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楽しむっきゃないヒンドゥー

 大阪府は吹田市、万博記念公園内にある、
 国立民俗学博物館にて、

  『特別展 交感する神と人
     ーー ヒンドゥー神像の世界』

 が開催中ですので行ってきました。
 2023年12月5日(火)まで。
 毎週水曜は休館日ですので要注意。

(文字数:約2000文字)



興味を惹かれるに至った長い前置き

  私の配偶者が、
  生まれながらにしてのPL教徒なものだから、

  結婚後は教会に赴く度、
  「今度はぜひ奥さんを連れてきなさい」と、
  教会長さんから熱心に勧められていたそうだが、

  「すみませんが僕の妻、
   戦争といじめの次に、
   集団行動が大嫌いなんで無理です」
  と答えてくれていたそうだ。

  「それって私がよっぽどの、
   人嫌いに思われないか。(汗)

   いや。私は正直どう思われたって構わないが、
   貴方が『酷い奥さんもらって可哀想』とか、
   周りの人たちから思われたりしないかと」

  「ちゃんと、
   『なぜなら戦争もいじめも、
    集団行動から生まれるからです』
   って付け加えといたよ」
  「素晴らしいな。
   私の思想をそこまで理解してくれるとは、
   恐れ入るぞ」

  「あと、
   毎週送られてくる新聞も、
   毎月送られてくる広報誌も、
   全部読み込んで僕以上にPLに詳しいし」
  「うん」

  「それどころか宗教全般に興味があって、
   仏教もキリスト教も、
   イスラム教もヒンドゥー教も大好き……」
  「ちょっと待ったあ!」
  「え」

  「申し訳ないがヒンドゥーは押さえていない」
  「え。そうだったの?」

  「これまでにも2、3回は、
   文献に触れようとしてみたんだが、
   ヒンドゥーは色んな話があちらこちらで、
   融合した固まりみたいになっていて、
   私には読み解く糸口が見つけ切れずにいるんだ。

   ガネーシャとかカーリー含めた、
   シヴァ系はふんわりとでも把握しているんだが、
   ヴィシュヌ系がどこまでの何なのやら。
   あとブラフマーはどこにいるのか。
   アイツやたら偉そうなくせに見つからない。
   あとミトラも別口で大好きなんだがどこ」

  「えーとね。
   貴方自身はまだまだと感じてるかもしれないけど、
   一般平均からは充分知ってるレベルだと思うよ」


テンションぶち上がり

  そんな次第でヒンドゥーのみの展覧会は、
  大変に興味深いし有難い。

  入館時に受け取ったパンフレットにすでに、
  ヒンドゥーの神々相関図が、
  展示されている分だけでも載せられていた。
  やったね♪

  入り口からガネーシャと、
  踊るシヴァ神がお出迎えしてくれて、
  うわぁ大好きなニ柱だぁ。

  このニ柱何にせよすっげ楽しそうなんだもん。
  彫刻が細部までアホほど施されてるし。
  (関西において「アホ」は概ね誉め言葉です)

  そんな感じで序盤から脳内麻薬噴出してるから、
  会場内なんか推して知るべし。

  飾れや飾れ。
  鈴にシンバル鳴らして踊れ。
  色の付いた粉に蜜入れた牛乳かけまくれ。

  幼児クリシュナ可愛いし。
  ああ。そうそう。
  シヴァ踏みつけるカーリー女神も好きだけど、
  悪魔一撃必殺のドゥルガー女神も好きだった私。

  特にシヴァリンガって御神体が、
  大抵ヨーニに突き刺さった状態で、
  様式化されてるから直情的にエロスでもなく、

  大好きだな!
  ああ突き刺さった姿であってなんぼだろ。
  私には心底頷けるな!


二階は祭り

  特別展示館は二階建てで、
  二階部分はインド国内での、
  年間を通した祭りの模様が紹介されていて、

  前々からふんわりと認識していた気はするが、
  あ、これ仏教混じりの神道だなと。

  国が違うから気候が違って植生が違って、
  言葉が違って色彩感覚が違うだけで、
  精神はめっちゃ似通ってんなと。

  農耕民族で子孫繁栄が重要事項で、
  釈迦とか天照大神以上に、
  法然上人日蓮上人弘法大師を敬愛してたりして、

  踊りに音楽を担うのは、
  上流階級はいざ知らず、
  各地農村ではアウトカーストだ。

  日本に留学してきた中国人が、
  どうしてもつい中国漢字を書いてしまうように、

  似過ぎているが故に違和感を感じづらく、
  自国文化ともこんがらがって、
  より複雑に感じていたわけだ。


良いお客さん爆誕

  とは言え1時間半程度では、
  そりゃあガン見し続けたけども、
  入れた知識が腹落ちし切れないよ。

  展覧会図録と資料を5000円分購入したよ。
  また積読が積み重なりそうだけども、
  いやいやいや。いーやいやいや。

  むしろ隅々まで熟読しそうな自分が恐ろしいんだよ。

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