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英文法ポラリス1 

武田塾に通い出した息子は、ルートに従って、大岩のいちばんはじめの英文法を終わると、次は英文法ポラリス1に進むらしい。
そこで、息子がやり始める前に少しやってみた。

まずは全体の構成について
動詞関連、準動詞、構造系、品詞系、文型の5チャプターから構成され、それぞれのチャプターは4〜7のユニットに分かれ、全部で30ユニットある。
各ユニットは、冒頭に、2〜4ページの説明があった後、問題演習がある。
問題演習は、ステップ1と2に分かれ、ステップ1が5〜10題、ステップ2が3〜5題で、ユニットによって問題数が異なり、問題数は、全体で375題となっている。
問題形式は、ステップ1が空所補充の4択問題、ステップ2が文整序(並び替え)問題、正誤問題(間違い部分を直させる)となっている。また、問題演習部分は、左側が問題、右側が解答解説の見開き2ページ構成となっている。

冒頭の説明部分は、入試で狙われやすいところを中心に説明がされており、全体がまとめられている訳ではない。
説明の仕方は、関正生流の説明が随所に見られる。現在形のいろいろな用法の説明として「現在形は現在・過去・未来形」とか、to不定詞をとる動詞について「不定詞は前向き未来志向」とか、「be to構文はこれから〜することになっているという意味」などといったものだ。これらは、文法書では羅列され、受験生は頭に刷り込んでいたものを、1つのイメージで説明できるとして丸暗記の労を省こうとするものだ。ただ、このような説明が役に立つのは、ある程度刷り込みをして問題も解いてきたが、なかなか覚えきれないという中級以上の者だろう。刷り込みも問題演習もしたことのない初心者が、この説明だけで乗り切ろうとするのには無理がある。
文法事項の説明は、しばしば図を用いながら丁寧に説明されており、これを読めば、どこがポイントか、入試ではどこが狙われるか、その際着眼すべきところはどこかが分かる。ただ、惜しむらくは、説明が「when s v , SV」といった図式的な説明だけで、英文による例文がほとんどないというところだ。その結果、そのユニットで経験する英文は、問題演習の15文くらいしかないことになってしまう。

問題はすべて入試問題で、文法書に出でくるような古典的な問題は出てこない。
解説は、その問題を解くに当たって、問題文のどこに着目し、そこからどう答えを導くかが簡潔に解説されている。その内容は冒頭の説明部分に沿っており、逆に言えば、説明部分を実際に運用できるかを試す問題構成になっている。
問題数は、1ユニットあたり多くて15題と少なけ、そのユニットの範囲の問題を網羅するものではない。しかし、頻出問題の解き方を教え、その運用をさせ、その定着をはからせることにより、効率的に得点力アップをはかる構成となっている。

本書は、ポラリス英語長文と同様に、入試予想問題集ないし入試頻出問題の実践問題集であり、本来は過去問演習直前の受験後期に取り組むことが想定されていたものと思われる。このことからすれば、大岩を終わったばかりの初心者には難しいと思われる。また、網羅性も高いものではない。
にもかかわらず、武田塾がルートの初期に入れているのは、頻出ポイントがわかりやすく解説され、その運営方法も学べて、手っ取り早く得点アップも図れるからであろう。ギャップが大きいと感じる生徒にはパターンドリルをかませるというルートも用意されている(さて、息子はどう評価されるであろうか)。また、網羅性の点についても、後にVintageが予定されている。

最後に、初学者の本書の利用方法としては、自分なら次のようにするだろう。
まずは冒頭の説明部分を読んだ上で演習問題に取り組んでみる。2回目は、冒頭の説明部分を読まずに1回目に正解できた問題も含めて取り組んでみる。間違えた問題、正しい解き方をできていなかった問題は、説明部分にもどって復習する。3回目以降は、どうしても間違える問題と自信のない問題をできるようになるまで繰り返す。仕上げは、演習問題を全部通してやってみるとともに、冒頭の説明部分を再度読んでみる。














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