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マダカン『ヘヴィメタ男と淑女』

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 吉本を敬愛する配偶者からは、
 ガチで説教されそうだが、

 他人についつい気を遣い過ぎてしまう、
 心根が穏やかな人たちに、
 ツッコミは不要だ。

 と言うより不可能だ。 

(文字数:約1200文字)


 前々から存じ上げてはいたのです。

 私は完全に諦め尽くして、
 参加しなかったコンテストの、
 大賞受賞作品だったのですが、

 大賞と知って深く頷いたくらいには、
 その前からちょいちょい覗いていたのです。
 
 先日ようやく購入しました。


 
  『ヘヴィメタ男と淑女』
    マダカン
    2022年3月10日初版
    株式会社 KADOKAWA

 帯には
 「いかついバンドマンと、
  お淑やかな老婦人の心温まる交流譚。」
 と記されてあります。

 拝読。
 読了。


 ……喰い足りねぇ!!!

 ああしかし申し訳ない。
 個人的な事情だ。

 ネットに公開されている分を熟読しているうちに、
 私はバンド「ガーネット・ビネガー」の、
 (このバンド名↑も
  カッコ良さげなのに全然そんなことなくて秀逸)
 箱推しになっちまった。

 もっとアイツらの、
 それぞれにどっかがぶっ壊れた、
 それでいてキュートで、
 結局ただただ良いヤツじゃねぇか!
 な日常をよこせよ!

アホだけど気のいい奴らです
気のいい奴らだけどアホです

38p1コマ目

 というバンドメンバーの紹介文が、
 いささかたりとも間違っていない!

 ボケにボケをかぶせてボケ倒すこの、
 当座の脊髄反射的な爆笑はなくとも、
 後々までじわじわ迫る笑いがたまらん!

 これは手元に置き残して、
 じっくり味わって悔いはない、
 と思ったからこそ購入を決めたんだが、

 1巻だけで次は出ないって……。
 殺生な。話はここからじゃないか……。
 まぁ出版直後に買わなかった私にも、
 いくばくかの責任は存在するんだが。


 一方で「お淑やかな老婦人」は、
 ピアノを嗜み可愛らしい曲を奏で、
 うら若きお嬢さんのような声で歌いもするが、

 歌詞がおかしい。

 「気が狂っている」
 が誉め言葉になる独特の世界観。
 私も多分そのジャンル知ってます。

 しかし彼女だけは常に幸せに包まれている。
 それはほぼ自分の意志で行動して、
 結果はともかく満足しているから。

 そりゃ周りの人までなごませる。


 ヘヴィメタやクラシックの知識が、
 得られるわけではない。

 それぞれを専門にしている人達からは、
 物足りなく感じるかもしれないが、
 その分双方にちょうど良い距離感で、
 描かれる興味や好奇心には嘘がない。

 つまり一般読者にちょうどいい。
 (私はもっとビネガー成分が欲しいけどな。)

 2巻は電子書籍で出ているそうな。
 買わなきゃ。
 (買い方とかいまだによく分かってないけど。)


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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