編境BOOK REVIEW

東京都足立区北千住「共同書店 編境」にて月例読書会を開催しております。 当noteでは…

編境BOOK REVIEW

東京都足立区北千住「共同書店 編境」にて月例読書会を開催しております。 当noteでは読書会で取り上げた文学作品のレビューを中心に、さまざまな文化に関する記事を掲載いたします。

マガジン

  • 編境読書会呑み屋探訪

    編境文学読書会のあと、北千住に広がる呑み屋街に繰り出しほろ酔い気分で話すことで読書会とはまた違った刺激を得ることができます。 このマガジンでは実際に行った居酒屋を紹介していきます。

  • 編境文学読書会

    月例読書会を開催しております。このマガジンでは、当読書会で取り上げた課題図書及び読書会の内容を紹介しています。

最近の記事

#2 『一千一秒物語』 稲垣足穂

星はどこにいるのだろう。坂道を転がり私のポケットに忍び込む。月とビールを飲み、ホーキ星は喧嘩の相手をしてくれる。良き隣人のようである。 稲垣足穂には空への憧れがあった。16歳で飛行家を目指すが落第して自殺を考えるほどである。その後、複葉機の製造工場に勤務するなど何処かで空との繋がりを求めていた。『一千一秒物語』は複葉機製造工場勤務ののちに上京し執筆している。宮崎駿のような趣味だなと思った。宮崎駿と稲垣足穂が友達だったら親友か、犬猿の仲かのどちらかであっただろう。きっと後者に

    • #1『苦役列車』西村賢太

      よく「人生を変えた一冊」という本の紹介を見る。そんな本との出会いは一生に一度あるかわからないが、私はこの本と出会った。大学を卒業して就職した会社を半年で辞め、ダラダラと就活もせずに2年近くを無職で過ごしていた私は中学生のとき以来久々にこの本を手に取った。貫多の力強い生き方に励まされたのか、はたまたその無様さに開き直れたのか自分でもわからない。とにかく私はこの本を読み終えたとき、就活を始める決心をしていた。 考えてみると編境読書会の記念すべき第一作がこの本でなければ私はこの読

      • #0 これまでの活動

        編境文学読書会は、東京のはずれ足立区の北千住にて、文学を読み合う読書会です。その場所にふさわしく、どこか辺境的で一人ではあまり手に取ることのない名作を課題図書に選んでいます。一作品を読んだら、その作品からインスピレーションをうけ次の作品を決めていくというスタイルで選書してきました。これでまで六回分の選書について紹介していきます。 一冊目は西村賢太の『苦役列車』。記念すべき最初の一冊は、足立区北千住の場末感感じさせる作品がふさわしいと考えました。日々の生活の生々しさを映し出し

        • 編境BOOK REVIEWについて

          編境BOOK REVIEWは、東京都足立区北千住にあります共同書店編境にて月例読書会を開催しているメンバーで立ち上げた読書レビューでございます。 毎回、国内外の文学作品を取り上げ、参加者の感想や趣味を共有し、活字文化を楽しむ活動をしております。 幅広くテーマを扱うので、知らない作家を読むことも多いですが、これまで読まなかったジャンルに手を出す機会にもなります。一人で読書をすることの楽しみだけでなく、読書を通じて人と繋がり、 感想を話し合い深めていくことで読書が一歩、二歩も前

        #2 『一千一秒物語』 稲垣足穂

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