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【ネタバレ】愛し抜けるポイントが一つありゃいいんだ(映画『ネバーエンディングストーリー 第二章』)

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 ところでタイトルに挙げた映画ですが、

 あるんだよ。
 あったんだよ。
 封切りと同時に観に行ったんだよ私は。

 というわけで今回はネタバレ記事であります。
 核心フレーズを公開しちゃってますので、
 くれぐれもお気を付けて。

(文字数:約2000文字)



結論から言おうか

  クッソつまんなかったよ。

  変にアメリカナイズされてて、
  ファンタージェンで暮らす生き物たちにも、
  そこはかとなく失礼なエピソードの連続で、
  頭割れるかと思ったよ。

  だけど、ほら、
  前々から私の文章とか雰囲気を、
  なんとなくにでも掴んでくれてる人は、
  分かってくれないかなぁ。

  この私がただただ、
  否定し貶めるだけの記事を、
  書くわけがないじゃん。


そもそもが原作の大ファン

  そもそもミヒャエル・エンデ作
  『はてしない物語』がもう、
  隅から隅まで大好きなもんだから、

  『ネバーエンディング・ストーリー』
    1984年 (当時は)西ドイツ、アメリカ
    ウォルフガング・ペーターゼン監督
    バレット・オリバー、ノア・ハサウェイ
    タミー・ストロナッハ

  限界があったとは言え、
  当時可能な限りの技術で映像化し、
  原作のイメージ通りかは置いといて、
  可愛い子役たちを起用していた、

  上記映画版も大好きなんだけれども、

  原作の前半部分を、
  更に約2時間でまとめ切れるだけ、
  だったもので、
  それは飽き足りなかったわけだよ。

  そしたらちょうど私が、
  原作を読み終えたばかりの10歳頃に、
  後半部分が映画化されてくれてね。

  『ネバーエンディング・ストーリー 第二章』
    1990年 ドイツ・アメリカ
    ジョージ・T・ミラー監督
    ジョナサン・ブランディス
    ケニー・モリソン

  その時点で分かってはいたけれど、
  監督も配役も国家も違っていたならそれはもう、
  全く、
  別個の、
  映画なんだよ!

  続編、という冠を即座に外してくれ!

  

矮小化されてしまったストーリー

  ざっくりまとめると主人公のバスチアンは、
  現実世界からファンタジーの世界、
  ファンタージェンへとやって来て、

  人間の子供の卓越した想像力によって、
  願いをどんどん叶えていくんですけど、

  悪い魔女の呪いのせいで、
  願いを叶えるたびに、
  現実世界での記憶を失っていく。

  そりゃあ極めて分かりやすくなったけれども、
  原作はそんな話じゃないの!

  ファンタジー世界に秘められた、
  人間の想像力の闇の部分、
  みたいなもっと深くて重たい話なのに、
  そんな矮小化単純化は許し難い。
  
  そして悪い魔女の名前がアメリカ読みの、
  クサイーデにされてしまって、
  (原作のドイツ語ではサイーデ)
 
  日本語の語感でそれは、
  酒呑みおっさんのダジャレのようで、
  観客席でしょわしょわ泣き笑いよ。

  しかしだ。


起死回生のワンフレーズ

  主人公の記憶が残り少なくなって、
  あとは父親の顔と名前くらい。

  それを忘れると、
  「現実世界に戻りたい」
  という望みすらも抱けなくなってしまう、
  といったところで、

  主人公は悪い魔女に向かって、
  おそらく最後だと分かっている記憶を使って、
  願いを口にするわけだ。

  それにより、
  矮小化単純化に思えていた脚色が、
  劇的に息を吹き返したんだ。


  「貴方の心に愛を」と。

  民放での吹き替え版では、
  「お前の心に愛を」になっていたけど、
  そこは字幕版の「貴方」を採用してほしい。

  英語では違いなんぞ無かろうけれども、
  ここでは是非とも悪い魔女に対しても、
  敬意が欲しい。

  それまで知りもしなかった相手に
  愛を抱かせるなんて、
  過酷な攻撃をするのであれば。

  ファンタージェンにおいては、
  人間の子供の願いが全て叶えられる
  という大前提の元に、
  「愛」というただ一単語の威力が増した。

  愛を覚えてしまった魔女は、
  もはや悪事など働けず、
  呪いを解かざるを得なくなる。

  これはこれで悪くない。

  原作の後半部分、とは言え、
  2時間程度ではそもそも表し切れない内容だ。

  いっそ割り切って、
  ただ一言で全てが覆せるまでに、
  それ以外の要素を削ぎ落としたわけだな。

  なるほど、
  と深く頷いて、
  10歳頃の私は映画館を後にしたわけだ。


  ただ一つの光景か、
  ただ一つの台詞が、
  心に残せたならば映画というものは、
  その時点で成功だ。

  以後映画に関しては、
  何を観ても基本的に満足するようになった。

  と言うより私の感覚でつまらなかった映画は、
  本気で全く何事も覚えていないので、
  記事になど書けない。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。  

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