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5.再検査

長男の高校の入学式も無事終わり、近所で乳がん検診で有名な病院に行く事に。
その病院は乳がん検診に予約も必要なく、先生の腕は県内の実力医師7名に入るという。

4月12日、受付を済ませ、待合に座っていると程なく名前を呼ばれた。

「ふんふん、再検査ね!」
60代前半と思われる先生は、明るくキビキビとした感じ。
健康診断で要検査と出た事を説明すると、先生は頷きながら、じゃあまず撮ってみよう!と立ち上がり、検査室へ行くよう言われる。

看護師に誘導され、検査室へ行くと、先生自ら撮影してくれる。
「じゃあ挟むよ!おいっ、おいっ、おいっ、おいっ!」
ナゾの掛け声と共に、乳房が締め付けられる感じ。
笑いを堪えるのに必死で、震えて外れはしないかと心配したが、無事撮影出来た。

診察室へ呼ばれる。
「うん、なんかやっぱり写ってるねー。もうちょっと詳しくエコーで見てみようか」
診察室のベッドに横になり、エコーで見てみる。
「あ!あるなぁ…」
ちょうど1センチくらいの腫瘍があるのを先生が発見。
おぉ、本当にある!
そして触診してみるが、先生にも、シコリはわからないそうだ。

「ちょっとコレ(しこり)を調べてみようね」
更に詳しい検査をすると言う。
エコーを見ながら、針を刺し、シコリの部分の細胞を取って検査するのだそうだ。

「ちょっと痛いよ?刺す時言うね!」
と宥めるように言いながら、先生が手早く道具の準備をする。
「刺すよ?ちょっとチクってするよ?」
そして予告通り、ちゃんと刺す前に報告があった。
先生がモニターを見ながら針を進めて行くのがわかる。
そんなに痛くはない。
モニターに写る腫瘍に向かって、進んで来る針が写る。
わぁ…なんか凄い…!
腫瘍に針を刺して十数秒、吸い取っている感じに見える。
目の前で行われた細胞の採取に、痛みを忘れ、見入ってしまった。


「やっぱり1センチくらいのシコリ…腫瘍があるね。これ大至急で検査して貰うからね」
先生曰く、右胸に腫瘍がある以前に、石灰化が気になるとの事。
とりあえず、検査結果が出てからお話しましょう!との事で、
「明後日にはわかるようにしておくから!」とエコー画像を貰って帰る。

案の定、主人は落ち込んだ。
高校生と小学生の息子にも簡単に話した。

娘が遅く帰ってきて、机の上のエコー写真を見つける。
「え?!4人目?!」

笑った…

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