インタビュー「25年の北京暮らしを経て〝桃源郷〟で自らを深める日々」和田廣幸(篆刻家・書家)
きっかけは級友の〝内職〟
―― 和田さんが最初に「書道」と出合ったのはいつですか。
和田 中学1年生の時、授業の「書道」の時間です。当時は小学生の習い事で書道も盛んでしたが、そういうものには触れていませんでした。
私は横浜の生まれで都内の中高一貫の学校に通っておりました。書道教室での授業では出席番号順に着席するんですが、私は「和田」なので最後なんですね。すぐ後ろは壁なわけです。その壁に高校生の書道部員の作品なんかが飾ってあって、「上手いなあ。こんな字が書ければいいなあ