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【合わせて読みたい:これは大村鈴香という複雑なひとの心の奥に悠々と横たわる、訪れる者のな…
◆◇◇◇ ㊻ ◇◇◇◆ 鈴香は気を取り直して、俯きかけていた顔を持ち上げ、悩みのなさそうな…
◆◇◇◇ ㊺ ◇◇◇◆ スーツじゃなくても、いいからね。 ? なんで? なんでって…と、鈴…
◆◇◇◇ ㊹ ◇◇◇◆ 麗のグラスからは時々、ウィスキーの香りが漂ってきていた。自分が、酔…
俺さ…あんまりよくなかったでしょ。 体が密着しないように、ふんわりと布団ごと、鈴香を抱きしめて、これ以上ないほど幸せそうに微笑みかけた奏太の、けれども、声だけはひどく、落ち着いていた。奏太を見返して、鈴香は黙りこんでしまった。 なんていうか、思ったほど、よくなかったでしょ。なんか…ごめんね? 気遣ってくれてたよね、気まずかったわー。次からは、合わせないでいいからね…? 適当に、天井でも見てて。ね。 …ええと…。 第一に、「思ったほど」の基準がよくわからないし(鈴香
◆◇◇◇ ① ◇◇◇◆ 沈黙が…流れたけれど、奏太はそれを無理には、破らなかった。鈴香…
◆◇◇◇ ② ◇◇◇◆ あー…電気暗くてよかったわー。いま、すずの顔見たら絶対ヘコむ。や、…
◆◇◇◇ ③ ◇◇◇◆ (…) 迫り上がる絶頂感に耐えていた鈴香が、小さく頷くと、楢崎くんは…
◆◇◇◇ ④ ◇◇◇◆ 楢崎くんはスープのお代わりを出したあと、鈴香の肩をぐっと掴んで、ア…
◆◇◇◇ ⑤ ◇◇◇◆ 楢崎くんは飲み終わった缶をかたり、とサイドテーブルに置いて、夜景を…
◆◇◇◇ ⑥ ◇◇◇◆ なに…? ううん、なんでもない。私、せっかくだから、旗艦店で指輪、…
◆◇◇◇ ⑦ ◇◇◇◆ 振り返って目が合うと、楢崎くんは鈴香に微笑みかけて、激しく唇を重ねてから、体を起こして鈴香の腰を抱え上げ、鈴香の膝を開いて、自分の脚にかけた。 いい眺め…鈴香。俺、いますごく、盛り上がってるよ。今日は悦すぎて漏らすまで、やり込んであげる。覚悟しなよ。 噛み付かれていた右耳が、熱かった。鈴香は、反り返った体の自重を頰と肘に感じながら、期待なのか、恐怖なのか、自分でもわからない、震える唇で小さく、楢崎くんの名前を呼んだ。 ◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆