とある高校教師S

日本のどこかの(元)高校教師。プロフ画像はテストの裏に生徒が書いてくれたやつ。J-RO…

とある高校教師S

日本のどこかの(元)高校教師。プロフ画像はテストの裏に生徒が書いてくれたやつ。J-ROCK好き(良いバンド教えて下さい)。教育社会学・教育経済学・教育心理学・教育方法論あたりの研究をライフワークに。中高生や大学生、教育関係者など、色々お話ができればと思います。

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教育実習記(1)

 高校教員としての経験も10年を超え、これまで様々な経験をしてきたことについて、教育関係者はもとより、これから教員を目指す方、教育に関心のある学生や一般の方、その他いろんな方に発信していきたいと思います。  更新時期は不定期になるかと思いますが、まずは、番外編(創世記?)として、大学4年生時の「教育実習」について、当時の記録を振り返りながら書いていきたいと思います。  基本的には、当時のSNS(懐かしのmixi)において、内輪向けに書いていたものを再構成したもので、現段階

    • 横浜市教育委員会による公判傍聴への違法な職員動員

       教員による児童生徒へのわいせつ事件の公判を巡り、横浜市教育委員会が傍聴に多数の職員を動員していた問題について、私が情報公開請求をした結果、以下の文書について開示決定がなされました。  太字の文書については、下部にてPDFを掲載しています。 【教職員人事課】 (1)市内出張命令簿(令和6年度) 【教職員人事課】 (2)不祥事事案にかかる公判への傍聴について(通知) 【教職員人事課】 (4)令和5年12月11日付裁判の傍聴について(協力依頼) (5)令和5年12月13日付

      • 郵便物等料金返還請求書兼受領証

         この記事は私が専門とする教育分野とは全く関係がありませんが、今後の便宜のために(他にアップロードしている人を発見できなかったので)書いておきます。  私は郵便を出す際には、家にあるスケールを使って重さを量って切手料金を調べて出しているんですが、たまたま計量ミス(or計算ミス)をして切手を張り間違えてしまった場合には、郵便局に差し出すときに「郵便物等料金返還請求書兼受領証」を書くことで、切手の返金を受けられます。  ところが、この「郵便物等料金返還請求書兼受領証」の様式が

        • 大阪府立高校における必履修科目の配当学年についての一考察

           この考察は、平成30年告示の高等学校学習指導要領が新しく施行された令和4年度における大阪府立高校の教育課程を調査してまとめたものです。  教育課程データの入手方法は情報公開請求(公文書開示請求)によるものですが、紙データから拾った(紙データしかくれない)上に、なぜか「漏れ」も何校かあって、全学校を網羅していません。ただ、一定の傾向は見られると思いますので、調査によって得られた考察を載せます。  同様に、東京都のものも全校分入手しましたが、数が多くて処理し切れていませんので、

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        教育実習記(1)

          教員日記(A高校・2)

          定時制高校での勤務体系  A高校定時制の勤務時間は13時から21時半でした。  私は、大学時代には夕方以降に主に家庭教師のバイトばかりしていて、家に帰れば2chやmixi、YouTubeやニコニコ動画で時間をつぶしているような生活をしていたため、昼夜逆転の生活となってしまっていましたが、教師になる前はいわゆる9時17時の仕事(残業は多々あった)で、せっかく朝型人間になれたと思っていたのに、定時制高校に勤務するようになってからは深夜に寝て昼頃に起きる生活になってしまいました

          教員日記(A高校・2)

          教員日記(A高校・1)

          A高校に赴任するまで  私は大学卒業後、3年間務めた会社を辞めて、縁もゆかりもないZ県の公立高校教員(公民科)として勤務することになりました。  Z県では、例年3月の中旬頃に新規採用教職員の内示発表があります。  3月の初旬に、現在教諭として勤務している先生たちの異動内示発表があり、それに続いて新規採用教職員の発表があるようです。  Z県の県庁所在地は比較的都会で人口も多いので、てっきり私はその近辺で勤務するものだと思っていました。私は年明け頃から県庁所在地近辺で交通の

          教員日記(A高校・1)

          八尾市立用和小学校1年生「春の遠足」における熱中症事故に関する資料

           2月末に報道された以下の事件について、八尾市教育委員会に対して行政文書公開請求(情報公開請求)を実施し、資料を入手したため、ここでシェアすることにします。  担当教員には口頭による厳重注意が行なわれたようですが、それ以降のある時期から市教委は熱中症発生の責任を回避し始めたようです。不可解です。 Twitter(X)にも書いた追記 遠足は令和4年5月27日。 遠足のルートは「学校<徒歩>八尾駅<近鉄>久宝寺口駅<徒歩>久宝寺緑地」の往復です。 ◆遠足当日は早朝まで小雨で

          八尾市立用和小学校1年生「春の遠足」における熱中症事故に関する資料

          教員になるまで

           Twitter(X)でもお知らせしたとおり、私は2024年3月をもって公立高校教員を退職しました。  今後は、noteとTwitter(X)を利用して、これまでの経験や、学校現場の課題や現状などを発信していくことにします。  私が書く内容は、読む人が読めば「ああ、これはうちの県の話だな」「この人はこの辺に住んでいたんだな」とわかることなどもあるかと思いますが、すでに退職しておりますので、法令に反しない限りは自由に記載していくものとします。また、仮に私を特定した方がいたと

          教育実習記(13)了

          第10日目(最終日)  始業前に、昨日の研究授業について、教頭先生からご高評を賜った。  他の実習生と比較して、上手くできており、クラス全体を見渡せていたこと、教材研究をしっかりしていた点を認めていただけた。  1限は、A組の音楽の授業を見学した。今日が最終日で、クラスの授業と関わる機会もこれで最後となるため、小さなことまで見逃さないように気をつけた。  授業は教育実習生が担当していた。俺が最初に担当した授業のように、生徒を置いてけぼりにしていると感じた。生徒が音楽の知識

          教育実習記(13)了

          教育実習記(12)

          第9日目  4限、先週に引き続いて、総合学習を授業見学した。  総合の壁新聞作成のおかげで、放課後のHRに生徒が残り、俺は生徒らと色々話をする事ができたと思う。  黒板の前で発表する点は各班同じだが、発表の方針が各班で特色が出ていた。  新聞をポスターのように用いてプレゼン方式にするところもあれば、新聞は壁に貼るだけで原稿を読んでるところもあった。  5限は体育館で進路集会があった。  そこでの話題は、大学入試に関するものではなく、もっと先の将来をどう生きていくのかがメ

          教育実習記(12)

          教育実習記(11)

          第8日目  4限はA組の音楽の授業を見学した。先生は6年前に高校1年生だった俺のことを覚えていてくれた。  生徒が「大地讃頌」を合唱した時には、先生に「あなたも一緒に歌いなよ」と言われ、生徒に交じってテナーパートを一緒に歌った。未だに自分のパートの音を覚えていたことに少し驚いた。  その後の音楽鑑賞の際には、寝ている生徒が散見された。生徒の姿を後ろから見ているとよく目立った。俺も高校時代にはこうやってよく授業中に寝ていたのを覚えている。  杉村君が下向いて眠そうにしてたの

          教育実習記(11)

          教育実習記(10)

           第4日目の黒長の発言について、俺はけっこうショックを受けて、色々考えていた。  教育実習に来た俺は、高校生のときの自分を追体験しているような気分で、目の前の生徒を救うことで、なんだか過去の自分も救われるような気がしていた。  そんな彼らが吐露した息苦しさに対して(そして他にも似たような思いを抱いているかも知れない生徒たちに対して)、教育実習生として何かできないだろうかとずっと考えていた。  彼ら全体と接する時間として残されたのは、残りの授業2時間分。最後の授業は研究授業

          教育実習記(10)

          教育実習記(9)

          【 先述の数学の先生は、私が高校時代には授業を受けたことはありませんでしたが、、当時自ら「俺はデモシカ教師だからダメ」と公言していた上に、他のクラスの女子が「あの先生の授業は分かりにくい」と言っていたので、私は授業も受けたことがないのに勝手に「授業が上手ではないダメな教師」だと思い込んでいました。  しかし、教育実習で実際に授業を見学させてもらったら、ユーモアに溢れた分かりやすい授業だったので、「俺はデモシカ教師だからダメ」というのは、あるいは謙遜の意味であったのかもしれない

          教育実習記(9)

          教育実習記(8)

          第6日目  朝のHRの前に、「生活調査用紙」を配った。  入学して最初の定期テストの前後でどのような心境の変化があったのかを書かせるもので、どうやって勉強したかや、テスト結果を受けて勉強の時間が増えたかとかを聞くものだったが、他にも悩みを書く欄があって、交友関係で悩みがあるか、勉強で悩みがあるかも問うていた。生徒の不安や困り感を解消したいという気持ち半分、ちゃんと生徒の状況を把握していますよというアピール半分、というところか、と思った。  みんな色々悩みを抱えつつも、自分で

          教育実習記(8)

          教育実習記(7)

           昼過ぎ、教務担当の先生から、「教育実習生控室の横の女子便所でタバコのにおいがする」という話があった。恐らくは生徒が吸っているのだろうが、学校まで来て吸うということは、結構な中毒なんだろう。  俺としては、どうしてたばこを吸い始めたのかを知りたいと思った。格好を付けるためか、誰かに誘われたか、気を紛らわすためか。 ***  授業後には、在校生に対しての大学案内をした。  これは、教育実習生が在校生(1~2年生)に対して、自分の通う大学や学部の紹介をするもので、総勢14人の

          教育実習記(7)

          教育実習記(6)

          第5日目  1限は社会科の教科会で挨拶をした。  紹介がてら、「現在の教育について見解を述べよ」と言われたので、「現在、大学進学率は5割を超え、専門学校も含めれば7割を超える状況だが、一部の教育機関を除き、もはや高等教育機関と呼べないほどレベルが低下している。単に学士資格を取るための機関、ともすれば商業主義のサービス期間になっていることに危機感を感じている。また、高等学校進学に際しても、普通科のみが重要視され、産業の根幹を支える工業科や農業科・商業科が軽視されている点も憂慮

          教育実習記(6)