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設計図書には優先順位があるんです。


【設計者は大変なんです】

設計図は意匠設計、構造設計、設備設計(電気設備、機械設備)に分かれていて、それぞれ専門の設計者が設計します。又、それぞれが一人ではなく複数の設計者や外注設計者が設計することもあります。
これらを調整しながら、さらに顧客要望などによる設計変更建築確認申請での指摘事項もあり、余儀なく設計を修正しなけれならないこともあります。しかも期限内に設計図を収めなくてはなりません。
さらに一件ではないでしょうしね。

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全体を総合的にとりまとめ整合させるのが意匠設計者の役割でもあります。

なもんで特記仕様書は、以前設計したもの流用して期限ギリギリに作成することが多いみたいですね。

特記仕様書は設計図より優先順位が高いのに設計者からも施工者からも重要視されていないのはなんで?
不整合があってもだいたい設計図が正ですね。
実務上、問題がなければ、別に異論があるわけではないんですが、、、


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【設計図書の優先順位】

ちょっと脱線してしまいましたが、ここからが本題!

設計図書に不整合等があった場合の処置として特記仕様書や標準仕様書に優先順位が示されています

一般的に
質問回答書>現場説明書>特記仕様書>設計図>標準仕様書
となっていて、標準仕様書は一番順位が低い存在なので、あまり重要視されないことも多いかと思います。

設計図書には不明な部分や、不整合があることは少なくありません。
不明な部分は質問回答書で補完し、不整合は設計図書の優先順位によることになります。

優先順位の上位4つに記載がない事項については標準仕様書によることになりますので、基本的には記載内容を把握する必要があります。


標準仕様書1

【標準仕様書】

標準仕様書とは、使用材料の品質、施工法、検査や試験方法等、施工する上で標準的な仕様を示したもので、特記仕様書・設計図と同じく設計図書の一部となっています。

標準仕様書はいくつかの著者により作成されていて、代表的なものは、公共建築協会(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修)・日本建築学会(JASS)・日本建築家協会などがあり、大手ゼネコン・設計事務所では自社で作成している場合もあるので、特記仕様書でどの仕様書を使用するか確認しておきましょう! 

共通仕様書ともいいますね。

「現場事務所には置いてはあるけど、開いたことはない」っていう方も多いのではないでしょうか?
標準仕様書は一定の品質と性能を確保すための重要な文書でもありますので、優先順位が低い設計図書ですが、たまには開いてやってくださいね。

たまには開いてやってくださいね。


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【契約約款】

その他設計図書の疑義については、契約時の約款に従い対応するこになりますね。
契約約款を読むと本来の発注者・監理者・施工者の義務と責任、立場がわかります。

発注者・監理者とのやりとりはほぼ全て書面や資料で残しておくことになります。
とはいえ、緊急の場合や書面に応じてもらえない場合もありますね。
このような場合は、施工者が記録をとっておく必要があります。
発注者・監理者にも契約上の役割・責任の理解を求め、書面による指示・承諾をお願いしましょう。
重要なことは、相互間での誤解や行き違いが原因となるトラブルを防止することですね。

時間もかかるし面倒くさいですが、トラブルが発生すると余計に面倒ですので、メールなどを利用し極力効率的に書面を残しておきましょう。

契約約款はもちろん設計図書ではありませんが、請負契約での重要な約束事です、当事者は義務を果たさなければ責任を追及されることになりますので、一読をおすすめします。


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