16.入院までにすること その②

乳がんの手術が決まって、入院までにすること。

① 家族と話す
② 介護中の義父のこと
③ 両親に言うか?
④ フィットネスに休止の連絡
⑤ 口腔ケア


①は解決済み、②はタイミングを見て父に報告、ショートステイを検討中、という事になった。

そして、③。
私の両親に言うかどうかーーー。


私は三姉妹の末妹で、長姉は遠くに住んでいるので普段からそんなに交流はないが、次姉とは、しょっちゅうやりとりがある。家にも行き来する。よくランチも行くし、ショッピングに行くことも多い。仲が良い。むしろ溺愛されている。
だから、検査に行ったのも知っているし、結果も早々に伝えた。
だけど、両親にはまだ言わないで欲しいと口止めしている。


一年ほど前に父の体重がものすごく落ち、調べて貰うと血糖値がものすごく上がっていた。母が頑張って食事療法で元通りにした。
その母が今度は突然転び、それから急に元気がなくなった。一気に老いたというか。
それでも最近は、父と散歩に行くようになったり、冗談も言うようになって、「やっと元のお母さんに戻ってきたね」と姉と話していた。

父と母の子どもとして、親に黙っているのは良くないのではないかと思う。でも、老齢の親がいる大人として、親には黙っていても良いのではないかとも思う。

今、私が乳がんである事を話せば、母はガクっと落ち込むだろう。
父は、表面には出さないかも知れないが。

姉は、足と気持ちの弱くなった母を気遣い、毎日実家に顔を出し、買い物に連れ出し、ご飯を差し入れてくれている。
両親も姉に甘えていて、無理を言って困らせている様だが、姉は頑張ってくれている。私も近くにいる娘の一人なのに、非常に申し訳ない。

だから一番近くにいる姉に、相談した。
「言うべきだと思う?」
「うーん」
「もうさ、入院中だけ適当に誤魔化してくれたら、言わんでもバレなくない?」
「ええ…?でも、たしかに…手術終わってからでも良いかも知れんな」
姉も、今は言うべきではないと思っている様なので、私は、『いっそバレるまで隠す』という手段を取る事にした。

「でもこの前病院の日さ、うっかりお母さんに、『今日は忙しいみたい』って言っちゃってさ、『何で?』って聞かれてさ……『参観日じゃない?』って適当に誤魔化したけどさ、ワタシ、ポロっと出しそう…」
まぁ、出たら出た時で。


たしかに黙っていたのがバレたら怒られそうだし、親として非常に悔しい思いをするだろう。
でも、娘が心配で心配で不安で、眠れない夜を何日も過ごすより、全然些細な事なんじゃないかと思うのだ。

どちらかと言うと私は優等生で、いわゆる母自慢の娘だった。結婚もそれなりに早く、子宝にも恵まれ、心配するところが殆どない娘だった。
ところがどっこい、母の人生の後半戦にかけて、こんなでっっっかい心配事を用意する事になろうとは!!!あはは、ごめんね。

…という事で、
父母よ、あなたの娘たちは共謀して大きな嘘をつきます!!!

→ 17.入院までにすること その③ へ続く

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