爆破ジャックと平凡ループ4

「毎日」を物語に生かすコツ(前編)/如月新一

「爆破ジャックと平凡ループ」の連載も残り後残り3回。

連載までのカウントダウンを記念し、作者の如月新一さんに、この物語を紡ぎだした原体験をお伺いしました。「爆破ジャックと平凡ループ」を書いたわけ、そして個性溢れるバスの乗客達に込めた思いをぜひお楽しみください!

普通を普通にできる。それだけで、すごい

今回の小説のテーマは「平凡」です。普通を普通にできるってそれだけですごいことだぞ、平凡舐めんな! と営業マンを見たりして、日々感じていたから、それについての批評になっていると思います。

自分が最初に勤めた商社がどブラックで、営業部長が部下に「殺すぞ」って電話をかけまくっていたんですよ。「殺すぞって言うとパワハラだけど、笑いながら殺すぞって言うと、パワハラにならないんだよ」と発明したみたいに教えられて、「どっちもパワハラだわ!」と震えていました。
本当に営業マンはすごいなぁと尊敬と同情をしていたから、いつか話の主人公にしたいなぁと思っていました。今回、やっと使えたっていう感じですね。

23話(4/12公開予定)でヒロインが主人公に伝える言葉があるんですけど、それが僕なりの「平凡」に対するアンサーなんです。平凡な主人公が超能力を手に入れて問題解決をしていくのが「爆破ジャックと平凡ループ」なんですけど、「平凡な人間」が超能力に目覚めてもおかしくはないはず、と思ってました。平凡舐めんな! って感じですね。

爆破ジャック自体は、ミステリばかり書いて来たからクライム系のループにしようと思っていました。たくさん先行例はあるけど映画『ミッション: 8ミニッツ』がぱっと思い浮かんだから、バスジャックでやってみようと思いました。ちょうど、地元横浜に、「あかいくつバス」っていう観光地をめぐるバスがあるので、あえて観光バスがジャックされるのは面白いかなぁと。ご当地感のある小説が好きなんですよ。

元恋人、そしてバス運転手のモデルは実体験から

いつも僕の小説を読んでくれる人に、僕の小説に登場する恋人や元恋人は正論を言うよね、と指摘されたんですよ。これは癖なんだと思います。
ヒロインはどうしても自分の好みになってしまうといいますか。僕が付き合ってきた人はみんな正論を言っていた、というか小説優先にしちゃう僕の生き方や考え方が歪んでいるから、彼女たちの言うことはいつも正しかったなぁ、そのせいで辛い思いをさせてしまったなぁ、と後悔の念を抱えています。
未だに付き合って来た人たちに対して、「なにもかも僕が間違っていました。ごめんなさい」と思っています。それで、正論ヒロインばかり書いてしまうんだと思います。

父親との関係は良くないので、両親と仲の良い小説っていうのもちょっと嘘くさくて書くのが苦手だったりするんですよね。父親は小説家になることへの理解をしてくれなかったので。そりゃそうかって感じですし、応援してとも思ってないんですけど。
今回、「平凡」について言い争いますけど、これは私怨というよりもバスっていうものが「同じところを運転し続ける」っていうメタファーになるから、ドライバーとして登場してもらいました。
意外性のあるキャラクターにするとなると、父親かな、と。

=====Part2(近日公開予定)へ続く

次回更新予定日 4月12日(木)夜

第22話から読む⇒https://note.mu/henshu_ckr/n/nb1b582dafc09

第1話から読む⇒https://note.mu/henshu_ckr/n/nbb4210ac0b26

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