ぜいたく
今日はTBSラジオ「アフター6ジャンクション」出演でした。
宇多丸さんとはじめてお話しましたが、Xanaduにとっても嬉しい言葉をたくさんいただいてしまいました泣
昨今の流行りのシティポップとはひと味違うというのが、本当に一番嬉しい感想でした。メロディーと言葉を大事にしてきてよかった。もちろん、これからも。
そんなXanaduの勝手にアルバム曲紹介も、あと2曲。
「ぜいたく」、去年の夏にはアウトロまで含め完成版と全く同じ構成のフル尺デモができていました。
「水蒸気」の時にも書きましたが、この曲も僕の「趣味ソング」で、趣味ソングの場合、趣味なのでデモにとても力が入っています。笑 明確にゴールが見えている、とも言えます。
そんなわけで、デモの骨格をそのままバンドで血肉化していきました。
曲の着想としては、大江千里さん「Rain」、笹川美和さん「琥珀色の涙」、キリンジ「スウィートソウル」あたりが参考としてあったと思います。
この手の曲は、僕は聴いていると無性にスイッチが入ってしまうことがよくあって、そうなると曲のイメージが先行してブワッと広がるので、慌ててメロディーを探していく、そんな作曲行程になります。まさにこの曲も、歌い出しのイメージから、手探りでサビのメロディーを探した記憶があります。
本当にシンプルな、良くも悪くもただの「いい曲」だったので、バンドでアレンジする際に何かスパイスを、ということで、何度かトライしましたが、いざやってみると、はじめは力加減やスパイスの配合があまりに繊細で難しく、みんなで頭を何度か抱えました。
延本がアレンジのリファレンスとして持ってきた曲に、ユーミンの「悲しいほどお天気」がありました。
この曲のエッセンスも加わり、ダラっと、淡々としていたアレンジに、演奏の程よいスパイスのバランスを探して、それぞれのパートが匙加減を見出していきました。
つのけんはブラシでこの曲は叩いていて、たかしはJohn Mayer的アプローチも織り交ぜることで、新たな立体感を曲にもたらしています。
鍵盤の音は、普通のピアノではなく、CPを選びました。「琥珀色の涙」の影響は大きかったかもしれません。
僕は、この曲は「水蒸気」と同じく、できただけで満足していたので、笑 いつアルバムに収録されてもいい、くらいのつもりでしたが、メンバーが推してくれたので、こっそり気に入っていた曲がまたしてもアルバムに滑り込んで歓喜でした。
とは言え、元々曲の着想がそれこそシティポップの水脈の先にある曲たちだったので、今作に馴染むこともわかっていたし、他の配信曲たちにはない味わいも持っている曲だったので、選ばれるべくして今作に選ばれたのかなとも思います。
歌詞は、仮にしては明確な映像が見えてしまっていたので、俺が書く!と言い張り、一度書き直そうとしましたが、書き直したものは案の定延本に不評で(実際今読んでも全然よくない笑)、結局大方最初に書いたままのかたちで残りました。最初のインスピレーションが強い曲の、これも典型的な歌詞の生い立ちとなりました。
そしてまた、この曲ももれなくXanaduの中の「アウトロが美味しい曲」に選ばれております(自薦)。
音源、フェードアウトしてますが、最後の1音のほんとギリギリ手前まで聴こえています。
こういうアウトロをいかに豊かに演奏できるかが、歳を重ねてきたバンドマンの演り甲斐のひとつになっていくのかなとか、思ったり、思わなかったり。
それにしても、人間は本当に、慣れると、気を抜くとすぐに贅沢言ってしまいますね。
そして後になって後悔する。
人間関係の中でも、あるよなぁ。
贅沢言わずに、生きてたいなぁ。なるべく。
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