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適当文具紹介/クツワ「クラリーノ筆入れ はねカル」

学童文具というジャンルが文具業界には存在して、それだけで店頭の棚1本分ほどには定番商品として並べられている。
文房具というものが子供たちだけのものでないのは確かだが、子供の頃のほうが使用頻度は高いのは事実で、何なら子供の頃にしか使わないものも結構あるのだ。
つまりは学校というコミュニティ、閉鎖空間での使用に特化・ルール決めされた商品が「学童文具」である。

あなたはここしばらくで赤白帽子を触ったことがあるだろうか?
三角鉛筆で文字を書いた記憶はいつだろうか?
お道具箱を机の引き出しにしていたのはいつまでだっただろうか?
文字すら書かなくなってきたこの時代に机上でガシガシと使われている文具なんてコピー用紙と学童文具くらいなものである。
(それでも少子化の影響で売上自体は悲しいものになっているが)
もちろん、小学生のお子さんとかいると結構触るのだろうけども。

このような「最近使ってねえわー」と言える文房具のひとつに「筆入れ」がある。
筆入れってなんやねん、筆箱と違うんか?ペンケースと何が違うんねん?ってなるとは思うが、僕だって明確な区別がされているかは知らない。
ただクツワは自社の箱型マグネット付き筆箱は「筆入れ」と呼んでいるので、それになぞらえているだけである。
とにかくこの「筆入れ」というもの、僕が小学生の頃はやたらめったらにボタンと機能がついたハイテク系なるものがブームだったので、
思い出語りにはこっちの話ばっかりになってしまうのだけれども、今の流行はこんなにごちゃごちゃしていないようである。

(ハイテク系筆入れの例。これはこれでロマン溢れて良い)

どうやら今の流行はシンプル&コンパクト。
キャラクター柄が学校側から禁止されてきているという背景もあり、とにかく無地か少しの柄がメイン。容量や中身はまあ昔とそう変わらないので、大事なのはいかに「親の目に魅力的に映るか」という点が大きくなっているのである。

そこで流星の如く現れたニューカマー、クツワの「クラリーノ筆入れ はねカル」シリーズ。

クツワには昔からランドセルでお馴染みの人工皮革「クラリーノ」を使った筆入れが縫製も丁寧で頑丈なので、長い間支持を集めていた。
そんな主力商材のクラリーノだが、気がつけば昔ながらの定番品という扱いになっており、目新しさがなくなっているのも事実であった。
三菱の9800鉛筆やトンボのNQ色鉛筆など、完全なる定番品となって認知されていれば話は別だろうけども、そこまでの認知はないのも事実。

そこで満を持して登場した新しいクラリーノが「はねカル」である。
何にしても一番の特徴は、とにかく軽い!なんか安全基準とか無視してんのかってくらいに軽い!
一応聞けばそのへんはちゃんとしてるようです。そりゃそうだ。
まあ、小学生のランドセルって中身が入っていたら大人でもきついくらいには重いので何か一つでも軽くしてあげようっていうのも親心であろう。
さらに新しく両面収納の2ドア対応が発売されたが、これはなかなかにギミックがあって少しワクワクできるのが嬉しい。
まず中皿(鉛筆さしたりするところ)が抜ける。中皿ごと外せるのだ。ついでに消しゴム入れも。
そしてそれは裏面に設置し直すことができる。画期的。

なぜこんなことができるかというと、左利きの子供には従来の鉛筆の抜く方向が使いづらいらしい。
右利きなので考えたこともなかったが、右利きナイズされたこの社会では僕らが気づかない不自由がたくさんあるのだなあとしみじみ感じる商品でもある。

まあこういう「軽い」とか「コンパクト」っているのは最近のトレンドではあって、
コクヨの「スマートキャンパス」

ナカバヤシの「ロジカルエアー」

サンスター文具の「ヨコピタ」

トンボ鉛筆の「モノエアー」

プラスの「エアかる」

とにかくストレスをいかに無くすかが機能性文具における命題なので、
こういったものはどんどん出してほしいよね。

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