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ママ友との夜と松任谷由実

子どもを通して知り合った友人達と楽しいひと時を過ごした夜。
都心にある小さな庭園に菜の花の黄色が闇に揺れていたのを見つけた。鮮やかに。

ママ友。という言葉は簡潔に関係性を示せるものだが、なんだか窮屈な言葉だと感じる。
確かに「子どものママ」としての付き合いを超えない関係性もある、でもそれは「友」と呼んではおこがましい気がしてしまう私だ。

一方で、年齢や職業が違っても子どもきっかけでとても仲良くなれる方もいる、「子どものママとして出会ったことがきっかけで仲良くなった友達」
そういう敬意と愛情を込めてママ友という言葉を使いたい。
今日集まったメンバーはそんな尊敬するママ友達だ。
でも本当は大事な人が1人居なかった。
いつも皆の中心にいたような、太陽のように底抜けに明るいけど菜の花のように親しみやすくて柔らかい彼女。人のことを悪く言わない真っ直ぐで純粋で、アクティブで、マメで几帳面で。彼女の良いところは枚挙にいとまがない。私には1つも無いような長所ばかりで。

でも昨夏、彼女は鬼籍に入ってしまった。
突然のことだった。
その夏の記憶はあまりない。

マンションの窓から登校していく子ども達を見ているのがなんだか寂しくなると最後の電話で話したことが忘れられない。

彼女のことを思わない日は今もない。

ひこうき雲 を見つけるとその先に彼女の笑顔があるような気がしてずっと見てしまう。
ユーミンのあの名曲のように
空に憧れて 空をかけていってしまった若い彼女。

どうしてる?見ている?グータラな私に叱咤してる?

まだまだ話したいことはたくさんあったのだよ。

ママ友達とのひと時が楽しければ楽しいほど、
菜の花の黄色がよく似合う彼女の笑顔がいないことがくっきりと浮かびあがる。
その寂しさを分かち合える友人がいることも、また彼女が繋いでくれた縁だ。

いつか会える日まで、高みの見物で待っていて。

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