15.入院までにすること その①

7月8日に入院が決まった。
入院の二週間前からは、行動履歴をつけて、なるべく出歩かないようにとの事だったので、今のうちに買い物や、しないといけない事をしておかないといけない。

何があるだろう。

しないといけない、考えないといけない事としては…

① 家族と話す
② 介護中の義父のこと
③ 両親に言うか?
④ フィットネスに休止の連絡
⑤ 口腔ケア


まずは①から。
主人は全て知っているから良しとして、三人の子どもにどう話すか…と悩むところかも知れないが、実はもう普通に全部話してある。

エコー写真が机の上に転がっているのを見た長女が、「えっ!4人目?!」と驚いた(違います、腫瘤です)くらいで、検診に行って、結果を見て、また検査に行って…という流れを全て知っているので、特に気を使うこともなかった。

小学4年生の息子だけは、私が入院するのを寂しがって泣いてくれたが、高3の長女は「じゃあ私ご飯するね!」と言ってみたり、高1の長男は「毎日マックか…」と言ってみたり…ちなみに、娘はまともにご飯を作ったことはなく、それを無理だと判断して、弟が外食になるなと言っているのである。

だから、告知については心配なかった。
私がいない間の我が家の生活についての家族会議となった。

食事は、弁当でも、マックでも、惣菜でも良い。
なんとかなる。
ウチの子たち、ご飯くらいはみんな炊けるし。

洗濯物も、主人がするだろう。

掃除は…まぁ、ロボット掃除機に任せよう。

一番下の息子は、色々学校に忘れたりするだろうが、それもなんとかなるだろう。

家を最後に出るのが、4年生の次男…というのが不安である。
彼は過集中と診断されており、何かに夢中になると大事な事を忘れる。7時40分になっても気付かず、学校に遅刻するかも知れない。
長女は電車の時間があり朝早いので、自転車通学の長男が7時半まで粘ってから出ようか?と申し出てくれた。彼は元々余裕を持って出かけるタイプなので、7時半に出ても間に合うと言えば間に合う。だがそれは彼がイライラする事になり、事故でもしたら大変だ。
という事で、『次男は遅刻しても仕方ない』という結論になった。一応、先生にはお話して、本人は大丈夫だと言っているので、信じる(という名の諦め)事にした。

次にコロナ対策について。
今、コロナに感染するわけにはいかない。
何としても、それだけは避けねばならない。
手洗い、うがい、消毒の徹底を念押しする。

娘は、隣の市に電車通学なのだが、看護師さんに聞くと、ソレはギリギリOKという事になった。
だが、娘の陸上の大会の手伝いをどうするか…。
家族も、隣県に行くことはおろか、中心部にも行かないでくれと言われているのだが、彼女が入部している陸上部の大会がその中心部であり、マネージャーとして、最後に参加する事になっているのだ。
彼女には非常に申し訳ないが、事情を話して諦めてもらう事になった。
「えー…」と少し考えていたが、「まぁ、良いよ」と言ってくれた。そうでなくてもコロナのせいで大会や行事が減った中での、数少ない思い出作りの場、ましてや最後の大会だったので、可哀想な事になった。非常に申し訳ない。
一応、コレで家族のブリーフィングは終わった。


次に②、主人の父親の事。
2013年くらいから近くに住む我々が介護をしている主人の父親なのだが、極度の出不精である。
とにかく出かけたくない。腰が痛い。だるい。行きたくない。
デイサービスも週一で行くのがやっとだ。

家では、食事は出せば一人で食べられるものの、自分で温めなどの準備をする事は出来ず、朝ご飯を持って行った際に「コレをあとで昼に食べて」とパンや弁当などを置いていっても、ちゃんと食べられない事がある。わからないのかも知れない。
薬は一人では飲めない。
着替えも一人では難しい。
排泄は…まぁなんとか紙パンツと、自分で行くのとでなんとかなる。
デイサービスは、迎えが来た時、お見送りをしないと勝手に断る事がある。服の準備もできない。困る。

この状態で、間で主人が様子を見るとはいえ、二週間も一人で置いておくわけにはいかない。

こんな時は、施設にショートステイ、もしくはヘルパーさんに毎日来てもらうという手がある。
最悪は、主人が介護休暇を取る、もしくは、私の姉に来てもらう(ホント最悪だ!)か。


昨年末に義父の体調が崩れ、病院が閉まってしまう年末年始の間だけ、かかりつけの医療機関と連携している施設のショートステイで、点滴を毎日して貰うという手筈になっていた。
看護師も常駐しているから安心で、義父も納得してショートステイに行く車に乗ったのだが、施設に着いてから「行かん!」と言い出し、結局キャンセルするという事態になった。

ヘルパーさんは、週一で来てくれているのだが、ともすれば「来なくていい」「嫁(私!)にしてもらうから良い」と言う。
そして、最終的には、「自分で全部出来るから良い!!!」となってしまうのだ。

困った。

とりあえず、ケアマネージャーさんに相談した。
入院する事、主人は交替制勤務なので時間がまちまちな事、子どもたちがいるので父に掛かりきりにはなれない事、上の二人も朝が早かったり帰りが遅かったりするので祖父のご飯まで手が回らない事…
ケアマネさんは、
「なんとかしてみます!」
と、色々当たってくれた。

義父のかかりつけの病院が経営している施設は、空きがなく断られてしまった。
他にも当たってくれたが、やはり期間が長く空きがない。
さらに探してくれて、やっと三週間預かってくれる施設が見つかった。
「一応、仮押さえしてますから!」
との事だった。
近々、そこから連絡があるという。

とりあえず一安心。
だが、そこに義父が行ってくれるかどうかは別問題だ。


義父には、がんで入院する事を伝えねばならない。
あまり早いと忘れてしまうし、行きたくないと落ち込むかも知れない。
あまり遅いと「絶対に行かない!」となった時、ヘルパーさんを頼んだり、主人が休業する手続きが間に合わない。私の姉に頼むのは最悪の最終手段だ。(妹の婚家に介護に行くなんて聞いたことない!)


いつ言うか。


ちなみに義母は、14年前にがんで亡くなっている。
義父からすれば『がん』というのは中々のパワーワードだ。

『嫁ががんだから』と、今回は大人しく、いう事を聞いてくれるか…
それとも『嫁もがんになってしまった』とただ落ち込むか…
それとも、『そんなの関係ねぇ!』となるか。
未知数である。


今回の手術で最大の悩みは義父の事なのだ。

良いタイミングの時に、義父に話そうと思う。
さて、どうなるか…

→ 16.入院までにすること その② へ続く

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