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カズチー恋しや

ここ数年は、仕事柄、全国に出張に行く日々を送っている。コロナ禍で少し減ったが、2020年の年間出張日数は111日であった。

新幹線や飛行機に乗らない週は無く、東京、大阪は毎月、下手したら毎週の頻度で出張していたが、2020年の4月、緊急事態宣言が出てから以降は、その地域への出張は自粛している。例年なら札幌へも年に3〜4回は出張していたが、これも右に同じである。最後に札幌に出張したのは、2020年の2月である。その頃は、まだそこまで世情も深刻な感じでなく(思い起こせばマスクすらしていなかった)「雪まつりはまずかったね、感染拡大しちゃったね」などと現地の得意先や営業と呑気に話していたくらいだ。そしてその商談の最中に、本社から出張禁止令のメールが飛んできた時も、そんな大袈裟な…とみんなで苦笑いしていた。

札幌には美味しいものが沢山あるが、毎回、札幌への出張があると自分へのお土産に、必ず買っていたのがチーズに数の子が練り込まれた北海道らしいおつまみ「カズチー」である。

「カズチー」はクセになる美味しさである。たまに東京の成城石井などで取り扱ってるお店があるが「カズチーは一人一つまで」と張り紙が必ずある。やはり「カズチー」は人気なのだ。

先日、岡山の成城石井で「カズチー」もどきの「かずのこチーズボール」を見つけた。あの花畑牧場の商品だ。まだ暫く札幌には行けそうにないし、「カズチー」が食べたいモードになってしまった私は迷わずそのもどき商品を購入した。チーズと数の子、きっと良く似た味だろうと期待を込めて。

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家に帰って、ハイボールのアテに「かずのこチーズボール」をつまんだ。

「思ってたんと、違う、、」

「かずのこチーズボール」には何の罪もないのだが、期待していた「カズチーもどき」では無かった。なるほど、花畑牧場はチーズ屋さんである。想像していたよりも柔らかいチーズがメインで、入っている数の子も生であった。

そうなると、どうしても「カズチー」が食べたい気分MAXになってしまった私は、思わずググってカズチー公式サイトを見つけた。

そして、「思ってたんと違う」で味わったモヤモヤ感を払拭するために、送料無料になる10袋セットを迷わずポチった。

教訓。「カズチー」は「カズチー」しか「カズチー」にあらず。

カズチーを作っている会社はノースマートという石狩市にあるベンチャー企業である。

若い経営者やスタッフが「おもいをかたちに」という理念とビジョンを掲げ、楽しげに事業に邁進している様がホームページから伝わってくる。

https://www.northmart.jp/about#about-shacho-link

カズチー公式サイトは、カズチーファン作りの仕掛けが実に良く出来ていて、感心しきりである。ノースマートは多分野に渡る事業を展開している多角化ベンチャー企業のようだ。「カズチー」の成功は、この会社の軸となる共通目的がはっきりしていて、皆が高いポテンシャルでの貢献意識を持ち、良好なコミュニケーションがなせる故のシナジーが発揮されているからだろう。バーナードの組織の三要素が成立しているのだ。

地域に根付き熱い想いを持って事業に取り組むベンチャー企業は正に日本経済の活性化に役立っているのだなぁと「カズチー」に教えられた。








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