M・ポルナレフという人物
はじめましての人も、
前から知ってる方も、
ごきげんよう。
偏光です。
日本人がイメージするシャンソンではないが、
ポルナレフも大好きなんだぜ。
ジャン・ピエールも好きだがミッシェルだぜ。
(文字数:約2700文字)
『シェリーに口づけ』
「知らねぇよ。誰だよ」
とお思いになった方も、
この一曲だけはあちこちである程度、
お聞き及びかと思われます。
♪とぅー とぅー ぷましぇりー まーしぇーり
ってアレです。
とは言えポルナレフファンにとってあの曲は、
TM NetworkファンのGet Wild、
BOOWYファンのMarionette、
ちあきなおみファンの喝采みたいなもので、
カッコいいしすげぇんだけど売れまくったけど、
おかげで知名度は上がってくれたんだけども、
それだけじゃねぇんだよ他の曲の話もしてぇよ、
って事で以下を語り倒します。
原題をガン無視した、
『愛の〜(何ちゃら)』ってタイトルが多いのも、
1970年代っぽいですよね。
ああ本来はフランス語ですけども、
ざっくり聞こえたなりに音写して、
偏光が雰囲気で意訳します。
正確ではないですので悪しからず。
無理をしない作曲
デビュー曲の『ノンノン人形』は、
ギターを覚え立てという事で、
簡単なコード三つくらいしか使ってない。
まずは自分のビジュアルとセンスで、
勝負できる事を心得ていやがったな。
以後コードは単純ながら、
歌詞とリズムが面白い楽曲を次々発表していく。
その中でもぜひ紹介したいのが、
『Le Grand Sentiments Humains』
日本語タイトル『偉大な道徳観』
この歌詞のポイントは、
ほぼ「一音節の単語」で構成してある事。
鳩サブレのような歯切れの良さがクセになる。
奇天烈な作詞能力
わりと好きな曲のタイトルが、
『僕はアイスクリームの中から生まれた』
……何言ってる?(・∀・;)
しかしフランス語においては、
とにかく韻を踏まないことには、
詩ではないかのように、
強固に思われて譲られないところがあるので、
そのまま直訳しちゃうと、
妙な日本語文章になる事は多々ある。
「アンゴルモアの大王」@ノストラダムスだって、
「七の月(セット モワ)」と、
韻踏んでるだけだからね。
あと歌詞で恐れ入ったのは『夜の鳥と一緒に』。
じゃねぇって。
ne(ヌ) ときたら pas(パ) を言えよ。
(↑否定の構文)
I‘m wearing で止められた感じに、
pantsをどうしたって口に出したくなるんだよ。
しかしこのサビが3回は繰り返されて、
相当にフラストレーションが溜まり尽くした、
ようやくのラスト一行で繰り出される、
が相当にスカッとします!
しかし歌っている本人も、
スカッとしたに違いない声の伸び具合だ。
説得力ある歌声
フランス語初学者にも伝わる、
平易な歌詞ながら、
流れるような旋律にも乗せられて、
やたらと物悲し美しく響きやがる。
ここは実例をどんどん示しましょう。
この歌詞のポイントは、
てめぇの個人的なおそらく爛れ気味の恋愛模様を、
この段落最後の一行で「オン」、
つまり「人類全体」の話に、
ぬけぬけとすり替えやがっているところです。
そんなポルの魅力が詰まった集大成
『蝿』
なんですが、
誰も知りはしないでしょう。
それもそのはず日本では、
『つけぼくろ』
として紹介・販売されました。
しかしイントロには虫の羽音も入っており、
明らかに、蝿だ。
どうだい。
どこまでもぬけぬけといやらしいだろ。
ってかだからまさに、これぞ、キッチュ!
ぜひ日本でも『蝿』で発売して欲しかったんだが。
ってか『蝿』じゃなきゃあかんだろと思うんだが。
後半は「過去形」になる。
悲しいお知らせの予感がしますね。
もちろん比喩に決まってますがな。
ラストのおそらく彼が最期に見たであろう、
青空に溶け込んでいくような、
気の触れた笑い声が秀逸です。
以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。
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