最近の記事

常軌を逸した限界集落を、どう見つめるか

「限界集落」と聞いて、おそらくイメージする場所は皆似たり寄ったりだろう。 65歳以上が人口の50%以上を占めている自治体のことで、さながらケマモト村のような雰囲気を想像してもらって差し支えない。 要は、若者の流出が抑えきれずに高齢化社会となり、社会共同生活の維持が困難になっていく集落だ。 実は私にとって縁もゆかりもあるこの「限界集落」、その光景と実情をざっくばらんに話していきたいのだが、幸か不幸かこれからお話しする「限界集落」は、少しばかり異様であり、タイトル通り常軌を逸し

    • 日々変わっていくことがおおすぎて、わたしにはそれがはやすぎて。 変わらないように、わたしは変わらないように、変わらずにいるために、わたしだけでも切れてしまわないように。 日々の移ろいと、流れていく景色たちを、許してあげることがわたしにはできない。 ずっとしがみついて、あの瞬間だけに身を落として。 あなたが残した日々は、穏やかなままで。 変わらないままのあなたは、わたしの中にだけ。 すこしだけ、すこしだけでいいから、あの時のわたしたちに纏わりついていたあの匂いを、ふと通り過

      • パラダイム・シフト

        あなたはあなたであって、全く他の誰かではない 彼と彼女と、あなたは、ただ三つの人であって、他の何でもない もし境界線を引くことができるとすれば、それは「私」と「あなた」だけであるけど、もしかしたらそれは、他でも同じように引けるものなのかもしれない 例えば、中学・高校に入って少し経った頃、それぞれの場所でグループができて、「なんだ、こんなものか」と君は思っただろう。 1組のあそこにはあの子たちのグループがいて、私はここにいて。 私は中学校、通ったことないけど。 例えば、「あ

        • 「空」

          人間はまず自己を得なければいけない 人間はまず根本的に自己を徹見する これがあらゆる哲学、宗教、道徳の基本問題である 安岡正篤 「なぜ人をころしてはいけないか」の答えは、 「人は社会契約論に基づいて生きているから」 になる。 人というのはかくも弱く不安定なもので、一時の昂りによって振り回し、手を取りあったかと思えば、出来もしないのに独りで生きていこうと考えてみたり。 人は、一人で生きていくことは出来ない。 どれだけ隔絶してみようと、過去を消し去ろうとしても、あなたは人と

        常軌を逸した限界集落を、どう見つめるか

          こんばんは。どうかお元気で。

          ▏以下、わたしの日記より抜粋 わたしが知的な人を好きな理由は、本当に「面白い」からなんだよ わたしは人生を面白く生きたい、だから賢いあなたが好きなの ▏ 「ミーム」化した軽薄さに、あなたの感情を刈り取られないで。 大丈夫、それは正しいから。 ▏ 人のことを消費したい訳では無いのだが、でも私はてめえの事をもっと知りたいので、末永く味がするガムみたいな人ってすげえよな ご老人とか ▏ 正直なことを言うと、知らない人とお話するためだけに外でてる ▏ おれが今見てい

          こんばんは。どうかお元気で。

          sep.

          キッチンにはハイライトとウイスキーグラス どこにでもあるような家族の風景 私の大好きな歌、ハナレグミの「家族の風景」の歌詞。 両親がよく聴いていた気がしていて、文字通り私の思い出の、家族の風景。 私にとっての「家族」への向き合い方と、執着とその変容の話。 私は両親が20のときに生まれた子で、両親のその若さと共に私も育ってきた。 最初はきっと大変で、裕福でもなく安定もしていないはずだったから、少しばかり大変な幼少期だっただろう。私も両親も。 それでも決して貧困家庭ではなく、

          始まりの日

          あなたはきょう、なにを見てなにを感じたのだろう どんな花を見て、どんな人と話して、何の駅に降り立ちましたか あなたがきょう見た素敵な世界を、どうかわたしにも見せてほしい わたしだけじゃなくても。 わたしだけにでも。 わたしたち人間は、ずっとずっと孤独で、そのままであることを受け止められるほど強くもない。どうにか自分の心の底を、奥の奥のわたし自身を引っ張り出して打ち明けたその時も、いま思えば、孤独であることの証明を必死にもがき苦しみ吐き出しただけであった。 わたしの心にぴった

          始まりの日

          真・資本主義社会

          これはなかなか鋭い主張だと思う。 この沈みゆく日本の民が、いまこそ「ストライキ大戦」を繰り出す絶好の機会ではないだろうか。 日本国の労働者(被雇用者)賃金の横ばい率は著しいものだ。 上記のグラフはOECD(経済協力開発機構 Organisation for Economic Co-operation and Development)加盟国での平均賃金の推移だが、今や中東欧8ヶ国の壮絶な追い上げに屈しようかというほどである。 これについてはもう20年も30年も前から予想出

          真・資本主義社会

          昨今のデータではどうやら、日本の各年代における未婚化、晩婚化、そして「わたしは子供が要らない」という人間が増えているようだ。 わたしが唱える「人間を含む生物はただの遺伝子伝達装置論」からすると実にふざけた風潮ではあるが、こう考える人が増えてしまうのは仕方ない。ノストラダムスのせいにでもしておこう。 田舎や地方都市にありがちな、上の世代から連なる連鎖的な家族の在り方についてあたかも強要されているような空気感はとてもつまらない物だ。わたしがだれと結婚して、或いはしないで、どの街

          美しいの、対岸には

          君は失恋をしたことはあるか。 恋愛をしたことはあるか。 その時の感情を少しだけ呼び戻して読んで見てほしい。 若くてまだ世界を少しも知らない君にとって、初恋というものはものすごく衝撃だっただろう。そのときはなんとなく思っていたかもしれない。いま、思い出してみて。悲しかったか、嬉しかったか、辛かったか、それは分からないけど、何はともあれ感情の振れ幅は大きいものに違いない。 初恋に限らなくてもいい。あのときものすごく情熱的に、この世界の誰よりも輝いた2人の時期がきっとあるだろう。

          美しいの、対岸には

          Do Not Go Gentle Into That Good Night

          僕は今どこにいるのだろう。ふと眠れなくて外に出てみたはいいけど、来たばかりのこの土地を歩くにはまだ足取りが覚束無い。見覚えのある場所と言えば、引越しの作業の合間に煙草を買いに行ったローソンくらいだ。 風の音がする。 けれど風は無い。 ニール・アームストロングが月に降り立った瞬間もこんな感じなんだろうか。 座っている僕の背中を、ダークマターのような暗闇が支えてくれている。 夜というのは、昼を背にして毎日単調にやってくる。昼もまた、夜を背に、同じようにやってくる。 人間社会の

          Do Not Go Gentle Into That Good Night