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「平和を作る幼稚園をシリアに!Piece of Syria現地パートナーによる活動説明会」(文字起こし)①


2021年9月18日に、現地パートナーNGO代表を招いて、
戦争から10年経ったシリアの教育の現状、
Piece of Syriaと活動した5年の活動の成果、
そして、これから創りたい未来への想い
について、語っていただきました。


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どうして日本が好きなんですか?もし日本に来れたら、何がしたいですか?


私が日本について好きなものは文化です。特に子どもの頃から文化に親しんできて、大学中も日本の文化を学びました。特に好きなのは日本の人々です。
他の人に対してとても親切で、尊敬の気持ちを持って接することができる日本の人々のことが、私は大好きです。

日本に行くことができたら、私は絶対にやりたいことが2つあります。1つ目は生け花の練習です。私が通っていたアレッポ大学で、日本文化のイベントが行われています。また、私の住んでいるトルコのガジアンテップ大学でも行われていて、それにも参加したこともあります。日本文化の一つである生け花を、日本でプロフェッショナルの人たちから直接学びたいです。
もう1つは、日本の人々にシリアのことを伝えるということです。シリアの戦争で起きていること、そしてシリアの人々の本当の姿を日本の人たちに直接お伝えしたいと思います。

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今のトルコの生活はどうですか?


とてもシンプルです。トルコのガジアンテップという所は、シリアのアレッポと似た気候・文化を持っているので、まるでシリア国内で過ごしているのと同じような生活を送ることができています。

また私の日常生活についてですが、朝に出勤をして、多くのシリアの同僚達と話をして、帰って日々を送っています。休日になったら、ガジアンテップ城という観光地に足を運んだりしています。ガジアンテップ城はシリアにあるアレッポ城と非常に似ていて、おすすめです。
また現在(難民ではなく)トルコ市民権を獲得しているので、トルコの国内外に自由に行き来できる権利を獲得しました。トルコ人と同じように簡単に日本行きのビザが取れるので、日本に行ける日が待ち遠しいです。

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今のシリアの教育の状況はいかがでしょうか?

戦争がシリアで始まって10年がたちましたが、今でも厳しい状態が続いています。国際NGOなどがシリア国内に入って活動をしていますが、彼らは教育だけではなくて他にも衛生や人権など多くの部門において活動をしています。その中で教育だけに焦点を当てて活動することはできません。

結果、教育分野の支援が不十分で、多くの何千人という先生方が、無償でボランティアとして働いており、教育の量も質も問題があります。現在、Piece of Syriaと共に実施している活動は、その両面で価値があるものと言えるでしょう。

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もし、教育がない状態が続けばどうなりますか?

最初に伝えておかなければいけないことは、教育は権利であり、全ての子どもに対して保証されるべきものであることです。

しかしながら、このような教育が受けられないという状態が続くと、とても大きな損害、損失となります。失うことは主に3つあります。

1つ目は、先生のお給料がなくなってしまうことです。そうなると、先生はもちろん家族を持っているので、他の仕事を探して先生をやめてしまうという状況が起きてしまいます。

2つ目は、国内避難民が北部シリアに多く集まっている中で、1カ所に集中すると子どもの数が増えてしまい、学校が足りなくなってしまうといった問題も発生します。

3つ目は天気についての問題です。冬は非常に寒さが厳しいので、冬の寒さに耐えられず、学校施設にストーブ等がなければ寒くて、子ども達は誰も学校に行きたがらなくなってしまいます。

結果、「失われた世代」というものが発生してしまって、大きな損失に繋がってしまいます。また教育に焦点を当てた際に、これまで10年間の戦争の中で、もうすでに100万人以上の子ども達の教育機会が奪われているという現状があります。ですので、私達はこれからも教育について問題提起をしていけたらと思います。

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Piece of Syriaとともに実施してきたプロジェクトの成果は?

Piece of Syriaは2016年から現在まで支援をし続けてくれていることに感謝します。またPiece of Syriaに寄付をしてくれた日本の支援者の皆様に感謝申し上げます。主に3つのことを実施することができています。

まず1つ目は、先生に対して月々のお給料を支払うことができるようになったことです。先生達が仕事としてお給料をもらって働くことができるようになったので、家に帰った後に他の仕事をする必要がなく、授業の準備により専念することができるようになり、授業の質が改善しました。また、先生だけでなく先生の家族も助けることになっています。

2つ目は、教室の増設です。多くの国内避難民が集まって教室が足りない中、Piece of Syriaとの協力によって、プレハブの教室を建てることができました。

3つ目は、灯油ストーブやジャケットなどの越冬支援をできるようになりました。厳しい季節を乗り越えるために越冬支援を行うことによって、子ども達が厳しい季節でも学校に通えるようになりました。

また他にも、実際にメンテナンスをする費用や、心理社会的サポートをするための費用といったものをサポートしてくれたおかげで、子ども達が「平和」と感じるような空間を作ることができました。

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幼稚園では子ども達にどのようなことを教えていますか?

基礎学力を上げるためのアラビア語、英語、算数の授業と、心理社会学的ケアです。戦争が10年続いて、不安定な状況から心に問題を抱えてしまったり、戦争からトラウマ記憶を持ってしまった子どももいるので、子ども達が幸せだと感じられるような空間を作っています。心理社会学的ケアは、本来のアラビア語、英語、算数の基礎学力を上げるための教科と同じくらい、大切にだと考えています。

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支援先から届いた印象的なエピソード

戦争の影響から社会的なトラウマを抱えている子ども達を受け入れることもあります。それは決して簡単ではありません。知識を持った専門家と協力し、先生達と工夫を積み重ねることで、多くの子ども達が幼稚園を卒業し、小学校に入学できるようになっています。


今回のクラウドファンディングで作るSAKURA幼稚園について

今まで通りアラビア語、英語、算数の基本的な授業と心理社会学的ケアも実施します。生徒の数は100人を予定しており、最初は午前中のみの授業にする予定です。将来的には、午後の時間も使ってより多くの子ども達が教育を受けられるように、準備をしていきたいと考えています。

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なぜ「教育支援」「幼稚園支援」が大切なんでしょうか?

シリアの戦争は10年続いています。つまり、10年分の世代を失ったということです。未来の世代を失ったのと同じですから、戦争の被害の中でも、大きな損失です。私たちは、これ以上の損失を止めなくてはいけません。それが教育です。教育は未来を作ります。子ども達が大人になった時に、平和を作るための大切な土台と作るものなんです。

教育の中でも、どうして幼稚園が大切なのかという疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。私は教育の専門家として10年間、幼児教育から大学まで関わってきました。その経験をもとに、幼稚園の時期が大切だと分かりました。初等教育、中等教育、高等教育と進んでいく時の土台となるからです。ここで良い土台を作ることができれば、子ども達はより豊かに成長して、さらに強い世代を作ることができると私は考えています。

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この絵は男性が鉛筆を構えている写真です。教育は、私たちの武器です。私たちは銃や剣を持って戦うのではなく、教育で得た知識を持って未来のために戦いたいと考えています。



イベント中の質疑応答に続きます。

イベント中に答えられなかった質問はこちら


挑戦中のクラウドファンディングは、10月29日(金)23時まで!
どうかみなさんのご協力、お願い致します!


読んでいる方が「面白い!」と思ってもらえるような形で、私たち国際協力夫婦らしい形でサポートを使わせて頂きます。めぐりめぐって、きっと世界がHappyになるような形になるように!