーが選ばれるかもしれない、という信じられないニュースが飛び込んできました。

ー世界への挑戦ー

ドキュメンタリーにすべきストーリーはこれしかない。実は、海外への挑戦は、2023年の春、はじめてフランス・パリを視察で訪れたことがきっかけで始まったものでした。

だけど、私たちにとってもどうなるかわからない未知数のプロジェクト。台本のようにストーリーを想定して作り込むことなんてできません。でも、こんな大きなチャンスはもう来ないかもしれない…。

何とか番組の企画にできないかと、再び熱い想いで提案をしました。

LVMH Innovation Award 2024にて受賞。壇上でスピーチをするHERALBONY EUROPE CGOの小林恵

その後、日本企業として初のファイナリスト18社に選出が確定したことから、番組側から「日本でグランプリ発表の中継を見守るシーンにカメラが入れませんか?」という嬉しいご相談が。

こうして「ガイアの夜明け」の撮影がスタートしたのでした。

両代表の兄・翔太さん、お母様にも急遽オフィスまで駆けつけていただきました。いつも暖かく見守ってくださる守護神のような存在です

取材は福祉施設の皆さんの協力があってこそ

さて、こうして密着取材がスタートしていきます。

細かな構成は決まっていなかったものの、大枠のストーリーは「世界への挑戦」、「国内企業とのコラボレーションの裏側」という2軸で進めていくことになりました。

6月、撮影で一番初めに訪れたのは滋賀県にある「やまなみ工房」でした。

やなまみ工房は、美しい山並みのなかにある日本でも屈指のアート活動に積極的な福祉施設です

ヘラルボニーでは、頻繁にパートナー企業の皆さまをアーティストが活動をする福祉施設へご案内をしています。担当者だけでなく、時には社長や役員陣の方々もいらっしゃることも。

なぜ、このような取り組みをしているかというと『アートを使った社会貢献』という表面的な形で終わらせず、一人ひとりのアーティストの姿や福祉施設の様子を生で感じていただくことを通じて、「障害福祉」に対する考え方を深めていきたいという想いがあるからです。

何より、企業の皆さまから「また行きたいです!」とリピート希望もあるほどの好評な取り組みなのです。

この日は、現在ビジネスクラスのアメニティポーチや紙コップなどにアートを起用していただいているJALの皆さまと共に、やまなみ工房ツアーへと訪れたのでした。

JALの皆さまと共にやまなみ工房訪問ツアーへ
JALとの協業に起用されたアーティスト・水上詩楽さん。大勢に囲まれてもいつもと変わらない様子で堂々とアート作品を描き続けます
水上さんのアートが起用されたJALの紙コップ。10月1日から展開されています

ヘラルボニーではアーティストの皆さんに取材やメディア対応に出てもらうことが多いのですが、もちろんそこに台本はありません。その日のコンディションによっては「描かない」ということだってありえますし、ふら〜っと外におでかけしてしまって帰ってこない、なんてことも過去のトークイベントであったくらいです(笑)。

だけど、これらはすべて「想定内」なのです。

メディアの皆さんにはちょっと申し訳ありませんが、その可能性もあることも伝えつつ、それ自体を「ありのまま」として撮っていただく方がむしろ良いと考えています。

とはいえ、実際のところは、なんとかいいシーンが撮れるように福祉施設の担当者さんと事前の打ち合わせを綿密に設定します。この人は毎日11時にジョギングに行くからその帰りのこの15分がチャンス!とか、想定外の出来事に不安を抱きやすい方に対しては、2週間以上も前からその日は撮影があることを丁寧にお伝えしていただいたこともありました。

この日も、やまなみ工房の施設長の山下さんを始め、福祉施設の皆さんはアーティストの日々のルーティーンから逆算して撮影できるタイミングに案内をしてくださるなど、アーティストが自然に過ごせるように計らって様々な手配をしてくれたおかげで、多くの方の制作風景を撮影することができました。

やまなみ工房の素晴らしいアーティストたちの姿は、なんとテレ東Biz限定配信の「ガイアもう一つのエピソード」でも取り上げられているほど!

ぜひこちらもまだの方はご覧いただけると嬉しいです。

制作チームを巻き込み「熱」を伝播させる

意図したわけではありませんでしたが、最初の撮影現場として福祉施設の訪問シーンを選んだことは、のちのちの番組作りに非常にポジティブな影響を生んでいったように感じます。

ヘラルボニー広報チームでは、表面的なソーシャルグッドの取り組みにならないよう、じっくりとアーティストとやりとりをする様子を撮っていただくなど、ヘラルボニーの想いをどうやって「熱」を冷まさずに伝えていくか?ということに常に奮闘しています。

そんななか、この撮影現場でとても嬉しい出来事がありました。

「僕、やまなみ工房の川邊さんのアート気に入っちゃったんですよね。彼女すごくいい作品を描きますよね。」

やまなみ工房・川邊 紘子さんのアート作品。阪急うめだ催事でのライブペイントの様子にもカメラに入っていただきました。きっと撮影するカメラマンの方にも想いがのっていたに違いない!

やまなみ工房での撮影から約1週間後、制作プロデューサーさんが満面の笑みで話しかけてくれたのです。広報としてガッツポーズをしたくなるくらい嬉しい出来事でした。

他のスタッフの皆さんも、「僕はこのアートが好きですね。」、「この人はどんな作家さんなんですか?」、「半端ない集中力ですよね!」といったように、取材を重ねるたびにアーティストへの興味関心を深めてくれました。「障害者アーティスト」としてでなく、一人ひとりの名前を覚えて呼んでいただけることは、この上なく嬉しい瞬間です。

テレビ取材に限らずですが、広報とメディアはある意味、共に手を組みひとつのコンテンツを作る共同体だと思っています。伝えたいことを一方的に「宣伝」してもらうのではなく、視聴者・読者の方を唸らせる良いコンテンツ作りを「共創」するために手を組みあう関係です。

そのためには、まずは制作チームが私たちと同じように「熱」をもってくれるかどうか、これは最終的なアウトプットに大きく影響してくるはずだと考えています。

やまなみ工房での撮影をきっかけに、もしかしたら、制作チームの皆さんのなかでもこれまで抱いていた「障害」へのイメージが変わったのかもしれない。そう感じました。

「シルクサテンスカーフ」の放送後の展開は?

最高品質のシルクサテンスカーフ 10アート展開

海外への挑戦のパートのなかでは、2024年9月のパリ・ファッションウィークに合わせて開催した展示会「Artistes et HERALBONY」でお披露目する最新プロダクトの製造の過程にも密着いただきました。

果たして展示会に間に合うのか?と現場もヒヤヒヤなスケジュールでした。

放送日が決まっていたこともあり、どうしても展示会の様子を取材いただくことは叶わなかったのですが、ユナイテッドシルク社と共同開発をした「シルクサテンスカーフ」は、無事に9月24日から10月1日まで開催したパリでの展示会でお披露目することができました。

展示会前日には記者会見を実施。さらに関係者向けのヴェルニサージュでは、200名を超えるゲストの方にお越しいただき、フランス現地の方からも好評の声をいただきました。
YouTubeにて展示会の様子を公開中)

パリ・ファッションウィーク期間中に開催した「Artistes et HERALBONY」。会場はGalerie Christian Berst
海外での初めての展示会・ヴェルニサージュ、多くの方にご来場いただきました

日本国内からもオンラインストアで予約受注販売を受け付けています。

ヘラルボニーの海外事業はまだ始まったばかり。本当の旅路はこれからです。どうぞ皆さま、今後も私たちの歩みを暖かく見守ってくださると嬉しく思います。

おわりに。放送を通じて叶った最高の景色

今回の放送を見て、アーティストやご家族、福祉施設の皆さんから嬉しいメッセージをいただきました。

なんと嬉しいことに、やまなみ工房の皆さんは大型スクリーンで鑑賞会を開催してくださったとか!その様子とともに締めくくりたいと思います。

大型スクリーンでの鑑賞会。皆さんありがとうございました
一番手前に座っているのが、JALとの協業に起用されたアーティスト・水上詩楽さん

大変お世話になっております。
先ほど作家を含め皆とガイアの夜明けを拝見いたしました。
関係者一同あらためてヘラルボニー様のご活躍に敬意と感謝を表します。
試写会が終わると作家から拍手が起こっていました。
最後まで皆とても嬉しそうに見入っていました。

やまなみ工房施設長 山下さんからのメール

ヘラルボニーは、アーティストの皆さんやご家族、福祉施設の皆さんの存在のおかげで活動ができています。

施設長の山下さんをはじめ、ご協力くださった皆さま、ありがとうございました!

また取材にあたって多大なるご協力をいただいた皆さまへ、心から感謝を申し上げます。今後とも、私たちヘラルボニーと共に、社会を前進させていく一歩を共に歩んでいただけますと幸いです。

見逃し配信情報

■TVer無料見逃し配信
10月4日(金)21:59まで無料配信
https://tver.jp/episodes/epqjfookty

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ヘラルボニー広報PR、世界に挑む仲間を募集

「ガイアの夜明け」をはじめ、ここ最近では「Live News α」や「シューイチ」といったテレビ番組での露出などでご紹介いただく機会が増えてきました。

2024年度の1年間では、1,118件ものメディア露出(!)があり、おかげさまで着実にヘラルボニーを応援してくださる方が増えていることを実感しています。

そんなヘラルボニーの広報PRが、採用イベントを開催します!

届けるのではなく巻き込む、へラルボニーの広報PR戦略 - HERALBONY PR Meet UP #2

■概要
開催日時:2024/10/22[火]19:00ー21:00 ※予定
会場:オンライン(※Zoomにて開催)※PC、イヤホン推奨 
参加費:無料

<先行予約フォームはこちら

コーポレートブランディング、BtoB広報、BtoC広報、海外PRまでと扱う領域の広さ、そして多くの方を巻き込むダイナミックな企画や仕掛けは、もはやスタートアップの広報ではなく小さなPR会社ともいえるほどの規模感になってきました。

現在のヘラルボニー広報チームは業務委託のメンバーも含めて6名。これから控えているさらにBIGなプロジェクトには、よりプロフェッショナルの力が必要です。

少しでもヘラルボニーのビジョンに共感してくださる方、広報PR、宣伝プロモーションの領域でさらにキャリアを積みたい方、ぜひお気軽にまずはイベントにご参加ください。

<カジュアル面談はこちら>
https://open.talentio.com/r/1/c/heralbony/pages/98231

<広報PR(海外広報、ブランディング)の求人はこちら>
https://open.talentio.com/r/1/c/heralbony/pages/93816

異彩を、放て。

ヘラルボニーの挑戦はまだ続きます。

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