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イヴ・モンタン『枯葉』

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 秋の足音が忍び寄る度に、
 私の脳内を席巻する、
 ジャズまたはシャンソンのスタンダードナンバーだが、

 私の場合流れまくってんのはフランス語なんだぜ。


 『枯葉』と聞いた途端に、
 耳にした方は誰もが思い出せるが、
 多くの人がそこしか思い出せない、

   ♪枯葉よ〜

 の部分が、

 フランス語で
 C’est une Chanson(あの歌)
 と知った時の衝撃たるや。

 共に愛し合っていた輝かしい日々を思い返す部分を、
 「枯葉よ」と歌い出してしまってどうする。
 しかし先人たちの苦闘には、
 敬意を払うし落涙を禁じ得ない。

 めらヴィせぱぁれ せきせぇぬ とどぅっせもぉん
 さんふぇえどぅぶりぃい
 えらめぇr えふぁrすしゅぅるぅさぁぼぅr
 れぱ でさもん でじゅいにぃ

 などという、
 立て板を水が流れ下るがごとき快さと口馴染みの良さは、
 まさしくフランス語特有のもの。
 そこを悟って以降私はこの歌詞に関しては、
 和訳したいなどという考えを断念したんだ。

 とは言え我が国の言語話者に対しても、
 この部分の情趣を、
 たとえ片鱗だけでもお伝えしたい。

   しかし人生は別れ 音も無く ゆるやかに
   心さえも離れていく
   波が砂の上の足跡を
   消し去っていくように

 であるからして私は、
 『枯葉』を聴いて残るイメージは潮騒でありたい!

 そこを踏まえた上で

 めらヴィせぱぁれ せきせぇぬ とぅどぅせもぉん
 さんふぇぇぇぇえぇぇ……

 とタメてタメてタメてぇ……、
 砂浜に新たな波が打ち寄せるかのようにぃ……、

 ……ぇどぅぶりぃぃいぃ

 とやりたい!
 それであってこそ次の

 えらめぇr えふぁrすしゅぅるぅ さぁぼぉr

 が活きるのであるし、

 れ ぱ! でぇざもん! でぇじゅいにっ!

 はむしろ潔くキレッキレに歌いたいんだ。
 私はな!
 思い出に対する思い入れが、
 人それぞれに異なる事は承知しているが。

 ああジュリエット・グレゴ版の方が有名とか、
 ジュリエット・グレゴも好きだけどどうだっていいの。
 全ての作品はオリジナルを最も尊重するの私は。
 世に出した功績が最も偉大なの。

 申し訳ない。
 単にマニアだ。

以上
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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