「ギガは30分で18MB近く消費します」

 12時間も船に乗っていて、楽しみの一つはラジオです。最近は、月-金の午前11時からのインターFM「おとなのラジオ」がお気に入りです。パーソナリテイーはロバート・ハリスさん。なにがいいって、古い曲がバンバンかかります。どうやら「おとな」とは年寄りのことらしく、ハリスさんももう72か3歳で、番組では「プレミアム世代」と称しています。

 船の仲間に、 

「インターFMの11時からの『おとなのラジオ』、いいよ」と誘うと、

「おもしろいの?」

「けっこう古い曲がかかってね。洋楽もあるし、歌謡曲もかけるし」

「こっちの船、ラジオ、ないや。ま、ラジコがあるからいいけどね。聴いてみるよ」

 今日(5月11日)は、内山田洋とクールファイブの『長崎は今日も雨だった』がかかり、ホルストの組曲「惑星」のうちの『ジュピター』がかかり、…楽しい2時間半でした。

 わたしはラジオを持っているのでラジコはあまり使ったことがない。それで、ラジコだとどのくらいの通信量になるのか、検索してみました。

 クエリに〈ギガ ラジコ〉まで入れると、推測機能で〈ギガ ラジコ 消費〉がレコメンドされたので、そこを選ぶと、表題の文言が出てきました。

 みなさんご承知の通り、「ギガ」とは、「ミリ」だとか「センチ」だとか、あるいは「デカ」「キロ」「メガ」と同類で、10進法の単位の接頭辞で、「10億=10^9」のことですよね。

 しかし、私自身もクエリに「ギガ」と入れたように、今は別の意味が備わっています。

 デジタルデータの容量のことです。


 それは、距離のことをキロというようなもので、表題文を距離に置き換えると、意味としては「距離(あるいは速度)は30分で18ミリ」ということを言いたいのに、「センチは30分で18ミリ」と言ってしまっているわけです。まあ、「東京から名古屋までのキロは?」と聞かれて、違和感ないですからね。でも、「あなたの体重は何トンですか」とは聞かない方がいいかな。わたしは「0.08t」です。あ、トンというよりメガグラムですね。Mg、絶対だれも分からないですな。

 単位系の話、ホントはせっかく船乗りなんだから、海里とノットの話にも展開したいんですが、酔っぱらって面倒くさいので、またの機会に。

 本題(?)に戻します。

 「ギガが足りない」とか、「ギガを使い切って低速になっちゃった」とか。いまどきの若者にはフツーの言葉遣いでしょう。通信キャリアの宣伝文句で「ギガ放題」とか言ってますからね。

 でも、キロにはキロメートルもあれば、キログラムもある。リットルもある。もちろん、キロバイトもある。ミリもメガもギガも同様。

 それで思い出したんですが、むかーし昔、パソコン通信をしていたころに「テレホンカプラー」というものがありました。デジタルデータをアナログの音声に置き換えたピーヒョロロロという音を受話器の送話口に聞かせるものです。記憶した電話番号の数字をピーヒョロロにして再生させる電子電話帳というようなのもあって、それを送話口に近づけて再生させればダイヤルしなくても電話がかかるというものでした。10ケタ程度ですから、全然、便利じゃない(笑)。


 そんな時代のすぐ延長の、たしか1992年。スペインのバスク地方のビルバオに出張に行きました。通信モデム内蔵の富士通のワープロ「オアシス」を持っていきました。取材を終え、ホテルに帰って記事を書いて、さあ、ダイアルアップして電話回線で日本に送ろうと思ったら、そのホテルはまだモジュラージャックではありませんでした。

 ふふん、そんなこともあろうかと、ドライバーとワニぐちクリップを持参していました。ホテルの部屋の壁の電話のローゼットをドライバーで開けて、ワニぐちクリップで接続すれば、大丈夫。

 ところが、ローゼットを開けたら、なんと、5芯でした。わああ、どれとどれを選べばいいんだあー。日本じゃ、2芯なのにィ。

 さて、そのワープロは、親指シフトで知られたオアシス開発者のの神田泰典さんからモニターで貸与されていた、プリンターの付いてないワープロでした。今のノートパソコンとあまり変わらないかな。神田さんは「これからは通信だよ」ということで、プリンターはドック式で取り外しができるようになっていて、本出張では「出張先で印刷することはないだろう」と、持ってきていませんでした。

 というわけで、ワープロで書いた原稿を、モニター見ながらわざわざ手書きでホテルのレターキットの便箋に書き写し、ホテルで頼むと高いので、近所の電話局まで出向いてファクス送信を頼んだのでした。


 さて、そのころ覚えたこと。

 テレホンカプラーの速度は300bpsとか言ってたような覚えがあります。モデムのスピードはクンロクだと速いほうだったような。9600bpsのことです。当時は、bpsのことを「ボーbaud」と言ってました。bpsとbaudが違うことは知っていましたが、あまり気にしてなかったかな。この「b」はビットbitです。

 それからしばらくして、わが家に来たマッキントッシュは、「立った、立った、コンポが立った」的、縦型ラックに収納されていた家具のようなパソコンセットでしたが、ハードディスクの容量はたったの500MBでした。この「M」はメガで、「B」はバイトbyteです。

  先に「キロ」「メガ」などを10進法の接頭辞と書きましたが、バイトの場合は厳密には違います。1KBは1Bの1000倍ではなくて、1024倍です。まあ、だいたいです。コンピューターだから「だいたい」で大丈夫なんです、デジタルですから。

 もし、あなたのPCがフリーズしたら、デスクトップでもノート型でもかまいません。上部右から3分の1辺りを左斜め45度で叩いてみてください。たいがい正常に戻ります。国際的なだいたい基準でそうなっているんです。

 おっと、酔いにまかせてデタラメ書いてたら、ちょっとやりすぎちゃった。



 とにかく、本稿で言いたいのは、「おとなのラジオ」はいいですよ。ということ。それと、同じインターFMの土曜日午後3時からの「DJオッシーのradio disco」、日曜日午後1時からの文化放送「miss DJ リクエストパレード」は往年のちんちんちくらのまんまんまりちゃん(アラ還暦)が、昔と同じ声でがんばってます。さらに、東京FM日曜午後5時からの「あ、あべれいじ beyond the average」もいいかな。

 わがラジオデイズ。しょっぱなはツルコさんだな。オールナイトニッポン、鶯谷ミュージックホール。ビタースイートサンバ。

 ※誤脱字御免。




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