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9月17日野球観戦記 門脇誠という男

以下ポエムです





「ついにこの日が」
9月7日、スポナビでスタメンを見たときの私はジャイアンツの歴史が変わった日だと確信した。

2023年9月7日に起きた「サード坂本スタメン」は、後世まで語り継がれるであろう一大事であることは言うまでもない。
ジャイアンツ不動のショート坂本勇人が!と、誰しもがたまけだだろう。
怪我や年齢、坂本自身の将来を見据えた本人と首脳陣が選択した。
この選択肢が現れた要因。それは門脇誠の出現と台頭といっても過言ではないだろう。


私が門脇を認知したのはシーズン前半。バウア―からホームランを打った時である。
昨年度のドラフト時期からシーズン序盤は私生活が立て込んでいてジャイアンツのことを追えていなかった。
メジャーから来た男からホームランを打った小さな男というのが門脇に対する最初の印象だった。


素晴らしい守備もあり、あっという間にスタメンで出場しつづける門脇。しかし打てない。
打率が1割台の時代が続くと「守備うまいしなぁ‥‥2割3分くらい打ってくれれば文句無し」と思っていた。
しかし夏がくると、ぐんぐん打ち、相変わらず素晴らしい守備でチームに貢献。
門脇サード、岡本ファーストなんてこともこの頃にはすっかり見慣れていた。


そしてやってきたその日。
門脇は卓越した守備と適応した打撃力でショートの座を手にしたのである。


9月10日。ドームのユニフォームショップに行った。パンク系の若いカップルが門脇のユニフォームを注文していた。
「門脇ファンが増えだしている」と思った。


9月17日東京ドーム。門脇のユニフォームを来ている人が以前より明らかに目立つ。
試合中、門脇が打席に立つと球場全体が沸き立つのを感じた。
守備でも「流石上手いなぁ」と周囲の人は感心している。

この日の9回裏、門脇が粘って粘って打って、試合を決めた。


夏になる前、なぜ門脇を出すのか理解に苦しんでいる母に言った。
「門脇の守備で落とした試合はないが、門脇の守備で勝った試合はいくつもある」
口からで任せであった。
私の言葉に納得していなかった母。
そんな母であったが、試合からの帰り道で門脇を心の底から称えた。
門脇誠は、とうとう偏屈な母をも認めさせたのである。


9月7日。門脇がジャイアンツの歴史を変えた日から、試合は順調に消化し続け、2023のシーズンもあと少しで終わる。

今年の野球で私を楽しませてくれたのは、間違いなく門脇誠だった。

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