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こうして僕は、人となっていく

18歳、高校を卒業して僕は一人暮らしを始めた。
同時に、上京。そして就職。
まだ身体的にも、精神的にも子供の僕には何もかもが新鮮で刺激に溢れていた。


8年が経った。あの頃と今と、変わった事なんていくらでもある。
僕は今日もまた1歩、人となることが出来た。

ご飯なんて職場でまかないがでるし、正直自炊している暇なんてないからいらないと思っていた。コンビニ飯を何年も食べ続けた。
炊飯器を買った。結果、自炊の幸福感は生きていくのに必要だとわかった。

洗濯物を部屋に干し続けた。匂いとか正直気にならないし、万一外に干して雨なんて降られたら最悪だ。
晴れの日、外に洗濯物を干してみた。御日様の匂いが洗濯物を纏った。幸せの匂いだ。

予定のない日は、朝起きてから寝るまでゲームをして過ごした。日々の嫌なことを忘れられた。ご飯を食べる時間さえ億劫になった。
休みの日は、何か理由をつけて外に1回は出ることにした。新緑の景色と眩い日の光は僕を幸せで包んだ。

人が苦手でコミュニケーションを取ることを拒んでいたが、職場の同期や後輩を誘ってご飯に出かけた。
知らない考え方を聞くことが出来たし、ご飯も美味しかった。想像していたより、疲れなかった。

好きなゲームをより良い環境でしたいと思った。ベッドも、ソファーも欲しくなった。1Kしか住んでこなかった僕が2DKの部屋を借りた。予算を決めて、白紙に部屋の設計図を描き、図面通りの部屋を完成させた。この部屋に来るだけで気分が高揚した。

3日前から、たばこをやめてみた。10年間の喫煙生活。僕をあの手この手で禁煙阻止してくると思われたが、そんなことは無かった。ガムを代わりに嚙んでいる。それで十分だった。僕をストレスから救ってくれていたと思われていたそれは、ただの口寂しさだった。

今日、社会人になって初めて自分のノートパソコンを購入した。これまではスマホでnoteを利用していたが、パソコンも良いな。画面が広いし美しいし。タッチタイピングの練習がてら、この投稿を書いている。


ここまで書いた以外にもいくつもの冒険があった。
その冒険の結果、経験値と、いくつもの幸福感に近い戦利品を手に入れた。
やはり幸福とは待っているだけではやってはこないようだ。
自分のモノクロな人生に色を付けられる人にしか訪れないようだ。
もう少し、冒険してみようと思う。

こうして僕は、人と成っていく。


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