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徒労を吐露

 弘法大師空海の、
 生誕1250周年記念事業の一環として、
 御詠歌の全国大会が、
 高野山で三日間掛けて開催されたもので行ってきた。

 行っただけじゃなく登壇して奉詠してきた。

 緊張のしようもないほどに、
 右も左も分からない完全アウェー状況だったので、
 適当にお唱えして済ませるしかなかったぜ。
 (適当って良い言葉だよな堂々と言えば。)

 まぁ三日間フル参加したわけじゃない。
 登壇時間も登り降り込みで、
 せいぜい10分程度のものだったが。

 出番まで様々な曲目を聴き続け、
 疲れ切って寝た翌朝の脳内に浮かび上がって来たのが、
 この曲たぁ↓私の脳内世界どうなっているんだか。
 (注:御詠歌の旋律に則ってはいません)


 御詠歌とは何たるか、
 諸説あるけれども最も簡便な説明でごまかすと、
 「仏様や位の高い僧侶を讃える歌」。

 目には見えない尊い存在に捧げ奉る事が目的なので、
 見た目はもちろん上手下手に巧拙も気にされない。

 ……はずなんだが壇前に6人の僧侶が座り並んで、
 お辞儀の仕方に楽譜の持ち方といった、
 所作は細かくチェックされてるの(;゚Д゚)キイテナイヨ

 私は鈴などの法具を持たずに済んだ上に、
 三列目のどうだって良い立ち位置だったけどもね。

 それでも基本「華美な服装禁止」って事で、
 喪服着てるし輪袈裟掛けてるし肩凝る肩凝る。

 「アロハシャツなんてもってのほか!」
 なんて忠告されたらすみません御住職、
 私はむしろアロハを着たくて着たくて、
 仕方がなくなってしまう性根の持ち主なんです。
 着ませんけど。建前もバリバリ建てる人間なんで。


 しかしながら皆さん、
 そもそも「御詠歌」の存在すら知らんでしょ。
 知ってる方もまずやってみたいとは思わんでしょ。
 耳に馴染むほど世に流れてなどいないからな。

 聞いたところによるとどうやら、
 神道系かつ山系の神々とは相性が悪く、
 忌み嫌われてすらいるらしい。
 高野山の僧侶の間ですら多数派ではないという。

 そして会場に集まった皆さんの、
 致命的な年齢層の高さよ……!

 私とあと一人くらいしか同世代が見当たらない。
 習い出して3年程度の私だからこそ言わせてもらいたいんだが、
 先が見えないんだ……!

 だからこそ若者にも存在くらいは知って頂きたく、
 御詠歌小説を書き出したところはある。

 配偶者からは、
 「主人公が高校生なんだし。
  天下一武道会やらせちゃいなよ」
 とか言われて内心めちゃムカついたんだが。


 余談ですけれども南海鉄道高野線の、
 橋本から極楽橋までの秘境度合いと
 (私には家の墓も本籍地もあるわりかし日常の風景だが)、
 ケーブルカーの急勾配を見るにつけて感嘆します。
 よぉこんなもん造り上げて維持されてますわホンマに。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!