道筋のようなもの

光の粒が笑っている

懐かしい歌が聴こえてきて

どこできいたものか考えていた

思い出せないでいたのに ふと、

それは羊水であることに気がついた

花弁を伝う花の乳で

切れ目から伝う樹液で

初潮の血糊で

さかいめをつなぐようなもので

わたしとあなたを交換するもの

あの歌に触れられたらのなら

どんなに心地良いだろう

そう思っていたら

私の頬にあたたかい水が流れていて

ここにあったのだ、と知れたのでした

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