この街に引っ越してきてからだろうか。
とにかく西が好きである。西って、方角の西である。どこに行ってもいいならば、わたしはひとまず西に行く。
なぜかも考えぬまま、長年のあいだ「ただ好きな西」だったのだが、生きていると急に出会うのである。わたしとおんなじ、「西派」の人に。
そうだ、西には夢があるのだ。わくわくして旅立っていけるのだ。そして、ずんずん進めば(いろいろ政治的な問題はあるけれど究極いえば)また帰って来られる。こういう「円環」のイメージは、わたしの趣味嗜好の深層部にあると思う。
今日からまた、はりきって西派でいく。
余談だが、引用した文の「19」とは、谷川俊太郎が自分で自分に質疑応答する、その19問目ということである。希少本で、偶然図書館で見つけた。プレミア価格も納得の名著であった。
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