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第203国会 参議院厚生労働委員会  議事録抜粋(ADE関連3) 参考人質疑   令和2年11月26日を接種判断材料に

国会会議録検索システムを使った議事録のテキストデータです。今さらながらですが、ADE(ワクチンの抗体依存性疾患増強)に関する議論を読んで見て、ワクチン法案の政策決定のプロセスが何となく判りました。抜粋ですので、さらに興味のある方は上記のリンクで検索して全文をお読みください。隈本参考人、片山参考人のお話等、ワクチンに関する情報満載です。ワクチン接種の判断にお役立ていただければ幸いです。途中太字は筆者によるものです。

令和二年十一月二十六日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     島村  大君     山下 雄平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 克巳君
    理 事
                石田 昌宏君
                自見はなこ君
                石橋 通宏君
                矢倉 克夫君
                足立 信也君
    委 員
                衛藤 晟一君
                こやり隆史君
                島村  大君
                そのだ修光君
                羽生田 俊君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
               三原じゅん子君
                山下 雄平君
                打越さく良君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                塩田 博昭君
                山本 博司君
                東   徹君
                梅村  聡君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   参考人
       国立感染症研究
       所所長      脇田 隆字君
       川崎市健康福祉
       局医務監
       川崎市立看護短
       期大学長     坂元  昇君
       江戸川大学メデ
       ィアコミュニケ
       ーション学部教
       授
       薬害オンブズパ
       ースン会議メン
       バー       隈本 邦彦君
       北里大学大村智
       記念研究所ウイ
       ルス感染制御学
       教授       片山 和彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、国立感染症研究所所長脇田隆字君、川崎市健康福祉局医務監・川崎市立看護短期大学長坂元昇君、江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授・薬害オンブズパースン会議メンバー隈本邦彦君及び北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学教授片山和彦君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、脇田参考人、坂元参考人、隈本参考人、片山参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず脇田参考人からお願いいたします。脇田参考人。

途中割愛(筆者)

203-参-厚生労働委員会-5号 令和2年11月26日○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、隈本参考人にお願いいたします。隈本参考人。
○参考人(隈本邦彦君) よろしくお願いします。
 元NHK記者で、現在、江戸川大学の教員をしております隈本と申します。薬害防止のためのNGO、薬害オンブズパースン会議のメンバーでもあります。
 資料に、後半に付けました縦長の方ですが、私どもの意見書と、それから私自身、NHKの社会部厚生省担当記者時代に、実際にワクチン薬害の取材をしております。そして、今多くの薬害被害者の方と薬害根絶のための活動をしております。そうした経験を基に意見を述べさせていただきます。
 資料の二ページ目を御覧ください。
 結論から申し上げますと、改正法律案で接種勧奨と努力義務の設定、そして損失補償契約には反対の意見を持っております。
 次をめくってください。
 接種勧奨と努力義務を課す前提として、そのワクチンには高い有効性と安全性がなければなりません。現状でそれが確認できるのか、それを私としては疑問に持っております。
 次をめくってください。
 まず、有効性についてですが、もう先生方は御存じで、釈迦に説法かもしれませんが、薬の臨床試験、承認を受けるための臨床試験、つまり治験には五つのツーがあると言われています。御覧のとおりの五つのツーです。それに照らすと、安全性より前にまず有効性に関してですね。
 次のページをめくってください。
 治験の有効性の確認の限界は、やはりツーフュー、ツーブリーフがあると思います。ワクチンの治験は多くても数万人ですが、国民の大多数に打たれるとなると数千万人ですから、ツーフューです。それから、治験の観察期間が短過ぎです。今話題となっているファイザーとかモデルナのワクチンの治験でも、有効性の判定は治験が始まってから五週間から六週間で行われています。私たちが最も知りたい重症化予防効果や致死率を下げる効果の確認も難しいし、そもそもその長期間にわたる感染予防効果がどれだけあるのか治験では分からないというのは皆さん御存じのとおりです。
 もちろん、意見書に書きましたように、治験は厳密にやっていただきたいんですけれども、とにかく、新しいワクチンというのは多くの国民が打つようになってから本当の実力が分かってくるというものだと言うこともできます。はしかのワクチンとかポリオのワクチンは長年の経験でその実力が証明されてきているというふうに私たちは感じています。
 このことは、専門家は御存じですけれども、国民の多くはどうでしょうか。もし政府の審議会が承認したら、ああ、これはいいワクチンなんだろうといって打ってしまうということにならないでしょうか。特に、新型コロナウイルスはRNAウイルスで変異しやすいとか、再感染の可能性なども指摘されています。新型コロナワクチンの本当の実力は治験の段階では分からないと考える方がいいのではないでしょうか。
 次のページを御覧ください。
 安全性の確認についても、治験にはツーフュー、ツーナローの限界があると思います。数千万人の国民が打つわけですから、治験では対象でなかった子供とか大変高齢な方、特異体質の方も受けると思います。ワクチンは元々、人の免疫を人為的に操作するものです。ですから、まれにギラン・バレ症候群など自己免疫疾患が発症することもあります。
 日本脳炎ワクチンで実際にあったことですが、自己免疫疾患の急性散在性脳脊髄炎、ADEMの発生で、五年間にわたって積極的勧奨が中止されたことがあります。新型コロナワクチンには、ウイルスの遺伝情報を人の体内に入れるというこれまでにない作り方をするものもありますので、国民の大多数に接種されたときにこれまでにない何かの病気が出るということは十分考えられるのではないでしょうか。

 次のページを御覧ください。
 では、市販後の安全対策はどうかということですが、我が国では、副反応疑い報告をワクチンメーカーと医療機関が受け付けるという受動的なシステムしかありません。しかも、このような自発報告には、その時点で医学的に診断名が確立している病気しか報告されないという限界がありますから、新しいワクチンの新しい副作用は見付かりにくいと考えられます。
 一つの重要な実例が、私自身が取材をした新三種混合ワクチン、MMRワクチンの無菌性髄膜炎です。
 接種十四日後をピークに入院が必要なほどの髄膜炎を起こすという重篤な副反応があったんですが、平成元年に定期接種化された後、六十万人ほどに打たれても、その報告は六件しか上がってきませんでした。十万人に一人です。これは、その当時、ワクチンで無菌性髄膜炎はまず起きないというのが医学的常識だったことと、接種後十四日もたって発熱をするので、親御さんからすれば、二週間前に打ったワクチンが原因かもと想起することができなかったためです。
 しかし、NHKのニュースでこの副反応の報道が、副反応の存在が報道されると、十万人に一人だったのがすぐに数千人に一人という頻度になりました。そしてさらに、厚生省が通知を出しまして翌年一年間調べると、実に七百人に一人という非常に高率な副反応が起きていることが分かりました。

 次のページを御覧ください。
 そして、このワクチンでは、接種したお子さんの同居の姉にうつってしまって病気が発生するという二次感染事例が起きまして、ついにMMRワクチンは接種見合せということになりました。実は、この二次感染事例も、二年後に学会発表がニュースになるまで当局への報告はありませんでした。この事実から、自発報告だけに頼る安全対策がいかに脆弱かということが分かります。しかも、情報は国民に適切に提供されませんでした。
 次のページを御覧ください。
 このワクチンが重篤副反応頻度が七百分の一と極めて高いということが分かった九一年、当時の厚生省は予防接種委員会の秘密会を開いていました。この資料は、数年前、私のゼミの学生が薬害被害者とともに行った情報公開請求で出てきた議事録です。
 次の十ページを御覧ください。
 この議事録の最後のところ、委員が小児科学会が四月にあるがどこまで言っていいかと聞いたのに対して、担当者が対外的にはこの委員会は開催されていないことになっていますと答え、七百分の一の頻度について言っていいかという質問には、それも一切公表していませんと答える生々しいやり取りです。この数値はこうして国民に伝えられませんでした。実は、この時期に二次感染が起きていたんです。しかし、そのことはメーカーからも報告されないし、その見付けた医師からも報告されていませんでした。
 次の十一ページを御覧ください。
 副反応疑い報告からシグナルを見付け出したときには、適切な疫学調査をして能動的に調べることが必要です。しかし、残念ながら、我が国にはそれを専門に行う常設の研究機関はありません。そこで、厚生省の、厚労省の研究班がつくられるわけですが、あくまで非常勤の、しかも厚労省が選んだメンバーですから、私の知る限り、安全対策の問題点を厳しく指摘する結果が出たことはありません。
 次のページから、一例として、子宮頸がん予防ワクチンと言われたHPVワクチンの接種後の多様な症状について調べた厚生労働省研究班のデータをお示しします。この研究班では、難病の発生頻度を調べる手法を使って、決められた半年間に多様な症状で学校に行けなくなったりした若い患者がいるかどうかを調べ、その人たちの接種歴を調べました。
 次のページがその結果の一部ですが、赤枠で囲った接種歴ありの人、青い棒グラフが多くなっています。このワクチンの副反応に典型的に見られる光過敏、脱力発作、そして次のページを見てください、月経異常、認知機能障害などが接種者に多くなっています。

 次のページを御覧ください。
 この認知機能障害ですが、全ての項目において二十五か月以上続いている人もいるというのがこの調査班の結果なんです。ところが、そして次のページ、これ十六ページには折れ線グラフがありますが、これ実は症状の数なんですね。右端、十個以上の症状がある人は一五・六%と、接種者の方が多いんです。三倍多いんです。しかし、研究班の結論は次のようなものでした。
 次のページを御覧ください。
 多様な症状のある人は接種していない人にも一定数存在したというものです。元々多様な症状のある人を選んで調べているんですから、一定数いるのは当たり前です。その頻度が三倍高かったことについて、研究班長は、いろんなバイアスがあるので統計的に有意かどうかは調べなかったと説明しています。そして、その最後の結論だけがメディアで報道されました。それが現状です。
 次の十八ページを御覧ください。次のページを御覧ください。
 ワクチン安全対策の方向性を決める副反応検討部会も新型コロナワクチンに対応できるのか、疑問を持っています。現状では、数か月に一回開かれる会議に、それまでに集まった副反応疑い報告が事務方から一覧表を基に説明され、短時間で次々と審議されています。各症例のカルテや検査データなどは検討されません。私は常々、この検討部会に薬害被害者や市民代表などワクチンを受ける側で安全性に積極的にチェックしたいという立場の人が入っていないことに疑問を持っています。その一方で、ワクチンメーカーとの利益相反のある研究者が複数入っています。
 次の十九ページを御覧ください。
 国民には自己決定権があります。最終的には確かなデータを見た上で打つかどうかを決める権利、インフォームド・コンセントの権利があるはずです。しかし、脆弱な情報収集体制でそれが可能でしょうか。そして、法律で接種勧奨、努力義務が決まると、医療福祉関係者、接客業の人たちが、職場の圧力の下、意に反して打たざるを得ないということにならないでしょうか。
 損失補償契約については、実はメーカーの不正などがあっても補償するのかとか国会の承認がなくてもいいのかという疑問はあるんですが、時間がありませんので割愛します。
 この資料、二枚めくっていただいて、まとめ、最後のまとめを御覧ください。
 MMRワクチンをめぐる裁判では国は敗訴していますが、その教訓がその後の安全対策に十分生かされているとは思えません。二〇〇九年にはHPVワクチン、遺伝子組換えの技術を使って、自然感染の十倍以上のレベルの抗体をもう何十年にわたって粘膜にしみ出させて感染を制御するという全く新しいタイプのワクチンが登場し、厚労省の資料でも、十万人に五十二人というほかのワクチンに比べて高い頻度で重篤副反応が報告されています。ところが、その被害を訴えた人の多くはこれまでにない症状だということで因果関係を認めてもらえず、適切な治療が受けられていないというのが現状です。
 次が最後のスライドです。
 サリドマイド、スモンなど、過去の薬害の歴史を見ても、何か症状を訴えても最初は必ずその薬との因果関係が否定されています。そして、その被害が拡大した後にようやく対策が取られるという経過をたどっています。そうした歴史に照らし合わせると、今回の法律案の接種勧奨と努力義務、そして損失補償契約は拙速ではないかというふうに私は考えています。
 以上です。
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、片山参考人にお願いいたします。片山参考人。
○参考人(片山和彦君) 私は、北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学の教授をしております片山と申します。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、ワクチンの開発者及びワクチンの研究者としての立場から、現在報告されている新型コロナウイルスワクチンのうち代表的な四つのものについて、分かっていること、科学的に明らかにされていること、それから分かっていないことのまとめをしてみました。このまとめを御説明したいと思います。
 まず、皆さんよくニュース等で目に、耳にされると思いますけれども、ワクチンの効果の算出方法というのを一枚目のスライドにまとめています。
 ワクチンというのは、例えば接種対象者群が一万人だとします。そうしたら、その一万人を五千人ずつに二つに分けて、ワクチン接種群と、もう一つはワクチンと似たような薬、何の効果もないものですけれども、そのプラセボ接種群というのに分けます。そして、この接種、両方とも接種されたものですけれども、普通に生活していただく。その間、経過を観察します。
 プラセボ接種群には発症者が千人出たとします。それに対してワクチン接種群には発症者が百人出ましたという結果が得られたとすると、本来、何もしなければ千人の発症者が出たにもかかわらず、ワクチン接種群は九百人の減少を認めたということで、効果が九割ということになるわけです。つまり、発症予防効果が九〇%という数字はこの数字で出てきます。
 では、このラインを引くときに診断をどうするかという問題があるんですが、発症者と定義するのか、それとも入院患者と定義するのか、それとも重症者と定義するのかと、ボーダーの引き方によって効果の数字というのが前後に動くことになります。
 例えば、ロタウイルスワクチン、これは今年の十月に定期接種化されたものですけれども、重症入院症例の予防効果、この効果が九〇%以上という数字を出しています。しかし、このワクチンは感染を予防するワクチンではないんです。重症入院症例を予防するワクチン、その効果が九〇%というふうに理解していただきたいと思います。
 では、麻疹ワクチンを見てみます。この麻疹ワクチンの場合は、今度は発症の予防効果です。この予防効果としては、長年のワクチン接種のデータもございますし、九五%以上という数字が出されています。
 では、皆様毎年打たれているかと思いますけれども、インフルエンザのワクチンではどうかと。インフルエンザワクチンは発症予防効果が五〇%前後という曖昧な数字になっていますが、これ実は数字を出すのが非常に難しいからです。ボーダーを引くのが難しいということでこのような数字になっています。
 では、SARSコロナウイルス2に対するワクチンは、ニュースソース上では九〇%以上の発症阻止率を示しましたという報告がありますので、私としては、このデータはなかなかいい結果なんだなと思いました。
 さて、次のページをめくってください。
 四つのワクチンについて分かっていることの概略をまとめました。まず、一番上の行にワクチンの種類が書いてあります。左から御説明します。
 ファイザー、ビオンテック。このBNT162b2というのはワクチンの記号で、この記号でFDAの三相治験の結果を皆さんの手でも調べることができます。ネット上に公開されています。主成分は、S1―RBDというレセプターにくっつく領域のメッセンジャーRNA。RNAワクチンです。接種回数は二回、ゼロと二十一日の間隔を置いて二回目を接種します。第三相試験では四万四千人に接種がされまして、ほぼ終了しています。接種年齢層、これが大切なんですけれども、十二歳以上、この集団の中には五十六歳から八十五歳が四〇%含まれています。有効性の数字ですが、九十四人が発症した時点での計算値では九〇%、それから数週間たちまして百七十人が発症した時点での計算値は九五%という数字になっています。この計算の方法というのは同じ基準で計算したもので、人数の増加によってパーセンテージが増えたというふうに御理解ください。副反応については、軽微な副反応があるという大ざっぱな書き方ですけれども、中は細かく書かれているんですが、ここでは御説明させていただくことは省きます。温度管理ですが、マイナス七十度C保存では最大半年、二度から八度では五日間という保存条件になっています。
 もう一つ、モデルナのものです。次のカラムですね。メッセンジャーRNAの1273という記号で示されています。S2領域のメッセンジャーRNA、先ほどのファイザーとは違う部分のRNAを使っています。このワクチンは二回の接種、ゼロ、二十八日間の間隔を置いてもう一度。三万人の到達目標ですが、ほぼ達成している状況でデータが出ています。十八歳以上が接種対象者で、十二歳よりも六つ上ですね。六十五歳以上が七千人含まれています。九十五人発症時点での有効率が九四・五%という数字になっています。軽微な副反応については、このように報告されております。マイナス二十度Cで最大半年、二度から八度の温度で三十日間の保存が可能というワクチンです。
 では、その次ですね、アストラゼネカのワクチンです。これは、S領域のDNAをアデノウイルスに組み換えて、そしてアデノウイルスにDNAを運ばせるというもので、ワクチンの形態としてはアデノウイルスそのものです。これは、投与方法ですけれども、二回投与します。投与方法一、投与方法二という治験が行われました。今朝ほどですけれども、ネイチャーに報告がありましたが、この投与方法一というのは間違えて半量を打ってしまったというものだそうです。その間違いがいい結果を生み出したという報告になっていて、ちょっとトピックとしては面白いトピックでした。三万人の目標ですが、今は到達まだしていません。十八歳以上に接種をしています。投与方法一、これが効果が九〇%、投与方法二、従来予定されていたものですが、これが六二%の効果でした。合わせてみますと七〇%の効果ということです。皆さん、このニュースはお聞きになったことがあると思いますけれども、重度の副反応者が一名出たため一時治験中止となりましたが、その副反応はワクチンに由来するものではないということが分かったために再開されています。保存方法は二度から八度、六か月以上という割と安定したワクチンです。
 最後に、ノババックスのワクチンについて御説明します。これは、リコンビナントたんぱく質、ほかの生物でつくらせて、そのSたんぱく質というものだけを大量につくって、そしてそれを打ち込もうというワクチンです。それにアジュバンドが入っていて、サポニンベースの新しいアジュバンドが使われています。接種目標が、英国で一万五千人、USAとメキシコ合わせて三万人の目標を立てていますが、まだ到達していません。十八歳以上。今走っている最中ですので、詳細な有効性のデータ、副反応データ、温度管理のデータは出ていません。これが分かっていることです。
 では、次のページを御覧ください。
 ワクチンについて分かっていないことをまとめました。
 重症化阻止効果について、特に重症化高リスク群への効果については、ファイザーがプラセボ、ワクチン接種群の比較をして重症化阻止率はかなり高いというふうに言っていますが、実際の数字がこれです。プラセボ群は百六十二例中九例が重症化している、ワクチン接種群は八例の発症例に対して一例重症化しているということですので、非常に数字が小さいので、まだ重症化阻止率についての正しい数字は出ていないものと考えられます。モデルナについても同じように九十分の十一、ワクチン接種群では五分のゼロということで、ワクチン接種群は完全に重症化を防いでいるというように見えますが、この数字の母数を注意して御覧いただきたいと思います。
 次に、ワクチンの効果ですね。持続期間ですが、ファイザー、モデルナ共にこの治験のデータというのは数か月の観察、二週間から三週間というような話もありますけれども、そのデータが交ざった状態での報告です。ですから、まだ長期間の有効期間というのは分からないということになります。SARS―CoV―2の第三相治験開始というのが七月スタートなんですね。ですから、まだ四か月、二回接種目からまだ最長で三か月。どれぐらい効果がもつのかというのはこの程度のデータしかないというわけです。再感染はあるのか、どの程度の頻度なのか、このデータについても報告はまだ取れていません。
 次、三番ですけれども、低年齢層、先ほどの一番低い年齢で十二歳というところでカットされてきましたので、十二歳以下の低年齢層への効果については治験対象に入っていないため分かりません。ですから、治験対象にも入っていませんので、安全性についても確認されていないということです。
 四番目、副反応については、四か月程度では接種の初期の副反応が観察されますが、これは、正しい副反応を把握するためには長期観察が必要ですので、まだ不十分だなというところです。
 一番懸念されているのはADEという現象なんですけれども、これは皆さんお聞きになったことがあるかと思いますが、アンタイボディー・ディペンデント・エンハンスメントという言葉で言われております。これは、不要な抗体をつくるためにその抗体が逆に感染を増強してしまうという現象です。SARSのワクチンでは実験動物で確認されている現象です。デングのワクチンでは上市後の副反応調査でADEが発覚しました。ADEの発覚までに少し長い時間が掛かっているということです。これは、長期間観察しなければADEは見付けられないと、長期にわたる副反応調査が重要であるということを意味しています。
 さて、このワクチンについていかに考えるかですが、ワクチンは感染を防ぐのではなく重症化をかなり防ぐというふうにこの四種のワクチンについては考えれば判断がしやすいのではないかなと思います。ですから、重症化症例をいかに防ぐか、その防ぐことによってどれだけの人々が救えるのかというような形で考えていくとよいのではないでしょうか。
 安全性にはまだ不安が実際はあると思います。なので、接種するしないというのは、これらの情報を吟味して、そして自分たちの意思で判断できるように個人の意思を重視したいところであると私は思います。
 以上です。
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。

途中割愛

○梅村聡君 今、職域と申し上げたのは、先生おっしゃるように、その数がある程度読めるというのがあると思うんですね。職場の労働者以上の方が来ることはないので、一人、二人会社休まれる方でその日受けないということはあったとしても、数が大体読めると。全くの宣伝だけでこの日にやりますからという話になると、それこそ雨が降ったりそういうことでかなり差が出てくると思うので、是非そういうことも考えて、厚労省の方で、働きかけていきたいなというふうに思います。
 それでは、次、隈本参考人にお願いしたいと思いますが、確かに、今回、私も本会議でも質問したんですけれども、薬事承認の中で第三相試験がないことについて国民の方がどう見るかなと。つまり、国際的に約束をしたことで、これで安全が確保できるんだというのはいわゆるプロの議論でして、国民の方がそれを聞いたときに、さてどう感じるかなということが、私はここ一番大きなことだと思うんです。
 今日、隈本参考人の資料の中で、この二ページ目ですかね、接種勧奨と努力義務を課す前提としてそのワクチンには高い有効性と安全性がなければならないという、こういう内容の文章があるんですけど、ちょっとこれ私の解釈が間違っているかもしれないんですけれども、そもそも高い有効性と安全性は、任意接種だろうが定期接種だろうが、薬事承認としてされるときにはもうこれ既に必要なものであって、これがもうひとつ疑わしいから接種勧奨や努力義務を課す課さないという議論は、私ちょっと違うんじゃないかなと思っています。任意接種だろうが何だろうが、ある一定のレベル以上を日本では必ず確保しなければいけないもので、その中で、有効性に加えて、その病気の例えば致死性がどうなのかとか、社会に対するインパクトがどうなのかとか、あるいは社会全体の経済活動含めてどういう影響があるのかというところ、総合的に判断してこの接種勧奨と努力義務が課せられているのではないかなと、そう私は考えているんですけど、これはちょっと隈本参考人のお考え、違うのかどうなのかお聞きしたいんですが。
○参考人(隈本邦彦君) 先生御指摘のとおりで、とにかくワクチンには、健康時に打つものですから、当然高い有効性と安全性がなければならない、おっしゃるとおりだと思っています。ですから、最低限必要なものは、任意接種であろうが、それは義務接種じゃなくて接種勧奨であろうが同じであります。
 ただし、過去の、これまた古い話ばかりしてあれですけど、過去のワクチンの事例を見ますと、やはり出てからすぐはその実力がはっきり分からないので、任意接種でかなり進めてから、そしてこの効果も十分だし、一番欲しいのは、この臨時の予防接種ですから、感染を広げない、流行を止めてしまう力ということなんですが、そういうものが分かってくるまでには、やはりある程度の時間を掛けて任意接種を続けながらその中でデータを集めていき、これは国民に自信を持って勧められるワクチンだなとなってから定期接種になっているという、これは過去のワクチンはみんなそういう歴史を持っていると思います。
 ちょっとまた物議を醸しますが、HPVワクチンは承認されてから一年ほどで接種勧奨の臨時の事業が始まって、ほとんど無料で打てるようになってしまったので、それちょっと僕らは早いなと感じているので今申し上げているところです。ほとんどのワクチンは任意接種である程度実績を積んで、まさにプロの目で見てこれは国民にお勧めしてもいいなというふうにはっきり自信を持てるようになってから勧奨と義務、努力義務がつくられてきているという流れがあると思います。
 もう一つ、また古い話を申し上げれば、元々予防接種法が改正されて、今、個別接種になっている、昔は義務接種と言っていたのを勧奨であるというふうに言うようになったのは、定期接種と言うようになったのは、やはり一人一人の健康状態を十分確認して、ちょっとこの人はワクチン打って大丈夫かという人をうっかり打たないようにするというそのワクチンの安全性の考え方ですね、そういう考え方で長年つくられてきたものですから、今、とにかく打たなきゃという雰囲気になっていることに私はちょっと心配をしているわけです。つまり、例えば、わあっと集団で接種をすると、中には本当は体調が良くないのに、まあこれ打つのが国民の義務だろうとかいってやってくる人がいたらどうしようということを念頭に考えております。接種勧奨というのはそういう重いものじゃないかというふうに受け止めて申し上げました。
 基本的に高い有効性と安全性がなければそんなワクチン認めちゃいけないというのはまさにそのとおりで、私もそう考えております。
 以上です。
○梅村聡君 思いは私も共有しております。
 そんな中で、その今委員のお話でいくと、実力がはっきりするまでは任意接種という形ででもやっていったらいいじゃないかということなんですが、これちょっと鶏が先か卵が先かみたいな話になりますけど、任意接種でいきますと、健康被害が生じたときの、この接種勧奨と努力義務がなければそのときの補償とかそういうものも当然低くなるんですけど、その点はどうお考えなんですか。
○参考人(隈本邦彦君) 私もその点、そこは問題だなと感じておりまして、我々の意見書にもそう書いておりますけれども、要するに、過去の新型インフルエンザのときには補償の方は十分というようなやり方も、これから作る法律ですので、そういう意味では、接種に関しては勧奨ではないし努力義務もないけれども、補償は当然公費で持って、国が行う接種ですので公費接種と同じ補償の仕方をするということは十分可能だと思います。
 そして、今、任意接種で行われているものでも、市長会とか全国町村会の入っている保険でかなり高額な、市町村の判断でやった場合ですね、国の接種勧奨のあるワクチンじゃなくても、市長会とか町村会の持っている保険でかなり高額な補償があります。ですから、そういう仕組みも是非活用していただいて、そういう方策を是非皆さんに考えていただきたいなと思っております。
 以上です。
○梅村聡君 ありがとうございます。
 それでは、ちょっと時間少なくなったんですが、片山参考人にお伺いしたいと思いますが、先ほど、海外の新型コロナウイルスと国内のものは基本的には同じものだ、同じようなものだと。ただ、慶応大学で遺伝子解析なんかを今進めているというお話がありましたけれども、これちょっと毒性ということに限ると、毒性に関してもほぼ同じだという結論が出ておられるのかどうか、結論というかそういう見立てがされているのかどうか、教えていただきたいと思います。
○参考人(片山和彦君) 毒性に関してですが、実際のところ分かっていません。
 つい最近ですけれども、一アミノ酸変異が増殖能力の高いウイルスを生み出すという報告が東京大学のグループからもございましたし、大阪の微生物学研究所の松浦先生のグループからもあったと思いますけれども、確かにインビトロで試験管の中で増殖の速度を比較すると僅かに違いがある。でも、そのウイルス自身は、実は日本の中では二月の時点から既にはやっていた主流の株なんですね。
 ですから、患者さんの中で、重症患者、重症化になってしまった方と、普通の感染症として二週間ぐらいで治っていった方、このウイルスを二つを比べても差がほとんど認められませんし、一定の傾向は見出せないということから、私たちウイルス学の立場からすると、まだ毒性に関してはどこが担っているのかはよく分からないというのが実際のところです.

以後割愛(筆者)

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