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7週目:正直イヤな混ざり込みだ

 この記事は無料マガジン
 『偏光点字技術』中の
 「偏光触読まとめ」に添付します。

(文字数:約1400文字+図2枚)



ホントにそれってどうしよう

  見出し画像にも出したリマさん(仮名)が、
  「私を怖がらせてください」
  と言ってきたんだが、

  言われて考えてみると、
  お化け屋敷も怪談も、
  基本的には視覚情報まみれなんだよな。

  ゾンビの方が小声で
  「ごめんなさい」って逃げたらしい。
  だってメイクなんだもん。

  それ以前にリマさん、
  横断歩道の真ん中で、
  自転車から白杖はじき飛ばされたり、

  相手は完全に善意だった様子だが、
  「送ってあげる」と、
  リマさんの返事も聞かず車に押し込められたり、

  実は晴眼者が無意識にやっている、
  車窓からの景色に合わせた体重移動が出来ないから、
  山道を長く走ると腰を痛めるんだ。

  リアルに死ぬ恐怖を、
  日常で充分過ぎるほど味わっている。
  (#・∀・)私は聞くだに腹が立つ。

  「よく目の手術が成功して、
   見えるようになって感動みたいな話、
   あるじゃないですか」
  「ありますね」

  「私今目が見えるようになったら、
   その場で泡噴いてぶっ倒れて、
   リハビリに何年も何十年もかかる自信あります」
  「……ですよねぇ。
   今まで使っていなかった情報が、
   一気に脳に入ってくるわけですから」

  「マッサージしてもらったら私、
   頭の前側ガッチガチなんですけど、
   頭の後側やわらかいんですよ」
  「ホンマや。
   そうか。視覚情報処理するとこか」

  だからさぁ。
  面白いんだよ現実に対処してる人の生の声って。
  もっと接する機会が多くあって良いだろって、
  ホント思うの。


今週触れた8文字+α

あらかじめ点字知ってても触って分かるまでがムズイ。

何をや言わんや

  「残りの文字数も少なくなってきました」
  「もう難しい字はありませんよ」
  とか教科書は励ましてくれるんだが。

  何を持って「難しい」とするのやら、
  正直「テ」とか「ム」とか、
  点の数が多い文字はかなり厄介。

  マミムメモ、なんてギッチギチで、
  教科書の構成上次にマミムメモ、が来るだろうな、
  と分かってるから分かってる感じがする。

  しかし「ソコソコ」と「コソコソ」とか、
  「ヨシキリ」とか「ヤオヤ」とか、
  微妙に古めかしくて分からない単語や、
  使うけど触るとなると分かりにくい単語を、
  相変わらず絶妙に選んでくるな。


ゆっくりで良いんだよホントに

  長く点訳ボランティアを続けてきたから、
  普段は印刷された墨点字を目で読んできたから、

  本当はもっと早くスムーズに読めなきゃ、
  現場で仕事にならない事を知っているんだが、

  点字を全く知らない人の感覚では、
  ここまでが相当な苦労であり、
  「すげー自分。こんな単語読み切れる」
  って本当は一単語ごとに喜んで構わないと思う。

  指先は誰に言っても伝わらない神経痛だし。

  ホンマにリマさんに話しても、
  「指先に力入り過ぎじゃないですか?」とか、
  「人差し指以外を浮かせちゃダメですよ」とか、
  筋肉痛的アドバイスをされてしまう。

  そうじゃなくてね。
  これ中途で触読始めた人だけが味わう、
  それも今だけでそのうちなくなって忘れてしまう、
  ピリピリ感だと思うんだ。

  だから記録しておく。

  

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